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百人一読(ライ麦からのブルペン・キャッチャーの青春の本)
夏の読書をやったので春の読書を。春と言えば青春なのか?このへんもいい加減で青春時代に読んだ本なのか?青春時代に読みたい本なのか?そろそろ一人一冊もキツくなってきているので、まあそのへんは適当に。叩き台として過去に影響を受けた100冊というのをやっていたので、それは青春時代にと思われるので、その中から選んだ行こうかなと。
61 サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』
「ライ麦」も青春時代を過ぎた頃に読んだと思う。あまり青春小説のたぐいは好きでもなく、恋愛ものとか自殺ものは読んできたかもしれない。そういえば年齢がタイトルの本はその年令時まで読まなければ意味がないと思っていたことはあったかも。中上健次『十八歳、海へ』とか。そうだ、「ライ麦」を読もうと思ったのはドリフの歌で、それは原題の「キャッチャー」が野球小説の分類に入るとかいう高橋源一郎の本か何かで読んだからだった。
62 岡崎京子『リバーズ・エッジ』
妹がおりまして、これが文学よりは漫画好きで、連載少女漫画とか雑誌で読んでいたので、隠れて読んでいた思い出が。岡崎京子は後になって、そんな少女漫画の話で盛り上がった人から借りたのだと思います。岡崎京子が事故になる少し前ですかね。
63ボリス・ヴィアン『うたかたの日々 』
これは晶文社の全集の中で読みました。恋愛とデューク・エリントンの音楽さえあればいい、という最初のコトバにやられました。恋愛よりもジャズ小説としてかな。当時のサルトルとかの諧謔性が面白いと思いました。「クレオール・ラブ・コール」がBGM的にいいと思ったのはヒロインのクレオが「クレオール」を感じさせ、やはり愛の歌ですから。
64 フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
青春時代の読書といえば早川のSF文庫にハマってディックとか読み漁っていました。そしてサンリオ文庫で後期「ヴァリス三部作」が出て、ディック凄えとなって、それ以後SFよりは現代文学時代に突入していくのでした。
65 カート・ヴォネガット・ジュニア『スローターハウス5』
ディックの精神世界のSFと中和させるように読んでいたのがヴォネガットですね。彼の語り口は村上春樹も影響を受けてますね。三点ピリオドの手法はセリーヌからヒントを得たとか大江健三郎との対談で話してましたね。この小説はドイツのドレスデンにいた時の体験を元に書かれています。そのことを家族伝える手紙が残っていました。
66 セリーヌ『なしくずしの死』
セリーヌは『夜の果てへの旅』の方が人気がありますけど、三点ピリオドの数で言えばこっちかな。ヴォネガットが影響を受けたのもわかりますね。三点ピリオドを続けて書いていけばどこまでも生を延長出来る感じなんではないのでしょうか?あと間章も影響を受けてますね。
67 間章『非時と廃墟そして鏡』
その間章からレコード・ライナー・ノート集。こういう形のアジテーション的なやり方がまさにジャズの即興的で面白いと思いました。間章の影響はジャズだけではなく文学方面でも受けましたね。。
68 植草甚一『ぼくたちにはミンガスが必要なんだ』
間章より前のジャズの宣教師だったのかな。当時(60・70年代)のサブ・カルの教祖みたいな人ですね。たぶんそんな感じでサブ・カル趣味(80年代)に成っていったのだと思います。時代もそういう感じでしたか?
69 『エリック・ドルフィー』
間章の翻訳本ですね。ミュージシャンの評論とか自伝もよく読みましたね。その頃は音楽半分、文学半分という感じかもしれないです。
70 モーリス・ブランショ『カフカ論』
ドルフィーの本でモーリス・ブランショの『カフカ論』に触れていて、読んだのだと思います。「カフカ論」はあらゆる作家(思想家)が書いてますが、ブランショが一番しっくりきました。それからブランショの文学論にハマっていくのですが、『カフカ論』が最高かな。この本は手に入らなくて図書館本で読んだのも尊いのかもしれない。