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忘れられた記事(未完成)

世紀の祭典が生んだ、煌びやかな文学者の競演! 錚々たる名手たちが、五輪に沸いた1964年東京のすべてを描き出した全記録。世紀の祭典が生んだ、煌びやかな文学者の競演! 
三島由紀夫、井上靖、檀一雄、小田実、安岡章太郎、大江健三郎、阿川弘之、石原慎太郎――
錚々たる当代の名手たちが、文学者の視点で五輪に沸いた一九六四年東京のすべてを活写し、話題をさらった貴重なルポルタージュ集。
東京オリンピック開催決定を機に、待望の刊行。

目次
1 開会式(オリンピック東京大会讃歌(佐藤春夫)
燃えろ東京精神(堀口大學) ほか)
2 競技(ボクシングを見て(三島由紀夫)
重量あげの三宅選手(井上友一郎) ほか)
3 閉会式(たくまざる名演出(井上靖)
「別れもたのし」の祭典(三島由紀夫) ほか)
4 随想(オリンピックのテレビ(小林秀雄)
わしがよんだわけじゃない(小田実) ほか)

戦後最初の東京オリンピックの作家たちの観覧レポート。2020年の東京オリンピックとは随分様相が違うのは敗戦後のスポーツの平和の祭典であり、否定的な人は少ない。作家たちもペンによるオリンピックという競争意識があったようである。一番張り切っているのは三島由紀夫で高橋源一郎のあとがきでも彼が一番芸術点が高いだろうということだった。大江健三郎も小田実も積極的に記事を書いている中で石原慎太郎がオリンピックに否定的なのが面白い。すでにオリンピックが素人の祭典ではなく原爆保有国の国威を示す祭典という意見で興味深い。

杉本苑子の学徒動員を振り返っての開会式とお祭り騒ぎの様子などの記事も読み応えがある(この作家は知らなかった)。またドイツ人の観客が「ヒタチノミヤ」とか「テンノウヘイカ」などを観てプリンス、プリンスとはしゃいでいる。「東洋の魔女」はどの作家も感動レポートを書いているのだが、石原慎太郎も感動する記事を書いていた(ただし「鬼の大松」レポートが先に来る、また汗に濡れたコートをタオルで拭く姿に大和撫子を感じたりするのだった)。アベベの孤高さとかリスペクトする感想とか都知事になっての石原とは違う人みたいだった。


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