スーダンへ行くためのビザを取る
ナイル川カヤック行に向け準備を進める最近。7月末の成田発スーダン行きのフライトを予約し、ようやく程度の良い中古のフォールディングカヤックも購入した。組み立ててみたものの、1週間後から漕ぎ出すのにもかかわらず、まだ水に浮かべてすらいないという計画性のなさ。
それはさておき、先日、在日本スーダン大使館へ観光ビザの申請に行ってきた。今回の渡航目的が観光に該当するのかは怪しいが、ビジネスビザや学生ビザではないことは確かである。ホームページを見る限りビザの申請は受け付けているようで、必要書類を持参のうえ、都内の都立大学前駅で下車。今住んでいるところから1時間半ほど離れているので、できれば郵送でやり取りしたかったが、郵送は受け付けていないらしい。
初めておりる駅であったが、いかにも東京といった感じの、ぎゅっと建ち並ぶビルたち。最近はほとんどの時間をキャンプ場で悠々と過ごしているので、久々の東京にビビりながらも、辺りをキョロキョロしながら大使館まで歩く。僕は今まで各国の大使館に行ったことがあるのだが、どの大使館も雰囲気的に格式高い感じがするし、公式中の公式の場所なので、入館前にはセキュリティ面からボディチェックもあり、カメラや携帯を預けなければ入れない場合もある。大使館でのビザ申請は毎回少し緊張する。
地図通り辿っていった場所には、元は住宅として使われていたであろう建物に、だらんと垂れて全貌の見えないスーダン国旗らしい旗が掲げてあった。入口手前のガレージには、「外」ナンバーの黒塗りの車が4台並んでいて、うち一台に、運転席のリクライニングを全開に倒してくつろぐガードマンらしきスーダン人のおじさんがまっすぐ宙を見つめてボーっとしていた。どんな感情?!と言いたくなるような表情だったので話しかけるか迷ったが、素通りして入ったらさすがにダメだよなーと思い‘’Hi“とあいさつ。ガードマンか運転手かわからないが、彼は僕に気付くと、こっくりと小さく頷いてから、奥の扉を指さし、またもとの表情に戻り遠くを見ていた。
セキュリティ大丈夫?!と思いながらも、奥の扉を開けると、今度はちゃんとした制服を着たガードマンらしきお兄さんがいて、おそらく僕が久しぶりの来客なのか、ちょっとテンションが上がったようで、VIPをもてなすがごとく、旦那こっちです!と言わんばかりの対応でさらに奥の扉を開けてくれて、中に招き入れてくれた。
ボディチェックとかないのか..と日本の治安の良さを痛感しながら、お兄さんについていくと、廊下の突き当りの領事のいる部屋に通された。領事は威厳のある感じでゆっくりと喋るタイプの紳士な方で、英語で簡単な面接が始まった。面接とはいっても申請書に書かれている内容の再確認と旅程の詳細を聞かれた程度である。そして、申請書は受理するが、追加書類が必要だから、向こうでの住所がわかる書類(僕の場合ホテルの予約確認書)と旅程表をメールに添付して送ってくれとのことだった。
郵送は受け付けてないけどメールはいいんや..あとそんな書類が要るなんてホームページに載ってなかったのに..と久しぶりのアフリカ感を懐かしみながらも、それさえ提出すればどうやらビザは取得でき、渡航はできそうであるということに安堵した。
帰りの電車の中でairbnbで宿泊先を予約し、大まかに旅程表をつくり、領事にいただいた名刺に記載されたアドレスに送信。二日後にビザが用意できたら電話するという旨の返信があり、その二日後に電話があった。ビザセクションは月水金しかやっていないらしい。そしてその二日後に再度大使館を訪問すると、ビザの貼られたパスポートが戻ってきた。
渡航に向け一つの関門を突破できた。あとは入国の72時間前に受けるPCR検査の陰性結果さえあれば入国できる。それまでに一か月半を砂漠で生き延びるために必要な装備と物資をかき集めなければ。
不透明だったことを一つずつクリアにしていくと段々と見通しが立ってきて、夢に描いていたことがこれから実現できるのだと実感がわいてくる。
渡航さえできるかわからなかったが、スタート地点には立つことができる。今はただその先に向けてできることやるのみ!
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