1月4日「ガラージュ」
『ガラージュ』なるゲーム、進めております。アドベンチャーゲームは謎さえ解ければ一番早く進みそうなので。
精神世界をうろついている設定なのですが、繰り広げられる光景はまさに「悪夢」といってよいものです。
肉体を失って、機械の身体になってしまう主人公。
機械と言っても人間のカリカチュア、のような異様な物体です。
ギョロギョロとした眼のついた、人間を悪意でデフォルメした人形の頭に、餓鬼の腹のような丸い金属タンク、細い金属のアーム、足の代わりに小さな車輪がついていて、レールの上しか走ることができません。
見たこともない異様な世界です。細いレールがはりめぐらされているのは、古びた板の上。建物も板や赤さびたトタンでできています。
建物の壁は日本語で書かれた看板でいっぱいで、無計画に上から貼られたポスターで雑然としています。見たことはないはずなのですけれど、どこか懐かしい、それもなんとなく不安になる懐かしさがあります。
異形の機械たちが無気力に暮らしているこの世界から脱出するのが主人公の目的のようです。まず「カゲ」と呼ばれている自分の本当の身体の幻影を見つける必要があるようですが……
この世界、ヘンテコに振り切っていればもっとファンタジーな内容なのでしょうが、そこまで異常なものは発生せず、むしろ人間世界で発生する理不尽をそのまま持ってきた感じで、なかなかのグロテスクさです。
むしろ、登場人物を異形な機械にすることで、「暴力」「エロス」「残虐」みたいな、人間を対象にすると表現に障りがあるようなところまで踏み込んでいるようです。
自分で「アブノーマルな」改造をした機械が見世物になっていたり、ひとことでいうと「悪趣味な」ところがあるゲームだと思います。
とても万人にはおすすめできませんが、その世界観に惹かれる人は私同様結構いるんじゃないか、と思いました。