前向きな歌、後ろ向きな夜

日ハム“にわかファン”としてYoutubeのあらゆる映像を、ジンジャーエールで酔いどれながらハシゴして過ごしておりますaotenです。


前回アップした記事を読んでくれた親友から、「シャウエッセンの袋が膨らみすぎている件に同意します」とメッセージをもらいました。

毎回あの膨らみに期待して「中ゴソゴソやん！」て裏切られた気持ちになるの、何でなん。
2袋セットで売ってるの、何でなん。

物事には理由があるはずと思いたいのですが、それにしても日ハムさんはやっぱりちょっとおかしい。
『空白ごっこ』を起用して作られたシャウエッセンの青春アニメ【シャウりータイム】あれどういう経緯で作られたんですか。どうしたらそうなるんですか。最高です。

さて、例に漏れずこれは観ておかねばならないだろうと、日本ハムファイターズ、栗山監督引退セレモニーの動画を視聴しました。

試合後ファンが見守る中、札幌ドームで行われたセレモニーは、皆からとても愛されていた監督なのだろうと、その人となりが伝わってくる、心温まるものでした。

いよいよセレモニーもクライマックスに差し掛かり、栗山監督が一列に並んだ関係者、選手一人ひとりと挨拶をしていきます。

短い言葉をかけながら、時に涙を堪えながら、固く手を握り名残惜しそうに別れを告げていくその姿に、この10年で苦楽を共にした仲間との間に、どれほどの絆があるのだろうかと、思いを馳せずにはいられません。

そんな感動のシーンを観ていた時です。
ふと、気持ちが昂るようなBGMが流れている事に気がつきました。

心揺さぶるような勢いのあるメロディー、フレッシュな歌声、これから明るい未来に向かって前向きに進んでいく事を鼓舞するような、そんな曲。

ほーなるほど、このシーンにとてもマッチする曲。

演出プロデューサー、なかなかやるやん。
何故上から。

誰の曲なのか気になりましたので検索したところ『Novelbright』というバンドの【Walking with you】という曲だと分かりました。ちょっと気恥ずかしくなるようなタイトルが、若々しさを感じさせます。

どうやら2年程前に話題になった曲のようで、恐らく10代〜20代前半がコアなファン層ではないかと思われます。

のっけから恐ろしいほどの声量を持ったボーカルの声で曲がスタートすると、それに続くように、8ビートの激しめドラムが勢いを加速させていきます。

ズズダーンズズダーンズズダーンズズダーン。

いいねぇいいねぇ。青春の香りがします。
ボーカルの耳に残るような、引っ掛かりのある声質が素晴らしい。

上手い人はこの世にたくさんいるけれど、特徴的な声質は天性のものなので、これからも大切にしながら、最大限活かした楽曲を歌った方がいい。
また上から。

私は彼らのPVを観ながら、そのストレートな歌詞と曲調に、なるほど今の若い世代に人気が出たという事に、とても納得がいくなぁと考えていました。

苛立ちを覚えるような瞬間もあるけど
そんな君が僕は愛おしくてこの手で守りたい

青いっ。青い青いっ。
これでキュンキュンしているファンも多いんだろうなー。
いいね、青春。

移り変わり行く季節を
この目であなたと眺めていたいな
どんな色でも愛することができそう
絵に描いたような幸せを掴み取ろう

ヒューヒューだよ。
アツイアツイ。
（古い古い）

50年後の未来もきっと
知らぬ間に幸せの意味を見つけ出してるんだ

えちょっと待って50年後！？

私、そんな先は生きてるか危ういわ。

その時気がつきました。

10代の子が50年後の未来と言われたら60歳そこそこですし、この歌詞は“おじいちゃんおばあちゃんになっても一緒にいようね”というプロポーズ的なメッセージとして伝わるのだ、と。

私にとっては、確率的にこの世で誰ともWalking with youできてない可能性が高い50年後も、彼らにとっては、ほぼ確実に訪れるであろう幸せな未来なのです。

私は過去の出来事を思い出し、少し切ない気持ちになりました。

父が車を買い替え「これが人生最後の車や」と穏やかな顔をした時、お世話になっている60代のペットシッターさんが「今一緒に暮らしている猫が、最後のパートナーなんです」とはにかんだ時、確かに人間の寿命を考えるとそうなのかもしれない、と思うと同時に、人生が有限だという事にとてもリアルに触れたような気がしたのです。

何となく、その時の感情に似ている。

超絶前向きソングを聴きながら、シャウエッセンの袋ほどに膨らんだネガティブな妄想が、妙にしんみりさせた夜でした。

…にしても、50年後は先すぎん？

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