パリをパリスと言うのかアルヴァニタス
"Georges Arvanitas Trio In Concert"
アメリカで誕生したジャズだけどアメリカはマーケットの国だから一時期の流行が廃れるとジャズミュージシャンは食べられなくなり、ヨーロッパに行くわけです。先進的なミュージシャンからかつての大御所まで、アメリカで売れるのは時代にマッチした一部のミュージシャンやマイルスのような圧倒的な力を持っていた人に限った。だから時代遅れのスターミュージシャンや前衛すぎるミュージシャンはヨーロッパで活躍していた。ヨーロッパにはそういう音楽も芸術として楽しむ余裕があった。それでパリは有名ミュージシャンの新天地となったのです。そんなスタープレイヤーと地元のリズムセッションでのライブが多くなるのですね。そうしてヨーロッパジャズが育っていったのです。またジャズがフランス映画によく使われるのもそんな理由からかもしれません。『Jazz & Cinema』シリーズにもGeorges Arvanitasは入っているのです。
前口上が長くなりました。それ以外のことはあまり語れないのでした。そもそも日本での名前の表記がジョルジュ・アルヴァニタスになっているのです。昔からこれに疑問を感じていまして、最後のSは発音しなくていいんじゃないかと。パリみたいに。フランス語は勉強してないんでよくわからないのですが、アルヴァニタスよりアルヴァニタのほうが様になっている感じで。でも日本でそう表記されてしまっているので仕方がないのかも。
名前より演奏です。素晴らしいトリオでそれぞれの個性が光っています。スターミュージシャンに鍛えられただけのことはあります。このアルバムはジャズ喫茶ではけっこうかかっていました。隠れた名盤の一枚ですね。
(ジャズ再入門vol.41)