見出し画像

日記 かわいい孤独。

 11月2日(土)

 9時起床。土砂降りの雨。休日。
 激しい雨の音で目が覚める。今日から三連休突入の夫は友人とともに広島へ。大荷物を抱えた夫を見送り、掃除洗濯。冷凍していたスパイスカレーを温めて、簡単なサラダとともに早めのお昼。夏の終わりに注文していたオザケンのTシャツが届く。注文したことすらすっかり忘れていたので、誰かからの贈り物のようでなんだか嬉しくなる(もちろんきっちり自分の口座から銭は引き落とされているのだが)。真っ赤なLIFE Tシャツ、とても可愛い!デニムに合う。合いすぎるぐらいに、合う。来年の夏がもう待ち遠しくなっている。

 雨上がり、母親の家へ出発。私と夫からの引越し祝いにiPadをプレゼント。ものすごく喜んでくれて私も嬉しい。iPadの初期設定に悪戦苦闘しつつも、なんとか完了。お菓子をつまみながら、YouTubeで青木宣親の引退試合密着映像を観る。母子で涙を流す。すでに何度も観ている映像なのに、それでも涙は出てくる。そして涙越しでもつば九郎はかわいい。

 夕方。しょっぱいものが食べたくなり早めに夕食へ。歩いてすぐの定食屋さんにて、海鮮丼とアジフライのセット。母親は油淋鶏とアジフライのセット。油淋鶏と刺身をかえっこしながら食べる。とても美味。母、会うと一日に10回ぐらい引越してよかった〜と言っている。

 夜遅くまで営業している昔ながらのケーキ屋さんでケーキを買ってもらい、帰宅。部屋干ししていた洗濯物がまったく乾いていなかったので、天気をチェックして朝まで外に干しておくことにする。シャワーを浴びて、アマプラでBGM代わりに『かもめ食堂』流しながら夜のおやつ時間。バスクチーズケーキ、ソイラテ。レイモンド・カーヴァーの詩集をぱらぱらと捲りながら、『かもめ食堂』ちらちらと観ながら、久々のひとりで過ごす夜時間。ひとりでいると、私は無性に詩が読みたくなる。孤独と詩は似合うのかもしれない。孤独というとなんだかマイナスなイメージだけれど、この世にはかわいい孤独もあるらしい。なんだよそれ、と思うけれども、いい言葉だな、とも思う。かわいい孤独。


人間には何も考えたくないという欲望だってあるんだ。
じっとしていたいという欲望だって。

レイモンド・カーヴァー『電波のこと』


そのころに僕らのうちの誰が生き残っているだろうか——
老いぼれて、目もろくに見えず、頭もぼけて——
でも死んでしまった友だちのことだけは話したい。

レイモンド・カーヴァー『西暦二〇二〇年』


ちょっとのあいだ窓を開けておいたら、
太陽が出てきたんだ。温かいそよ風が
部屋を抜けていった。
(僕はそのことを手紙に書いた)

レイモンド・カーヴァー『鍛冶屋、そして大鎌』


いいなと思ったら応援しよう!