凡河内躬恒が読めない人には難しい
『平成歌合 古今和歌集百番』上野正比古
現代によみがえる最高峰の遊び… これぞ『平成歌合』！
和歌の伝統のひとつである「歌合」を用いて、古今和歌集より厳選した百首と自詠歌を番わすことにより、古の代表的な歌人である紀貫之、紀友則、在原業平などと時を超えて歌を遣取りし、それを解説する新たな試み。
先に『新古今集』の方を読んで面白い試みなので図書館で借りた。返却期限が来たのでとりあえず返却。
『新古今』は後鳥羽上皇が滅んでいく雅な世界を和歌の世界で構築しようとしたので、藤原定家の本歌取りや新たに台頭してくる鎌倉武士の西行のもののふなどの特徴があると思うが、『古今集』はさっぱりわからなかったな。小野小町や在原業平の漢詩から自由に対する憧れみたいなものが、紀貫之を中心とした仮名で和歌を詠むのだみたいな意気込みとして出ているのかな。漢字の技工よりも素直な心の詠みようが仮名という世界に現れているのだろうか？ちょっと『古今集』はよくわからなかったので出直さねばなるまい。
ただ言えることは著者である上野正比古の歌が上手いというのはある。下手の詠み人知らずだと上野正比古の技工に翻弄されてしまう。『古今集』は和歌的な素直な気持ちにあるのかもしれない。
凡河内躬恒（おおこうしのみつね）や壬生 忠岑（みぶ の ただみね）の正しい漢字の読みができるぐらいにはなったか？そういうところからの出発だった。