年末お勧め映画『幕末太陽傳』
『幕末太陽傳』(1957/日本)監督:川島雄三 出演者フランキー堺/左幸子/南田洋子/石原裕次郎/芦川いづみ/梅野泰靖/岡田真澄/二谷英明/小林旭
年末お勧め映画は、川島雄三『幕末太陽傳』。Amazon Primeやその他の映画サイトで見られる。品川の宿場街にある女郎屋の旅館が舞台で、今だとホテル形式の物語が合わさったコメディなんだが、落語「品川心中」があるのだ。貸本屋の金蔵が小沢昭一で貸本屋という職業が面白い。心中を誘う女郎おそめが左幸子。他オールキャスト
今回は「品川心中」を注意して観たが、他にフランキー堺の町人の「居残り佐平次」も落語の演目。他に石原裕次郎が高杉晋作を演じる維新もの。芦川いづみがヒロインの人情ものと観る度に新しい発見がある映画と言える。舞台となる「相模屋」のセットが見事でその後の映画に影響を与えたという。
左幸子と南田洋子の芸者No.1を決めるキャット・ファイトも見どころだった。川島雄三監督のエピソードとして、ライバル女優にお互いの陰口を言って其の気にさせるという演出方法があったとか(この映画じゃないけど『赤坂の姉妹より 夜の肌』の淡島千景と新珠三千代の姉妹喧嘩)。
その他当時の日活のオールキャストと言っていい役者が揃っている。その中でも山岡久乃とかの脇役の演技がいい。この頃の映画は実際にお歯黒とかやっているのだ。だから、お歯黒をしていない芦川いづみの清楚が引き立つ。
あと岡田真澄の若い頃の美貌とか。年末から正月に観るにはこういう喜劇は面白いと思う。今はこういう映画つくれないのか?リメイクしてもいいけどな。ハリウッドより韓国映画でどうだろう?