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2023年の振り返り

今年は、精神と時の部屋にいたかと思うほど、濃密な1 年だった。
時間が流れるスピードが早く、能力の限界を突破することが多かったと思う。

とりあえず今年は、自分が飛び込んだことが、拡がりを持って「渦」のように波及していったような1年だった。

ドローン写真が海外に渡ったり、進化思考研修の講師になったり、自分が主催したこときっかけでプロジェクトにつながっていったり。

「辺境」や「周縁」の必要性をさらに深めた1年でもあった。

来年は基本を大事にしながら、新しい軸をつくりたい。

◾️2023年にあったこと

【1月】

・阿賀路アートプロジェクト本格始動 
・大山祇神社の旧暦元旦祭を撮影
・野沢駅改修プロジェクト始まる(棚かたし)
・「日本の田舎、西会津町。」のブランドブックにドローン写真が多用される
・ドローン写真が海を超え、台湾の国立文学館のシンポジウムで使われる

【2月】

・五泉市のシンポジウムでドローン写真が紹介される 
・西会津のキーパーソンが一堂に介したプレゼン大会で西会津の歴史変わると感じる
・経済産業省近畿経済産業局のキーパーソンの会合で京都市のQUESTIONへ
・出張でリトアニアへ
・コロナになり、副作用で記憶力や判断力の低下

【3月】

・国家公務員勉強会の皆さんと流域勉強会で意見交換
・野沢駅「ふるさとステーション」のDIYを実施・オープン

【4月】

・阿賀町のアートプロジェクト「地憶持倉」を公開
・アートプロジェクトの作品を阿賀町の五十島集落で上映会
・仕事でふるさと納税の主担当者に

【5月】

・祖父の山を引き継ぎ山仕事を始める
・友人の結婚パーティーで横浜へ。セーラー服おじさんとタワシおじさん

【6月】

・「草木をまとって山のかみさま」をドローン空撮

【7月】

・楢山集落で友人と飲む
・新潟市で新潟市役所の皆さんに古町を案内してもらう
・新潟市役所の坂井さんのコーヒー会を西会津で実施
・政策形成能力アップ研修が始まる

【8月】

・東北経済産業局の皆さんを西会津アテンド
・リトアニア大使が西会津に訪問し、西会津の風景について説明
・進化思考の研修講師で岡山へ。山田崇さんと初めてリアルで会う

【9月】

・集落の青年会で子供向けの肝試し
・三条市の澤さんの講演会に参加
・甥が生まれおじさんになる
・阿賀町で川舟に乗る
・仲間と日本田んぼコタツ協会を立ち上げる

【10月】

・先輩移住者として県主催の移住イベントに登壇
・著名人の西会津ツアー受け入れ
・コタツプロジェクト2023 1回目
・コタツプロジェクトが取材され、テレビに出る

【11月】

・ふるさとチョイス大感謝祭@横浜に出展
・表参道西会津お米ナイト
・コタツプロジェクト2023 2回目
・町公式ホームページの主要デザインが私の写真に

【12月】

・過去の総清算のような出来事が起こる
・職員研修で西会津ハッカーチームで町三役と課長にリバースメンター制度の提案
・進化思考の増補改訂版が発売

◾️2023年の総括

【新潟方面にご縁が拡がった】

西会津町は福島県に属しているが、地理的には新潟県と福島県の県境の町にある。
こういうことを言うと(現在の価値観では)怒られるかもしれないけれど、福島県の都市(福島市、郡山市、会津若松市など)よりも、新潟方面の方が土地愛を感じる。
それは幼少の頃から海水浴は新潟だったり、映画や買い物も新潟、天気予報で見るのも「福島」よりも「新潟」の方が西会津に近いというのがあったから。隣の阿賀町とは日常的にさまざまな分野で交流もあるし、西会津と自然や風景の連続性があり、「西会津と阿賀町は双子だ」と言う人もいる。

そんな背景の中、阿賀路のアートプロジェクトにドローンアーティストとして参加してから、阿賀町のドローン撮影をしている。その中で阿賀町の土地の記憶や風景の成り立ちを深めて、ドローン作品として発信しているうちに、阿賀町の地域にも入る機会が増えてきて、地元の人と話したり、知り合いも多くなってきた。
地域の集会所で映像の上映会をしたり、川舟乗り舟頭さんと知り合い、舟に乗せてもらった。

新潟日報社に西会津の物産展の出展を行ったり、シンポジウムで私のドローン写真が映し出された。

新潟市役所の職員の方とご縁ができ、古町のご案内をいただいたり、勉強会に参加したり、西会津でコーヒー会を実施したりした。

会津で何かしようとしても、「福島」方面には拡がっていかないのに、「新潟」方面には1年でこんなにもご縁ができた。

自分の心地が良い土地やつながりの方に向いていけば、文脈にあった発展的な何かが生まれていくと学んだ。

【過去の美しい思い出との訣別】

過去の美しい思い出と訣別や総清算することをした。

過去の美しい思い出が、それが現実の形をとり、目の前に顕れて渦を起こすという、村上春樹の小説みたいなことが起こった。

過去の美しい思い出は、時にその人の生きることをサポートすることもあるが、時には無意識に自分をしばっていたり、依存状態に陥ることもあり、危険なこともある。

一時期にその「思い出」が自分の力になることもあれば、自分が変容すると、自分にとって必ずしも良くないモノに変容してしまうことがある。

それが10年単位の時間を経て、現実の形を取り私の前に顕れていきて、渦を起こした。
過去に美しいと思っていたことも、今は美しく感じなかった。
その渦の中で、私は自分の感情や時間を使ったし、過去に残った棘のようなものを抜き、総清算ができたと思う。

それは自分が井戸のような地下2階に下がれるようになったから。
浅い部分を越えた。深く潜る。その出来事が自分の変容を促したのだと思う。

村上春樹の『ねじまき鳥クロ二カル』に出てくる加納クレタのようだと感じた。

【どうしても合わない人はいる】

これまで、自分にとってどうやっても嫌いな人・合わない人がいるという現実を受け入れられていなかった。
そのため、感情に負荷をかけて、その人と仲良くなろうとしたり、合わないいう現実を見ないようにしてきたように思う。

しかし、今年は、「合わない人とはどこまでいっても合わない」「無理して自分の感情の資源を使わなくても良い」ということに気がついた。
人としての思いやりがない人に無理に合わせる必要はないし、合わない人とはどこまで行っても合わない、嫌いな人に自分を合わせる必要がないということを受け入れることができたように思う。

もちろん態度に表すことはない。
これ分かっているか、分かっていないかでだいぶ違うので、すごく大事。

【時間を自分の側に取り戻す】

今年は、自分の時間というものが、自分のコントロールの外に置かれてしまっていた感覚がある。空白の時間が圧倒的に足りなくなってしまった。

コロナ禍の3年間は、ほとんどの社会活動が停止して、強制的に空白を作り出していた期間だったように思う。
そのため、常々自分の時間を獲得するという「闘い」をしなければならないことを忘れてしまっていた。

2024年は戦略を立てながら自分の側に時間をつけていく闘いをしていきたいと思う。

【間(あわい)の時代】

今は、成長社会時代と成熟社会の時代のちょうど間(あわい)の時代にいると思うことが多かった。
成長社会時代の価値観と成熟時代の価値観が拮抗して、ひずみが顕在化してくるということが、公私共に多かったように思える。

昔のやり方が全てダメだというわけでもないし、新しいやり方が絶対的に正しいとうわけでもない。
しかし、そのベクトルが正面でぶつかってしまえばひずみが生まれる。

時代に合っていないものを手放しつつ、故くて新しい未来を目指すという大変難解な取り組みをしなければならない時代が来たものだと思う。

しかし、そういう時代に生きているのがとても面白い。
ある意味、時代の変わり目の真ん中にいて、移り変わる時代の目撃者であると思う。

その文脈の中で、これまでと明らかに変わったのは、積み上げ方。
歪んだ意図でつくられた歪んだ虚構は、正しい意図で積み上げられたリアルには勝てないということが明確になってきたと思う。

これからいかに正しい積み上げ方をするか、いかにプロダクトが良い感情を作り出すかということが重視される時代になると感じた。

◾️2023年のベスト本

今年のベスト本は、『ゆっくり、いそげ』(影山知明 大和書房)だった。

岡山に進化思考研修の講師で行った時に、山田崇さんにおすすめいただいた本。
金融資本主義が過度に進んでいる現在、自然資本主義も注目されており、そのような中で、資本主義をハックするような本がたくさん出てきたと思う。
その中でも、この本は2015年に出され、カフェという地域とのインターフェースを通して資本主義をハックしようと試みていた。
時代の先取りをされていて、8年前の本だが、今読んでも今日性があるどころか、まるで未来を予言しているかのよう。

次に東京に行く時は、クルミドコーヒーに行こうと思う。

◾️2023年の1枚

今年のベスト写真はこれ。
西会津町の高目集落で撮影。何回か通っているが、雲海、朝日、集落がその土地の人でも長年見たことがない風景をドローンで撮れた。
今年は「心象風景」という言葉を多用したが、地元の人も喜んでくれる写真が撮れた。

◾️2024年

やりたいことは具体化していないが、こんなことを考えている。

・今のやりたいことを明確化するため、新しい組織、新しい動き方、プロジェクトをつくる
・進化思考を毎週週末に身銭を削って学校をやる
・新しく進化思考を使ってもう1つ軸をつくる
・時間を自分の側に取り戻す
・マーケティングを学ぶ
・空き家の進化〜知り合い限定の私設コワーキングスペース(仮)
・ひと段階成長しなければならない=限界の突破
・進化の学校でTAをやる

各分野で変革が吹き荒れる1年になりそうだが、その中で、もがいていきたい。

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