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戦争映画を覗き見たい人の映画

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024年/109分/PG12/アメリカ)【監督】アレックス・ガーランド 【出演】キルステン・ダンスト/ワグネル・モウラ/スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン/ケイリー・スピーニー

「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランドが監督・脚本を手がけ、内戦の勃発により戦場と化した近未来のアメリカを舞台に、最前線を取材するジャーナリストたちを主人公に圧倒的没入感で描いたアクションスリラー。

連邦政府から19の州が離脱したアメリカでは、テキサス州とカリフォルニア州の同盟からなる「西部勢力」と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。就任3期目に突入した権威主義的な大統領は勝利が近いことをテレビ演説で力強く訴えるが、ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。戦場カメラマンのリーをはじめとする4人のジャーナリストは、14カ月にわたって一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うべく、ニューヨークからホワイトハウスを目指して旅に出る。彼らは戦場と化した道を進むなかで、内戦の恐怖と狂気を目の当たりにしていく。

出演は「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のキルステン・ダンスト、テレビドラマ「ナルコス」のワグネル・モウラ、「DUNE デューン 砂の惑星」のスティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン、「プリシラ」のケイリー・スピーニー。

普通に戦場カメラマンの戦争映画だった。ただそれがアメリカ国内というのが問題作なのか。戦場カメラマン(ウーマンか)に憧れる覗き趣味的に名前を上げたい女子が戦場を体験して一人前のカメラマンになっていく話で、大統領選があったので、そんなことも起こるかもしれないと覗き趣味的に映画を観るのがほとんどの人だと思う。まあ、実際にトランプが早々と勝利宣言をする今回の選挙で反トランプの人は溜飲が下がるのかもしれない。ただ今回はトランプが大差で勝ちそうなので、内乱ということはないだろうということだ。

むしろこれからが大変だと思うのだが、ウクライナ問題やイスラエル問題、さらに中国問題となれば日本も大いに関係してくるだろう。ジャーナリストの香港人があっさり殺されるシーンがあり、あれは中国を刺激しなければと思うのだが、香港だからあまり影響もないのか?

報道カメラマンの何が起きても冷静にいられる態度と戦争好きの覗き趣味がアメリカの報道姿勢にあるというのは、それが有名になるということなのかもしれない。結局女子が憧れる先輩カメラマンは悲劇になるのだが、そこを何喰わぬ顔でやり過ごさねばならないというのは、職業病みたいなものがあるのかもしれない。結局大局的なことに思考が行かない人間の欲望のままに行動する人々なのだろう。前線に向かう中で活気あるロック音楽を流しながら野次馬でいるというのは通常ではないと思うが、それだから病んでいく報道カメラマンを描いた映画なのかもしれない。

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