アブドゥーラ・イブラヒムを聴く
今週のウィークエンドサンシャインでアブドゥーラ・イブラヒムのアルバムを紹介していた。
アブドゥーラ・イブラヒムよりもデューク・エリントンがマネーが稼げるようにと付けたアメリカ名ダラー・ブランドで呼んでいたので、そちらのほうが馴染みがあるのだが、南アフリカのアパルトヘイト反対闘争を繰り広げたネルソン・マンデラとも親しいのでアフリカ名のアヴドゥーラ・イブラヒムという呼び名を覚えなければいけないのだが、大の日本贔屓でもありアブさんなんて呼ばれていたするので、それで通したいと思います。
まずなんと言っても最初に注目された『アフリカン・ピアノ』のでのソロ演奏。時期的にキース・ジャレットが出てきたのと同じぐらいなのか、キースのソロ・ピアノと比較して聴いても面白いかもしれない。日本にもたびたびソロで来日してきてソロ・ピアノを聴かせてくれる。一回だけ彼のコンサートで聴いたときはほんと水々しいアフリカの大地の響きがするのだが、南アフリカケープタウンは砂漠地帯のような砂埃が舞うような感じなのだが、そこにオアシスのように彼のピアノを響かせていたのかもしれない。このアルバムはソロ・ピアノでも必聴のアルバムなのである。NHKのドキュメンタリーでも砂漠地帯のようなところでピアノを弾いていた。
南アフリカの闘争的なイメージは『チルドレン・オブ・アフリカ』のA面最後の曲「イシマエル」ではセシル・マクビーの重厚なベース。アブさんはピアノだけではなく、ソプラノ・サックスとヴォーカルで熱演している。宗教的な土俗的と言える音楽(ジャズと言うよりフォークロアなワールドミュージックか?)だが気合の一曲という感じの緊張感ある曲目。
そして日本に来日した折に録音されたアーチー・シェップとの『デュエット』。これは隠れた名盤ですよ。なによりアブさんに刺激されたシェップの本気度の違いというか、曲目はコマーシャル的な「レフト・アローン」とか「『人間の証明』のテーマ」とかなんですが、全然コマーシャル的じゃない。詩情溢れるアブさんのピアノとやるせない咆哮のシェップの相性がいいのです。
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