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とりあえず芥川賞の選評を読む

『文藝春秋2022年9月号』

緊急特集 テロルの総決算
安倍元首相 暗殺と統一教会
安倍のビデオ出演を口説いた勝共連合会長の激白 森健+本誌取材班
SPはなぜ山上を撃たなかったか 麻生幾
伯父・晋三の遺志を継ぐ 岸信千世
追想・安倍晋三内閣総理大臣 北村滋
清和会七人のバトルロイヤル 赤坂太郎
どうなる? 日銀総裁人事 軽部謙介
本誌「語録」に刻まれた功と罪 曽我豪
「テロ連鎖」と「動機至純主義」 保阪正康

■中国は信頼を裏切った 駐日米国大使 R・エマニュエル
■わが友・葛西敬之氏を偲ぶ 杉田和博
■今なぜ現代思想か 浅田彰×千葉雅也
■没後100年 森鴎外の「煩悩」 山崎國紀×朝井まかて×若林悠

第167回芥川賞発表
おいしいごはんが食べられますように 高瀬隼子
食、恋愛、ムカつき。不穏な職場で事件が……
受賞者インタビュー 私の中の芦川さんと押尾さん
選評……山田詠美 島田雅彦 小川洋子 松浦寿輝 吉田修一
平野啓一郎 奥泉光 川上弘美 堀江敏幸

■御巣鷹「和解の山」 柳田邦男
■98歳、筋トレ始めました 信友直子×良則
■美空ひばり邸の三婆 息子と付き人が「お嬢」秘話を公開
加藤和也 関口範子 辻村あさ子

【創刊100周年特別企画】ウクライナ戦争と太平洋戦争
ウクライナ戦争「超精密解説」 小泉悠 高橋杉雄
証言・ソ連を北海道から撃退せり 早坂隆
ガダルカナル80年目の教訓 野中郁次郎 大木毅
日本人難民を北朝鮮から救った「神様」 城内康伸
文藝春秋が報じた軍人の肉声 辻田真佐憲
カブール陥落一年の記 アフガニスタン国特命全権大使 岡田隆
自衛隊大物OBは告発する 堀川惠子

読者投稿 「私の貧幸生活」 選・構成 倉本聰

【創刊100周年記念企画】
揺籠と編集長 北村薫
菊池寛 アンド・カンパニー9 鹿島茂

■部落解放同盟の研究5 TBS糾弾と自主規制 西岡研介
■世界最高の長寿食6 家森幸男
■仁義なきヤクザ映画史6 伊藤彰彦
■記者は天国に行けない8 清武英利
■有働由美子対談44 坂上忍 俳優・タレント
一線を越えないテレビはつまらない
■ニッポンの一〇〇年企業9 グンゼ
祖業をやめてニッチで生きる 樽谷哲也

新連載 病葉草紙 第一話 馬癇 後編 京極夏彦
新世界地政学132 船橋洋一
ハコウマに乗って19 西川美和
ゆびさきに魔法14 三浦しをん
ベストセラーで読む日本の近現代史 佐藤優

出版社情報

第167回芥川賞発表

借りたいと思っていた芥川賞掲載号の『文藝春秋』が図書館で借りられた。でも前回ので半年前のだった。今月号は『文藝春秋』もなかなか借りれないと思ったので、Amazonで注文してしまった。これから読みます。

前回の芥川賞掲載号の『文藝春秋』。芥川賞受賞作は、高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』。

今回の受賞作は趣味が違うと思うぐらいに今の小説にはついていけなかった。文章は読みやすくスラスラ読めるのだが、まず価値観の問題なのか?「おいしいごはんがたべられますように」という価値観は間違っているとは思えない。自分も食事はいい加減だけど、二谷の効率化の思考が浅すぎると感じた。ようは食欲よりも性欲タイプで、その二人が結婚したという喜劇だと思うのだ。

能力主義の押尾さんは旧弊の中小企業にはついていけずに辞めていく。でもそれは弱者である芦川のせいではないよな。この会社がそういう会社なだけなんであって芦川さんは生き残り戦術としての気配りの人なのである。お菓子配るとかやり過ぎなところはあるが、それまでの苦労があったはずだ。そこが描かれていないから芦川さんは弱さだけを演出する嫌な人のように思えるが。

誰に感情移入するかによって読み方も違うのだろうが、三角関係のラブコメとして読めば、二谷視点かなと思う。つまり性格の違う二人に言い寄られたがハズレくじ引いちまったよ的な。喜劇だから、結婚で終わるのがセオリー。

まあ普通のラブコメとして読めば面白いんだろうけど、これは直木賞タイプだよな。エンタメ小説の部類かと思う。こういう女いるよなという能力主義の出来る女であるわたしが置き去りにされるというような。

でも男視線だとやはり芦川さんのほんわかムードは魅力的に思えるところはあるかもしれない。おいしいものを食べたいもの。価値観の問題なのか?「おいしいごはんがたべられますように」という価値観は間違っているとは思えない。自分も食事はいい加減だけど。

芥川賞は、いつも選評を楽しみにしているが、もうとんでもない選評する人がいなくなってつまらなくなっていた(石原慎太郎とか宮本輝とか)。辛口選評なのは、山田詠美か。『ギフテッド』の文章を拙く書いてみろというのはそうかもしれないと思った。描写が凝りすぎて読みにくかった(本人は川端康成を手本としているようだ。いわゆる美文という文学タイプ)。最後の母の詩ぐらいでいいというのは納得(まず今は読みやすさを求められる。受賞作はその点で抜群に上手いのだ。悪口小説だからか)。『N/A 』は良かったけど評価する人がいなかった(複雑な感情を文章化)。受賞作は能力主義みたいで嫌いだ。『あくてい』は読みたいかな。

ウクライナ戦争「超精密解説」 小泉悠X高橋杉雄

「ウクライナ戦争」の対談は、この時期にロシアの敗戦が濃厚なような感じだったが未だに続いている。というかより悲惨になっている。アメリカ製のミサイルがマニュアルが難しく、コールセンターに電話するという話は笑った。コールセンターに永遠に待たされてしまうとか。超精密兵器を使いこなせないウクライナ軍ということか。これは旧世代にとっては辛い話だ。車でもいきなり説明無しに新車に乗れるわけがない。テクノロジーは便利なようでいて落とし穴があるのだった。春ぐらいには使いこなせているだろうという話。

あとドローン兵器の威力は驚異になっているという。もう大型の戦闘機とか基地とかいらない時代なんだよな。その古い武器を日本はアメリカから買わされている。


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