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バーチャルユーチューバー「八都宿ねね」に思う
かわいい声とかわいい姿、「明石家さんまの理想を詰め込んだような容姿」と、容姿や年齢のほかは「明石家さんまと完全一致するプロフィール」というのが面白かったです。何というかベタで。
うがった見方をすると、テレビからWebへ送り込まれた刺客のようではあるけれど面白かったのでOKです。これが受け入れられるくらいにはVTuber業界は成熟していると思います。
「明石家さんまさんをVTuberにしてデビューさせる」企画としては面白いですけれど番組の構成上の話の持っていきかたは『さんまが作り上げたエンタメにVTuberも影響を受けている』というかなり無理やりなものでした。もちろん広い意味で影響を受けてるとは思いますけれど。
しかし、その後のさんまさんの半生を描いたドラマなどを観ていると、(VTuber業界もテレビ局もブラックさはさほど変わりないのではないか)というような一致点を感じました。
しゃべり過ぎて百歳の老人のような声になったさんまさんの姿がVTuberにかぶってしまいます。喉を酷使するの、VTuberも変わりないですから。
VTuberは多くの人の余暇時間に配信しているので、夜の職業に近いライフサイクルを送っている。でありながらVTuberの事務方サポーターは会社員のサイクルで働いて打ち合わせやレッスンを昼に行うので昼夜のワークバランスを崩しているのではないかと言っている人がいました。
「八都宿ねね」が今回の企画だけで「卒業」してしまうのは、なんとなくもったいないなと思ってしまいました。錦鯉渡辺さんが「続けて欲しい…!」サロメ様が「どまりちゃんを返して…!」と訴えていたのはリップサービスやギャグの範囲だけではないのではないでしょうか。
あれだけ喋れるVTuber、もし1年続けたとしたらどんな登録数、どんな同接数になるだろうとか考えてしまいます。今をときめくVTuber5人(しかも大きい事務所の)と丁々発止のやりとりをしていたので、いろいろな箱とコラボできるやんけ……! とか思ったり。
もったいないと思うのは、かわいらしい容姿のほかに、なんとなくVTuberには不滅のイメージがあるからかもしれません。「ずっと、これやってくれたらいいのに……」
だけれど、ずっとはできないんですよね。ヴァーチャルではあっても、不滅ではないんですよ、VTuberも。