ホリプロの宝飾劇場か?
WOWOWステージ「高畑充希主演『宝飾時計』作・演出 根本宗子」
一度に見きれず三回ぐらいに分けてみた。セリフが現代的なのか次々に漫才のようにまくし立てる劇で、おじさん世代はついていくのが大変だ。
二部構成で二部は一部のリライトなのだが心理描写が加わる。だから一部のハチャメチャの導入部はわかりにくい感じがした。舞台は回転式で面白い。昔の演劇はこのような大掛かりなセットがあったのだが、小劇場ブームからセットも簡略化しているようなので、大仕掛けのセットを楽しむのも面白いかも。さすがホリプロの力だ。
『推しの子』の子役編のエピソードみたいな劇だった。子役からの成長がテーマかと。こじらせ女子のような主人公。脇役の小池栄子とか伊藤万理華が良かった。高畑充希のキャラがイマイチだと思ったのはそこまで家族を求めるのはなんでだろうか?と思うのであった。孤児だったとか?そのへんの過去を現代劇はあきらかにしないよな。家族関係が良すぎて死に別れたのか、逆に親の捨てられて家族を求めるのか?
ゆりかは優等生タイプの女優だけど共演者の自殺によって、いつしか劇を続けていれば帰ってくると妄想している。実際にゴーストを見ているのだが。マネージャーがその自殺した少年だったということで話が複雑に展開するストーリー。
20年前から成長を止めたゆかりは突然背が伸びて子役ができなくなるので引退公演に初演の仲間(ライバル?)を呼んでのドタバタ喜劇となるのだが、喪失したことで成長するという通過儀礼のような物語。ラストはハッピーエンディングなんでホリプロかなと感じた。
小池栄子はうるさ型の主婦のブロガーというような。伊藤万理華が宝塚出身のステージママの犠牲になる引きこもり娘で、最初のハチャメチャから引きこもり娘まで上手く演じていたと思う。ここのサブ・ストーリーだけでも面白い。
高畑充希は子役スターだったこともあり30歳になって新たな可能性にチャレンジした高畑充希の劇だと思う。その部分でメタフィクション的に楽しめるかも(ファンだったら)。ラストで椎名林檎の曲を歌うとかバックアップもホリプロならではなんだろうと思った。