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夜明けに聴くプロテスト・ソング

Giovanni Mirabassi"Avanti!"

まだCDをショップで買っていた時代、新しいCDを探して視聴コーナーにこのCDが置いてあった。「澤野商会」という下駄屋さんがジャズ好きがこうじて始めたヨーロッパ・ジャズを日本に紹介するレーベル。その第一弾がこのCDでほんとうに趣味のいいピアノだと思った。

ソロ・ピアノのプロテスト・ソング集。ジャズのスタンダードは一曲もないけど、スペイン市民戦争時に歌われたプロテスト・ソング「Hasta Siempre」などが入っている。趣味の良さといえば終わりの方にジョン・レノン「イマジン」を入れているところかな。ラストは「ポーリュシカ・ポーレ」だった。題名が違っているが日本でも流行った歌だった。ぐぐったら1972年に仲雅美がヒットさせたのだった。元はロシアの革命歌。

プロテスト・ソングをイージー・リスニング風にしてしまうことはどうなんだろうと思うが、なぜか落ち着くピアノ曲だった。鎮魂の意味も入っているからだろうか?一昨年だったか、ジャズ・ギタリストのマーク・リボーが"Songs Of Resistance 1942 - 2018"というプロテスト・ソング集を出した。トランプ大統領に対する抗議の現れだったと思う。今でもそうしたプロテスト・ソングがどこかで流れているのだろう。BLMが「奇妙な果実」を復活させたように。

「Bella Ciso」聴き比べ



(ジャズ再入門vol.31)

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