『ナイトメア・アリー』は『シェイプ・オブ・ウォーター』以上だった。
『ナイトメア・アリー』(アメリカ/2021)監督ギレルモ・デル・トロ 出演ブラッドリー・クーパー/ケイト・ブランシェット/トニ・コレット/ウィレム・デフォー/リチャード・ジェンキンス/ルーニー・マーラ
解説/あらすじ
ショービジネスでの成功を目指す、野心溢れる青年スタンがたどり着いたのは、人間とも獣ともつかない生き物を出し物にする、華やかさと怪しさに満ちたカーニバルの世界。スタンは読心術を身につけ、ショービジネスの世界をその才能と魅力と共に駆け上がっていくが、その先には予想もつかない栄光と闇が待ち受けていた。
最近のディズニーは大人向けの映画をやるんだな。これかなり面白かった。見世物小屋で働くことになったワケ有り男が、霊媒師の詐欺師として才能を発揮し、やがて恐ろしい結末になる話だが、獣人がテーマとして成れの果てに獣人となっていくストーリーが見事だった。
それもそのはず、原作が幻の作家と言われたウィリアム・リンゼイ・グレシャム(アルコール依存症の為に極貧の果に亡くなった作家)。アラン・ポーを思わせる雰囲気気。ゴシック・ミステリーの原作はすぐに映画化されたという。タイロン・パワー主演『悪魔の往く町』。ただ今回の映画では原作よりマイルドになっているらしい(どんだけ原作はハードなんだ)。
出演者も役者揃いで、ルーニー・マーラ久しぶりに観たけどやっぱいい。ルーニーのそのままの感じで見世物小屋のアイドルっという感じ。そして、ケイト・ブランシェットとの対比がいい。こっちは悪女っぽい心理学医。霊媒師vs,女医みたいな対決も面白かった。
見世物小屋の感じもダークファンタジーの世界でデル・トロの世界観がよく出ている。映画はサスペンスタッチの心理ミステリー劇で脚本も役者も良かった。これアカデミー賞に引っかからないとは。まあデル・トロは『シェイプ・オブ・ウォーター』で取っているからね。それより面白かった。