天才少女と言われたツンデレお嬢さんのモーツァルト
Maria Joao Pires『Mozart: Piano Sonatas』(DGG/2006)
マリア・ジョアン・ピリスと言っていたが、マリア・ジョアン・ピレシュと呼ぶらしい。ポルトガル出身のピアニスト。優等生キャラで音楽教室でモーツァルトを弾いていたイメージがある。良家のお嬢さんという感じで(偏見です)。
ピレシュでモーツァルトが好きになったのは、辻原登が蕪村の評論で書いてた「サウターデ」だと思った。「郷愁」ということで、ブラジルやボサノバのイメージだと「サウダージ」。ノスタルジーなんだけどもう少し高級感。お嬢様のピアノだった。
しかし、ヨーロッパの片隅から中心へ行くと全然違った世界でお嬢様でいられなくなった。そこで頑張りすぎてピアノが弾けなくなってしまう。そんなことから戻ってきて一人寂しく弾いていたがまた故郷でカムバック。
ツンデレ・タイプか。優等生的だった頃は近づきにくかったが後期の演奏は優しさが感じられる。モーツァルトはこのぐらいゆったり感じで聴きたい。