唐丹から吉浜まで歩く
今まで日本全国50000㎞を歩いたという吉村さん(83歳)。釜石の唐丹町小白浜の潮見第に、釜石から歩いて来てくれた。7,8年ぶりで、いろいろ話ができて楽しかった。翌日は、盛まで歩くというので、吉浜までつきあうことにした。
朝、8時8分に潮見第出発。途中、唐丹駅の横の「ひまわり」で、吉村さん、飲み物買うと行ったのに、飲み物忘れて、用心にと、おにぎり2個と飴を買う。荒川までは、新道峠(清水峠)の山越えの道はやめて、旧道を歩いて進む。荒川の橋を渡り、ススキの原を抜けると、浜街道入口の案内が見つかり、潮風トレイルで鍬台峠を目指す。
いきなり分かれ道が現れ、左に取ると、道が無くなり、急な斜面を進んで、また右手の道に戻る。順調に峠に向かって進んでいるはずが、いつの間にか、道では無いところを歩いている。太陽が見えるので方角を南と取りながら、ひたすら登った。けっこうきつい。
30分も歩くと、一休み、という感じ。初めのうちは、自分が先頭だったのに、吉村さんが先を行く。右に左に、登りやすそうなところを行くが、視界から消えたりしつつも、声を掛け、何度か休みながら、汗をかきかき上った。雨でも降ろうものなら遭難か、などと戯れ言をいいながら。
前日にネットで見た潮風トレイルの唐丹―吉浜は3時間、12時を回っていた。すでに唐丹駅を出てから3時間近くたって、ようやく山頂らしきところに着いた。おそらく、釜台峠は、右手と思い、右に進みつつ下る。
下りになった。沢が現れる。下りは、南斜面ということで、枯葉を踏みながら、気持ちよく歩く。紅葉にはまだ早いが、楓の葉も少数色づいていたりする。沢も幾筋か現れた。しばらく行くと潮風トレイルのリボンが見えて、一安心。でも、下りは続く。大きな石(岩)の上にまた大きな何トンもありそうな石が載っていたりして、不思議に思う。
国道の鍬台トンネルの上を越えたようで、スマホの地図で見ると、いつのまにか、国道を横断して反対側に居た。しばらくすると取水施設があり、車も通れる砂利道になる。さらにしばらく下ってようやく国道45号線に出た。これも潮風トレイル。あとは、国道を吉浜駅まで歩く。
一番高い鍬台山は、標高500mを越えているが、その左側の峰あたりを越えて来たのだと思う。480mくらいか。鍬台峠よりは30m以上も高いところを越えた。1時間30分はゆうに余分に歩いた。おかげで、吉浜駅に着くと、10分前に釜石行は出たばかりで2時間待つ。
構内は、おばさん達が4,5にいる。陸前高田のイオンスーパーが移動販売がやって来た。週に2回ほど、来るとか。一品目プラス10円だと。吉村さんの八王子でも同じようなシステムだが、いままで10円だったのが20円になったのだと。
吉村さんのおにぎりを一つずつで、遅い昼をしのぐ。林檎かじりながら歩くのが好きと、イオンで林檎買い、2つお土産にと、もらう。「このままだと、盛に着くのが遅くなるで、吉浜から少し三陸鉄道で、盛に近づいたらまた歩く」と言う。ということで、先に来た、盛行きの三鉄を見送る。
まだ時間があったので、さらに片道15分歩いて、海岸まで出る。帰りの釜石行に乗り、唐丹駅から潮見第に戻ると、4時20分。午前中のつもりが、長い歩きとなった。約20000歩。膝が痛くなったり、腿が吊りそうになったりしたものの、大事には至らず、熊にも会わず、楽しいハイキングであった。