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「侵蝕」創作秘話
「侵蝕」は「とがはらみ」の後に書いたものです。アンケートは都市部のホラー。
都市部ならば、都市に建つマンションも該当するだろうと、地元福岡を舞台にしました。
マンションの怪談で、よく見られるのは忌み地に建てられたマンション。他には、「残穢」のような、土地に染みついた因縁によるもの。
異世界に通じる空間、幽霊からいただいた料理、そんな不可思議な怪談から、ヒントを得て組み立てました。
福岡市天神近くには昔、花街がありました。長崎の花街でコレラが流行り、江戸にまで伝染し、江戸には死体を捨てる投込寺が存在しました。
そのときに、多くの患者が生き埋めにされたり燃やされたりしたと記録されています。当時助からない病とされて恐れられたと言われ、実際に起こった残酷な歴史です。
主人公は幼い頃から夢に見ることが現実になるという予知夢能力を持っていました。予知夢を覆すには自分を犠牲にして夢を歪めなければなりません。そうやって密かに周囲の人間や家族を守ってきたのに、家族から気味悪がられ愛情なく育てられました。
予知夢を大きく変えれば変えるほど、見返りに受ける禍が大きくなってしまうと言う特性を持ちます。そのため、他人の死ぬ運命を変えれば自分が死にそうになるのです。
冷たく酷い家庭環境から逃げるように福岡に引っ越し就職した主人公は新しい生活の夢に満ちています。
引っ越してきたマンションには不可解な約束事があるほかに変なこともなく、親切な隣人、先輩と共に生活することになります。
けれど、マンションの怪異は少しずつ主人公を侵蝕していくことになります。
最後に主人公はある人物を助けたが為に、残酷な運命に陥ってしまうのです。
とにかく主人公が健気です。健気な人物が、悲しい運命に陥るのが好きです。健気なキャラクターが好きだからですが、不幸になるか幸福になるか、どちらも好きなので、結局、ジャンルによって主人公の運命が変わってしまうのでしょう。
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