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驚くべきバーバラ・ローデンの映画

『WANDA ワンダ』(1970/アメリカ)監督バーバラ・ローデン 出演バーバラ・ローデン/マイケル・ヒギンズ/ドロシー・シュペネス/ピーター・シュペネス/ジェローム・ティアー

解説/あらすじ
ペンシルベニア州。ある炭鉱の妻が、夫に離別され、子供も職も失い、有り金もすられる。少ないチャンスをすべて使い果たしたワンダは、薄暗いバーで知り合った傲慢な男といつの間にか犯罪の共犯者として逃避行をつづける…。アメリカの底辺社会の片鱗に取り残された崖っぷちを彷徨う女性の姿を切実に描き、70年代アメリカ・インディペンデント映画の道筋を開いた奇跡のロードムービー。

デビュー作にして遺作。バーバラ・ローデンは巨匠エリア・カザンの妻で女優だったが、そうしたキャリアをなげうって自身が監督、脚本、主演をする映画をインディーズで作った。

ゴダール『勝手にしやがれ』を彷彿させるが若くはないヒロインはホームレス。転落人生なのかそれがデフォなのかアメリカでは抹消されたような人生を送る。ゴダールからカサヴェテスを繋ぐ線上にいる女性監督であったのは間違いないようだ。

そうしたことからもデュラスがフランスで公開を希望したり、ソフィア・コッポラやアメリカのインディーズ監督のケリー・ライカートを支持を得る。

ワンダの人生は先日日本で亡くなった女優志望のホームレスにも似ている。それは働く場所がない。支援を受けられない女性なのだ。犯罪に巻き込まれるがそれを享受も出来ないで、成り行きでその日暮らしをする。そういう女性は多くはないが確実に増えているのは間違いないだろう。

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