2024-4-1「Chants Of Sennaar - センナールの地に響く唄」
ビジュアルイメージにとびついて、正解でした。
『chants of SENNAAR』……
チャンツ・オブ・センナールと読むのかな?
センナールとは、セナー・セナール・シナルとも呼ばれ、旧約聖書の創世記に出てくる地名だそうです。
バベルの塔を建てた人々が神に妨害される(言葉を乱される)というお話ですね。
このゲームもそのバベルの塔がモチーフになっているみたいです。
3Dグラフィックでありながら陰影がほとんど排されていて、鮮やかな色彩で塗り分けられた世界が新鮮です。
どこか版画のような、あるいはレトロゲームのようなおもむきもありますね。
『黄金の墓』とか、
あるいは、『太陽の神殿』とか、
このゲームもそうなんですが、なんとなく色使いから暑い国を連想するんですよね。
強烈な陽射しによって濃淡が消えさったようにみえるからでしょうか。
とにかくビジュアルがかっこよいです。そして、内容もとてもすばらしいものでした。
まったく未知の言葉を話す種族から、言葉の意味をフィールドワークで推測・類推して解き明かしながら、その知識をてがかりに塔の秘密をさぐり、最終的に最上部まで登るゲームです。
塔にはいくつもの民族が住み着いていますが、物理的、あるいは精神的な断絶がいくつもあり互いの交流がほとんど失われています。
言葉を解析していくうちに、断絶の中でおたがいを「怪物」あるいは「愚か者」と呼び合うような偏見が育っていることがわかります。
プレイヤーは民族間をふさいでいる門や事故による障害などをひとつひとつ解決し、行き来を可能にしていきます。
それと同時にプレイヤーは複数の民族の言葉を収集しているので「通訳」をすることもできます。これにより民族間の交流が促進され、民族たちの意思によって障壁がとりのぞかれていくのがとても素敵でした。