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ジェラール・ドパルデューの娘さんが出ている映画

『ある秘密』(2007年/フランス/107分)監督・脚本:クロード・ミレール 出演:セシル・ドゥ・フランス、リュディヴィーヌ・サニエ、マチュー・アマルリック


あるユダヤ人家族。父親の愛情を感じられない病弱な少年は、両親が何か隠し事をしていると疑っている。第二次大戦を生き抜いた両親の秘密が、過去と現在を往来して紐解かれていく。フィリップ・グランベールの自伝的小説が原作の、ミレール晩年期の最高傑作と評される重厚な人間ドラマ。セシル・ドゥ・フランス、リュディヴィーヌ・サニエ、マチュー・アマルリックら当時の若手実力派が顔を揃えた。

映画ホームページ紹介文

「生誕80周年記念 クロード・ミレール映画祭」で観たかった映画を先日間違えて『勾留』を観たのだった。それほど悪い映画でもないが、ストーリーが重くて映画としての動き(移動と尋問のシーンが重い)が少ないので退屈だったが、この映画はある部分ナチスのユダヤ人刈りと恋愛映画を絡ませた内容で退屈はしない。ほぼ事実であるなら、監督の私小説的映画かと思う(違いました。フランスのベストセラー小説の原作があった)。

視点が思春期の青年とその青年が成人になって老いた父を見守るストーリーが交差する。父はユダヤ人であり、先妻との間にスポーツ万能な息子がいたのだが、その二人は不幸な運命をたどる。その間に入ってきたのが、同じユダヤ人だけどスポーツウーマンの語り手の母だった。

この母親役の女優の魅力がメインで、当時のナチスの健康美というような、オリンピック選手のような肉体なのだ。その肉体美に惹かれていく父なのだが、先妻は可愛い系のまったく正反対の性格が対象的で、その女優の演技もいい。助演女優賞を取ったのは、従姉妹の見守り役の人がジュリー・ドパルデューだった。彼女は、フランスの名優ジェラール・ドパルデューの娘だった。それは実力あるよな。美人ではないが仕草が魅力的だった。三角関係ものなのだが、そこにユダヤ人刈りが絡んでいる。

そして語り手の青年は、腹違いの兄の幻影に悩まされる。これは小説だとけっこう手の込んだ作品だと思うが映画は二人の女優の魅力と、この語り手のひ弱なコンプレックスの塊のような青年役の俳優が個性的なのだ。全体的にフランスの文藝映画という感じで面白かった。


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