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『百人一首』本歌取り
短歌の練習のために「百人一首」をサンドバッグ代わりに本歌取りをしました。「明日のジョー」にのせてどうぞ。
『百人一首』はこちらのサイトから。
1仮免の仮庵(かりほ)の庵(いほ)の歌詠みはいつに塚本K点超えか
2母は亡く還暦過ぎて母の日のカーネーションの赤の赤々
3足疲れ山鳥の尾しだり尾の月影公園のダンボールハウス
4藤棚の向こうに富士の高嶺雪花木は茂り浦の裏庭
5ビル街に濡れ落ち葉踏み
へいタクシー!
上司吐く臭い夜は悲しき
6銀幕の首都高の夢
通り抜け
湾岸の橋夜はふけゆく
6映画通きみを誘つた特集は爆睡の夜よのタルコフスキー
7月の島ふりさけみれば忘れたコトバ波に流され
三句目忘れました!波に流されたということで想像して見て下さい。
8映画館午後の楽しみ
パッションを
惰眠と共に浪費ぞするなり
9「推しの子」はいざB小町親の色うつりけりなながめせしまに
9花の色は秒殺に闇月眺めかぐやの君は彼岸の光
エゴサーチいざ言問はむ推しの子は炎上してもかける言なし
(本歌)
名にしおはばいざ言問はむ都鳥我が思ふ人はありやなしやと 在原業平
10カルメンや遭うも逢わぬも
地獄花
知るも知らぬもミー&ケイ
11わたの原隠岐の島には名歌人暇なら告げよ参議篁(さんぎたかむら)
12天津風荒野に響く
銃声は
早撃ちキッド刹那とどめむ
13恋の誤差終われば落つる男女(みなの)川 恋ぞ果てて海に流れる
14社(むしろ)のおく大木語る誰ゆゑに修羅に乱れて我なくために
15きみがため四葉探しの白詰草ゆらゆら霞むハッピーエンド
16格差かな茨の監獄
君と僕
待つていろと今にみていろ
17五月雨に濡れても威厳
マリア様
大理石でも水に滴る
18通学路可愛い人よ隣り合う夢から覚めて乗り越す路線
19難事件みじかきあしの遅さにはパスカルも投げ出す迷宮や
20わびぬれば紫陽花見つめ難波なる陽がさし変わる紫陽花の色
22嵐去り夏の草花恋はもえひともうきうき6月という
23雨降れば喪服も濡れてフラメンコわが身ひとつの枯身に波紋
24断ち切れぬ思ひ祈りて電話する神のいぬまに留守のまにまに
25寝てる間に襲う狼糾弾す人に知られて朝まで議論
26青春の十八きっぷ一人旅今ひとたびの時を忘れて
27溺れゆくナルキッソスの月影にわきて流るる幽けし光
28心さえ卯の花腐し徒花と人目もくさも腐しと思へば
29キリストの十字架背負う民衆は折らばや折らむ独裁者
30初恋やすくふ網なし崖つぷち沈みゆく鯉うきものはなし
31朝ぼらけ灰色コカ・コーラを見るまでにアイツと君と飲み潰れた日
32デニム干すジーンズ通りしがらみは流れもあへぬデニムマスクを
33母重ししづ心なくキリストは花散る春の下僕なるらむ
34あぜ道にかえる鳴く声夜の道忍び寄る跫(おと)ヘッドフォンの罠
35大鴉心も知らず屍をついばんでゆく想いも無きに
36夏映画「孤独な声」の子守唄オールナイトが終われば夜明け
37あぜ道にかえる鳴く声夜の道忍び寄る跫(おと)ヘッドフォンの罠
38忘らるる五月もすぎて六月のアナーキストは命も惜しくもあるかな
39老いし父惚けて出家ししのぶれど妻子忘れて尼僧求む
七夕や夜雨(よさめ)ひとりの夢一夜ものや思へば朝は虹色
蜘蛛男風のうわさに立ちにけり糸を操り悪人退治
42契りきなかたみに紐を結びつつ時の栞に夢一夜待ち
43七夕の願いの心ムコリッタ今はものを思はざりけり
43逢ひ見ての幼馴染は館(やかた)姫
天使ルシファー思はざりけり
44電子キー掟(おきて)の言葉なかなかに
神の四文字恨みざらまし
45あはれとも春夏秋冬時は過ぎ
姫は老婆となりぬべきかな
46凡人の盆送りとて本を読み行方も知らぬ歌の道かな
47怨念は人こそみえね道成寺蛇姫閉じて欣求(ごんぐ)時雨
れて
48ロケットの岩うつ波のニュース見て砕けてものを見つめる女
49給仕する店内冷房故障中客は消えつつものをこそ思へ
49 御垣守(みかきもり)どこにも番人いて騒ぐ若王路王の子でなく路
50きみがため隠匿するは逃亡者どの道詰んだ穴倉
51かくとだに八月の風記憶する灰燼の跡 夕凪の街
52旧作は古びるものと知りながらなほ慚愧するシン・シリーズは
53祈りつつひとり寝の夜十字架は傾いたXとかを知る
54沖縄の外れまでは難(かた)ければ海を超えてか子とともに死す
55宿題は絶えて久しくやらぬれど読書感想解説写し
55水槽の忘れて久しいカブトムシすえたにおいは僕たちの部屋
56あらざらむヒップホップのライムには未来に託すオペラ座の夜
57巡りあひてオペラ一緒に歌いましょうラッパーはバトル ハーモニーは嫌!
58オキナワとヒロシマ・ナガサキ過ぎ征きてラジオ伝えるミカドのコトバ
59安らかに戦争も平和の文字も待っているだけ月を見しかな
60マイウェイ歌へば外れ遠野道亡き友ともにヒトカラの夜
61いにしへの乗り継ぎ列車不通だよ台風直撃 足止め喰らふ
61八重桜見て六本木四面楚歌の不倫のふたり三角ひとり
62夜をこめて反乱分子と騒ぐ虫四面三角楚歌の王と妾(わたし)
63つくつくぼうし呪文で祓ふ破戒僧顔に小便静けさの森
64朝帰り寝室に誰?たえだえにあらはなるはだ妻の痴態よ
ロープウェイ布団干してふかふかにカーゴは来ない君のストライキ
66でも月も欠けゆく姿闇の中遠吠え果てて歌は不変か
67ケシの花咲く夜の夢とそれから明けて白百合の香(こう)
68選べない心ならずもコウモリと道化て見せる背中から羽根
68心にはいつも隠している刃(やいば)うき世に向ける歌あるならば
69あらし吹くスキャンダルにて消えていくヒロインたちの芸能墓場
69野分跡源氏亭はあれにあれ龍田の川に浮かぶ死体は
70影さえもひとり先行く間がありて追いかける子ら秋の夕暮れ
71黄昏れて国は傾きスキャンダルわがもの顔に秋風ぞ吹く
72音に聞く木魚の木霊遺影にはくすくす笑い修正し過ぎ
73やまなしの池の泥沼泡弾けクラムボンもたたずむだけよ
74憂いたるハーメルンの笛吹は黒峠超えうたの子ら消え
75国葬も無関心な人々よ命は軽く秋も去ぬめり
76バテレンのしじまの告解はイくイく神と沖つ白波
77爆発も殺したいほどの男なら自爆テロと逢わずにいれば
78阿波踊りルンバで勝負浅草のサンバの会とちびくろサンボ
79秋風にさまよひ歩きアル中のもういつぱいが硝子の世界
80黒髪に卵パックする君のあと風呂そうじする温泉卵臭
80黒髪を思ひ切るようあを染めて幸福求め海をみる君
81フリークス夜通し騒ぎ胸騒ぎ鬼滅の刃有明の月
82軽トラの荷台に載せて収穫祭どこへ売るにも涙なりけり
83戦争よ道こそなけれ瓦礫下弱い者から押し潰されて
84マッチング見合いサイトで保険金誘惑結婚詐欺トレーニング
85路上にてパントマイムで日銭かなねやのひまさへストップモーション
86嘆けとて音楽室と思えども暗闇の先カナリヤ果てぬ
87村雨の刃も血塗る上海を和人か漢か鬼畜米英
88四面楚歌ガザに降る灰 神はなし 灰燼の天使みおつくしてや
89魂よ!絶えてしまうは白い血が黒いダイヤに目が眩むから
90赤シャツを派手すぎと咎められ色は変らず還暦祝い
91きりぎりす鳴くや交差する 路上の分離帯をこへ事故死の果に
92暴力の夜が支配この国の人こそしらね理性ある朝
93クリスマス家族を離れて戸を開くつねにもがもなMerry Christmas
94モスクワの冬は厳しく冬将軍 降る雪寒く大砲うつなり
95めいるかな無機質な夜めくるめくめいめいめると羊数える
96朝市へ指さす先に霜降りの肉を買ひたし月夜の晩に
96燃え落ちる十字架背負ひカジモトはわが身捨てもノートルダムの鐘
96夕陽みて時の矢放つクロノスはアキレスを撃つ我が身なりけり
97音楽は我を主人に颯爽と粋がりつつも身もこがれつつ
98風そよぐ無人駅にて踊る君夏の終わりに島唄送る
99サヨナラと戸締まりするや空っぽの人もうらめし二人の世界
100日本を破壊せし怪ゴジラにも悪をしのび昔なつかし