日本人に愛されたファンキー・ピアニスト
Horace Silver『The Cape Verdean Blues』(Blue Note/1965)
Horace Silver – piano
Woody Shaw – trumpet
Joe Henderson – tenor sax
J. J. Johnson – trombone (tracks 4–6)
Bob Cranshaw – bass
Roger Humphries – drums
寒くて塞ぎ込みがちなので陽気なジャズを、ということでホレス・シルバーです。ファンキー・ピアニストで有名というよりハードバップの大家です。アート・ブレイキーの初期のメッセンジャーズを結成してその核になっていました。ブレイキーから離れて最初にヒットさせたのが『ソング・フォー・マイ・ファーザー』。ハードバップの父親的存在なのかと思ったら、このファーザーはカーボベルデ(ケープベルデ)出身のお父さんのようです。
カーボベルデ(ケープベルデ)共和国は、1974年ポルトガルから独立。だからシルバーがこの曲を作曲したときはまだポルトガルの植民地だったのです。あらためて聴いて調べると色々発見があります。
どちらの曲でもテナー・サックスはジョー・ヘンダーソンでヘンダーソンはこういうラテン調の曲は得意のようです。シルバーのピアノもノリノリでファンキーだし、ヘンダーソンのテナーと合わせるウッディー・ショーのトランペットもナイスです。二管ハーモニーでリズムの心地よさはメッセンジャーズの発展系という感じですが。
後半3曲はJ. J. Johnsonのトロンボーンが加わりさらに分厚いハーモニー。JJのトロンボーンが全面に出る"Nutville"
ラストはジョー・ヘンの曲ですね。ちょっとリズム一辺倒の曲とは感じが違っていますね。
ホレス・シルバーといえば、晩年に来日したときのガラガラのステージを観ました。厚生年金会館だったかな。たぶん、タダ券配っていたのでしょうね。店で貰って行ったら、違うジャズ喫茶の人と出会ってそれでお茶した覚えがあったけど、ホレス・シルバーのことは良く言ってなかったと思いました。有名ナンバーの懐メロ大会なのですが、指が動かないけど同情で手拍子があるというような感じで。
1962年に初来日して日本のジャズブーム(61年がブレイキーのジャズ・メッセンジャーズ来日)で歓迎されたので日本に好印象を持っていたので日本についての曲も作曲しています。