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6月の読書

ベスト5

『失われた時を求めて〈8 第5篇〉囚われの女』プルースト

『プルースト』ベケット

『砂の女』安部公房

『終りし道の標べに』安部公房 


『 金子光晴』(ちくま日本文学)

特集「詩の本」

エッセイ『大山詣で歌日記』

2022年6月の読書メーター


読んだ本の数:29冊
読んだページ数:7166ページ
ナイス数:946ナイス

https://bookmeter.com/users/56191/summary/monthly/2022/6
■文藝 2019年秋季号
某フォーラムで文芸誌はどこまで読むかという話になり、適当でいいんだろうけど、文芸誌を全部読むなんて今までに一度もなかった。今回はけっこう読んでいるのは、最近の動向を知るのもあるが、特集が『韓国・フェミニズム・日本』だったからだ。それでも全部は読みきれない。で、最初の問題で文芸誌を読むというのは、そもそも普通の人はめったに読まないだろう。需要があるのは、作家志望の人なのだと思うのだが、彼らは全部読むわけでもなかろう。それでも文芸誌が成り立っているのは、そういう人が多くいるからだろうと思うのだった。
読了日:06月01日 著者:
https://bookmeter.com/books/14100792

■世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析 (角川文庫)
「ヤンキー」問題がクローズアップされたのは、打越正行『ヤンキーと地元』を読んだからである。けっこう重なる所があるのに、どうして自分はヤンキーを避けてきたのだろうという疑問だ。今、一人称を自分と書いたが普段はそうなんである。ただそれだと余りにも軍隊っぽいと気がついて、最近では中性的な私がいいのかなと思ったりしている。その捻れはヤンキーという形では現れて来なかったが、ヲタク性というサブカルの方に行ったのかもしれない。以下、https://note.com/aoyadokari/n/n8cb081325de7
読了日:06月02日 著者:斎藤 環
https://bookmeter.com/books/9802658

■「彼女たち」の連合赤軍 サブカルチャーと戦後民主主義 (角川文庫)
前回の読書でヤンキーにならずにすんだ私を顧みたのだが、さりとてヲタク(オタクを使わずヲタクにするのは狭い意味でのヲタク性なのか?)にもならなかったのだが、この本を読むとその部分も垣間見れるような気がする。全体的にはフェミニズムの取りこぼしてきたきた消費される女性を語りながら、江藤淳『成熟と喪失』問題があるのだと思う。子供を産まない母親問題にどう男たちは対処していくのか?以下、https://note.com/aoyadokari/n/ne94d4cf9606f
読了日:06月02日 著者:大塚 英志
https://bookmeter.com/books/479788

■戦後思想を考える (岩波新書 黄版 142)
1980年に書かれた本だが驚くほど今の状況を予測して未来の方向性を示している。「三木清の獄死があり、東条らの処刑死があり、児玉や岸らの無罪釈放がある。この死と生は、多くのことを私たちに教える。いわば、戦後は、その一点からあざやかに照らしだされているかのようである。(略)三木清を獄中から救い出せなかったこと、戦争犯罪の問題を日本人の手で追求し解決できなかったこと。(『戦後思想を考える』日高六郎)」日本の新聞は、戦時の反省もなくそのまま残ったこと。
読了日:06月04日 著者:日高 六郎
https://bookmeter.com/books/161306

■サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う
その前読んでいたのが社会学やサブカルの本だったので、こういう潜入ルポのような本はワクワクしてしまう。実際に、高級海産物を食べることもなくなった最近である。せいぜい秋刀魚かカツオぐらい。鮑とかマグロとか寿司屋にも行かなかいので、ほとんど口にしない(と思ったら銚子の秋刀魚漁にもヤクザが絡んでいるという話も)。密漁の問題は闇が深い。根室のカニ漁のロシア関係や中国産ウナギの香港関係は、日本の貪欲さにつけ込んだ政治やマフィアの存在がある。
読了日:06月05日 著者:鈴木 智彦
https://bookmeter.com/books/13149447

■月に吠える
北原白秋の序文から始まるこの詩集は、白秋の詩論と朔太郎の詩論の交差と違いを浮かび出すものである。白秋は云う。「清純な凄さ、それは君の詩を読むものの誰しも認め得る特色であらう。然しそれは室生君の云ふ通り、ポオやボオドレエルの凄さとは違ふ。君は寂しい、君は正直で、清楚で、透明で、もつと細かにぴちぴち動く。少くとも彼等の絶望的な暗さや頽廃した幻覚の魔睡は無い。宛然凉しい水銀の鏡に映る剃刀の閃めきである。」
読了日:06月06日 著者:萩原 朔太郎
https://bookmeter.com/books/5596793

■ソウルの風景: 記憶と変貌 (岩波新書)
著者である四方田犬彦は、映画本を読んでいたので(本人は映画評論家ではないと言っているそうだ)、なんとなく購入していた。韓国映画ブームもあったのか、そのへんのことも書かれていて面白い。ここで書かれているにはひと世代前の韓国のことで、韓国では世代間ギャップが日本以上に激しいという。それは、韓国フェミニズムが日本以上に進んでいることからも伺えるだろう。ここでは、そういうフェミニズム的な話は一切ない。以下、https://note.com/aoyadokari/n/n99f0d581820b
読了日:06月07日 著者:四方田 犬彦
https://bookmeter.com/books/11980

■対談 現代詩入門
最近古本屋で餌箱を漁っているせいか、詩集ばかり買ってしまって、それは詩集がそれほど読まれてなくゾッキ本のような扱いを受けているのかと思いまして、今月は詩集特集としようと思う。
大岡信と谷川俊太郎の対談本は、以前にも『詩の誕生』が面白かったが、詩の批評家としての大岡信と実作者としての谷川俊太郎はいいコンビだと思う。大岡信は、詩の歴史についても詳しいし、谷川俊太郎の実作面のことなども面白い。以下、https://note.com/aoyadokari/n/n959ebc532d08

読了日:06月07日 著者:大岡 信,谷川 俊太郎
https://bookmeter.com/books/431972

■海潮音
ヨーロッパの29人の詩人の翻訳詩集。フランス・ドイツの高踏派や象徴派など、それまでの日本の叙情詩にはない神々しいダイナミックな世界や悪徳な世界を伝えている。映画でスクリーンがワイドになりスペクタクルなハリウッド映画やフランスのヌーヴェルヴァーグ的な斬新さがあるような。詩だけではなく批評も同時に載せているのがわかりやすい(文体が文語体だが)それぞれの詩のリズムが翻訳調でもなく、自然と口ずさみたくなる。中には和文調?と思えるものがあるが、それがかえって面白い。
読了日:06月08日 著者:上田 敏
https://bookmeter.com/books/5649810

■異端の肖像 (河出文庫)
澁澤龍彦は遺作となった小説、『高丘親王航海記』を読んだぐらいで、ノーマークの作家だった。サドにも興味なかったし、なんとなく苦手の部類だと思っていた。
たまたま古本屋で手に取って興味を惹かれたのは「生きていたシャルリュス男爵」が目に止まったからである。プルースト『失われた時を求めて』の重要人物。今現在読んでいる『失われた時を求めて』があまり進まないこともあり、ちょっとテコ入れのつもりで読んでみた。以下、https://note.com/aoyadokari/n/n24acb8604735
読了日:06月09日 著者:澁澤龍彦
https://bookmeter.com/books/6561753

■詩の朗読会 フランス編 (河出文庫)
『詩の朗読会 フランス編 』とあるので、他に「ドイツ編」とか「アメリカ編」とかあるかと思って検索したがないみたいなので、これ一回で終わったのか?まあ、翻訳者の問題があるのか?けっこう面白いと思うのだが。一冊の本で多くの詩人が読めるアンソロジーは、もっと出てもいいと思うのだが。フランス詩は、ボードレール・マラルメの象徴詩の後にシュールレアリスム詩が全盛になる。詩の方向性としては、象徴詩から古典詩のような流れ(戯曲的なアリストテレス『詩学』の詩)と歌のような誰もが口ずさめる詩と二極化していくのだと思う。
読了日:06月10日 著者:G. アポリネール
https://bookmeter.com/books/10349

■近現代詩歌 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集29)
手っ取り早く日本の詩を知りたいのなら文学全集だろう?『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集29「近現代詩歌」は、近代詩から谷川俊太郎らの現代詩(叙事詩的試みも)、と日本の伝統詩である短歌と俳句も。この中から好きな詩人を見つけて個人詩集を紐解いていくのが無難か?池澤夏樹選の詩は、抒情詩から叙事詩的な流れを見ているのか?短歌の穂村弘は、正岡子規の短歌、一人称「吾」を中心とする視点を近代短歌の起点とした。その変遷を見ていく。https://note.com/aoyadokari/n/n6d50fa149e00


読了日:06月11日 著者:
https://bookmeter.com/books/8691045

■梁塵秘抄 (光文社古典新訳文庫)
何やらタイトルが難しそうだが、中世の「今様」(流行歌)なのである。当時は乱世の変革期で世は貴族文化から武士の世へ。そのなかで後白河法皇 が貴族も武家も嫌だと思ったのか、上流よりも下流志向の遊び女や芸人たちと戯れていた。ただそれは宗教的な意味合いもあったようで、現実世界よりも異世界への憧れだったようだ。例えばカラオケボックスで流行歌を歌いながらこの世の憂さを晴らすというのは、誰もが経験することかもしれない。後白河法皇の潜んでいた宮廷で、もう貴族も武家社会もうんざりしていたのかもしれない。
読了日:06月12日 著者:
https://bookmeter.com/books/3350807

■イリュミナシオン ランボオ詩集 (角川文庫)
ランボーを読む歳でもないのだが、金子光晴訳に惹かれて古本屋で買ってしまった。金子光晴は、ランボーのように詩を捨てることなく80まで詩人として生きた。ただ放浪生活と女性に対する思いがランボーと共通するのかもしれない。
金子光晴のランボーに共鳴する響きは、『酔っぱらいの舟』に出ているだろうか?金子光晴の詩に「女へのまなざし」を指摘したのは、 茨木のり子であった(ちくま日本文学全集『金子光晴』あとがき)。それは、言葉の根源から探っていくランボオ『母音』を見ればあきらかだろう。
読了日:06月13日 著者:アルチュール・ランボオ,金子 光晴
https://bookmeter.com/books/7116467

■妙な話
神出鬼没の赤帽が、話の綾をなしている。鏡花の猫の顔をした赤帽の小説が気になる。アニメ『銀河鉄道の夜』に出てきそうな、杉井ギサブローの絵を想像した。最初が鉄道、そして船(地中海)、自動車(停車場、風車売りの荷が止まっているというナイスな情景)、マルセイユのカフェ(怪我をした夫の話を聞く)そして、絵の中。ミステリー仕立ての怪談調の見事な『妙な話』でした。こういう短編は芥川ならではの、ストーリーテラーだ。
読了日:06月15日 著者:芥川 竜之介
https://bookmeter.com/books/6336853

■山鴫
ツルゲーネフから見たトルストイの頑固さ。トルストイのイメージが覆る。でもこれフィクションだよな。ツルゲーネフの方はフランスの新進作家(モーパッサン)やロシアの新進作家(ガルシン自殺した作家で太宰が好きだという)にも好意的だがトルストイは冷たい感じがする。狩りに行ったエピソードをそれに絡ませている。狩りの描写が見事なのはツルゲーネフの自然文学の感じなのか?野鳥の種類と鳴き声の判別など、ネットで検索しながら読んだ。鳥の鳴き声が情景描写になっていた。ナイチンゲールとか。
読了日:06月15日 著者:芥川 竜之介
https://bookmeter.com/books/10131455

■売色鴨南蛮
溝口健二『折鶴お千』(1935)の原作ということで。「鴨南蛮」が「折鶴お千」になるのか?手籠にされる娼婦の話なんだが医学生の奉公人が自殺するのを助ける。そのときに娼婦が観音様のような仏になるという話。文語体で話は分かりづらいけど浪漫溢れる美文調、手籠されるシーンま漫画みたいな擬音だけで表現していて、その落差が面白かった。まあ講談調ということなのかな。
読了日:06月15日 著者:泉 鏡花
https://bookmeter.com/books/5639772

■鬼貫句選・独ごと (岩波文庫)
鬼貫(おにつら)という名前が凄い!(俳諧の)鬼の道の紀貫之先生なのだ。星一徹なみのスパルタだよ、姉ちゃん。やっぱ芭蕉先生の方がいいかな。なんとなく人気もありそうだし友達も多そうだ。「俳句の星(道)」は、遠い。「禁足旅記」は、解説を読んでも芭蕉との関わりがよくわからなかったが、読んで思ったのは俳句としてよりも紀行文の面白さがあるのだった。一つはそれが歌(俳句)物語であるということ。「伊勢物語」の歌物語の形式を踏まえている。それが芭蕉の『おくのほそ道』より12年先に書かれたという。
読了日:06月15日 著者:上島 鬼貫
https://bookmeter.com/books/621644

■冬 (青空文庫POD(シニア版))
芥川の最晩年の作品であるのは題名からも伺える。従兄が刑務所に入り(当時の治安維持法だろうか?)、面会に行く語り手。冤罪で従兄が刑務所で亡くなったようでもあり、そこははっきり描かれていない。弟と姉が刑務所の待合室に集っている。弟が被っているロシア帽。語り手がユダヤ人から買ったという。なかなか面会出来ずに閉塞感を感じる描写。
その後に初七日の(従兄の)法要があったという何気ない描写。外では万歳、万歳の声。『河童』に「冬薔薇」という言葉が出てくる。映画『冬薔薇』を観たが出口なしの状態が今の時代と重なる。


読了日:06月17日 著者:芥川 龍之介
https://bookmeter.com/books/11473878

■万葉のいぶき (新潮文庫)
この本は『万葉集』入門であると思うのだが、大学の先生らしく、女子大生が興味を持つように恋の話からしている。それによると、万葉人は「恋」とか「愛」(当時はこんな言葉なかっただろうが)とかの観念的な言葉を使わずに日常的な言葉でそれを匂わす。例えば衣服の紐を結ぶというのは、夫が旅立つときに魂を込めるとか。面白いのは下着を交換してものに宿るそれぞれの魂を身代わりとして持つという。それで紐を結ぶ時には、それを込めるというわけで、人麻呂の有名な和歌を解説する。


読了日:06月18日 著者:犬養 孝
https://bookmeter.com/books/62397

■プルースト
ベケットのプルースト論はわかりやすい。これがベケット文学の出発点でもあった。ベケットは泥から始める。「そして世界は泥である レオパルディ」レオパルディはイタリアの浪漫派の詩人。イタリアに浪漫主義は咲かなかったのは、ナポレオン戦争の戦後処理で保守派が台頭したから。その犠牲となった死者たちが泥だったと。詩人が描いた夢はすべてペシミズム(泥)に覆われていく。だからプルーストのような作家には泥を浴びせたい。しかし、その泥から植物は育って花が咲く。それはプルースト『失われた時を求めて』そのものだと。
読了日:06月18日 著者:サミュエル ベケット
https://bookmeter.com/books/715870

■告白 上 (岩波文庫 青 622-8)
ルソーの『告白』は近代小説の起源と言われるのはそれまで誰も自らの罪(恥)を綴ることがなかったからだ。ルソーは自らの罪(悪行)を記して、そこからまっとうな生き方を探究していく哲学者になっていく。それはある夫人との関係が大きかった。ルソーの思想に影響を与えた夫人との日々の生活と別れ。そして大病のときも献身的な看病と快楽で他の女性との関係した後でも受け入れてくれた夫人の大きさ(いくぶんルソーには都合のいい話なのだが)。自然主義哲学の祖ルソーの『告白』。
読了日:06月20日 著者:ルソー
https://bookmeter.com/books/8937

■砂の女 (新潮文庫)
今月の「100分de名著」が安部公房『砂の女』だったので、本棚にあったので読んでみた。思っていたより現代の日本社会に通じる話だと思った。村落共同体の監視社会。それでいて、おらが村だけ守られれば他はどうでもいいという(今の環境問題もそこに行き着く)。村の掟を笑って済まされなくなった日本社会の現状を考えると何か考えるヒントはあるのだろうか?今言えるのは変えていかなければならないということなのだが、ため息しか出ない。希望が見えない小説だと思うのだが。カフカの不条理世界だった。
読了日:06月21日 著者:安部 公房
https://bookmeter.com/books/580862

■金子光晴 (ちくま日本文学)
茨木のり子の解説。金子光晴の言葉は女性をテーマにしたものが多いのは、女性を求めながら女性ととことん付き合い女性のまなざしによって世界を眺めた。その中で腐敗していく不浄をきよめる生理のような言葉を吐き続けた。「その中に賛嘆、憧憬、嫌悪、侮蔑、あんぐり驚愕、愛惜、未練、嫉妬、コキュの味、退廃をさえたっぷり含み、はては孫娘をみる祖父のまなざしまで加わり、あらゆるものが出揃っている。」(同書「女へのまなざし」茨木のり子)
読了日:06月25日 著者:金子 光晴
https://bookmeter.com/books/233844

■十二月の十日
こういう短編小説は苦手だった。話の最後に落ちがあり感情を揺さぶるというやつだった。でも小難しい小説なんだよな。おバカなSFというが、ディックやオーウェルやピンチョンを連想したけど違った。ヴォネガットが一番近いかもしれない。でもヴォネガットの冗長さもないし、チェーホフがいいところだろう。それはないか?以下、https://note.com/aoyadokari/n/nf11597789f5a
読了日:06月27日 著者:ジョージ・ソーンダーズ
https://bookmeter.com/books/14644716

■チッソは私であった: 水俣病の思想 (河出文庫)
土本典昭監督のドキュメンタリー映画『水俣一揆』を観に行くので読み始めた。映画と違うのはこの著者の緒方正人氏は水俣公害訴訟を取り下げたのだ。最初のチッソ本社の訴訟までは罪の存在が明らかになっていくのだが、県や国の水俣病認定となるとシステムとしての訴訟になり個人は置き去りにされていくという。それはシステムを相手にしているので、上層部はいつでも変わっていく。その度に違う人間が出てきて最初からやり直さねばならない。以下、https://note.com/aoyadokari/n/n7eae83b7b205
読了日:06月27日 著者:緒方正人
https://bookmeter.com/books/17023534

■大山道今昔―渡辺崋山の「游相日記」から (1985年) (かなしんブックス〈3〉)
歴史に疎いので渡辺崋山は名前だけは聞いたことはあるが、さて何をした人だったか?となるのだった。
有名なところでは「蛮社の獄」で幕府に逮捕され幽閉された人で、後にそのことが原因で自決する家老だった偉い人だった。
渡辺崋山は文人画としても有名で、俳句も嗜み、それで大山詣の旅日記「游相日記」を書いたのだ。その大山道を辿りながら渡辺崋山と大山道から伺える街の変化を述べたものだった。以下、https://note.com/aoyadokari/n/ne7d111d2debb


読了日:06月28日 著者:
https://bookmeter.com/books/1416850

■終りし道の標べに (講談社文芸文庫)
安部公房はこの作品を書いている時はリルケ『時禱集』を読んでいたという。リルケの詩に伺える絶望の闇の世界から書くことについて、それはドストエフスキーやカフカの文学にも通じていくことだろう。安部公房は満州に渡って五族協和の夢を信じていたのだそうだ。むしろそれが敗戦とともに瓦解していくなかで、親友である金山時夫(在日朝鮮人のような)の寄る辺のなさ、故郷喪失者としての生き方を重ねていたのではないか?金山時夫は、私(T.........)である。
読了日:06月30日 著者:安部 公房,真能 ねり
https://bookmeter.com/books/520044

■失われた時を求めて〈8 第5篇〉囚われの女 (ちくま文庫)
この章で注目すべきは、作家論に触れていて、ドストエフスキーの同一のテーマはそれぞれの作品の中で変奏されるという。それは「罪と罰」という一大長編小説とみなしうるもので、その後に続くのは変奏としとの「罪と罰」なのだ。それはバルザックの小説郡が一つの仮想世界であり、大作家の文学は、そういうことを書き続けることだという。変奏ということは、ヴァントイユの七重奏曲の演奏会が、一つのクライマックスとして効果的に描かれている。
読了日:06月30日 著者:マルセル プルースト
https://bookmeter.com/books/12978


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