Plastic Treeのはなし。
今日はプラトゥリの話。
前にも少し書いたけれど、黒羽に最初に借りたCDがプラのパペットショウだった。後から自分でも購入した。
このnoteにはよく出てくるバンド。remや遙さんがプラ好きで、楠本まき作品のKISSのカノンと竜太朗が似ていて素敵なあのプラです。
90年代世紀末系は殆ど黒羽経由で知ったり好きになったりしたけれど、プラはその当時から今もずっと活動していて安定の人気なので、いずれにしても好きになっただろう。当時のバンギャでプラを聴いたことがない人はまずいないと思う。
プラの世界観は、少年らしさ。
パペットショウやサーカス。童話や絵本。プラネタリウムに星座。
玩具みたいに可愛くて、ホラーにもなるような毒々しさ。
泣いても笑ってるピエロみたいな。
標本や骨の翼、レトロな世界観もプラの印象を強くしていて、バンギャと博物館へ行けば大体「プラっぽい」で通じる。
BUCK-TICKが美術館バンドならPlastic Treeは博物館バンドだろう。
プラは薬みたいで、ため息のような歌い方や、溶けるような憂いの言葉が、居場所のない心を安心させてくれる作用を持っている。
精神的なダメージが身体に出る時、現れやすいのは呼吸の乱れで、呼吸が浅くなったり正しいリズムが掴めなくなったり過呼吸になったりするわけだけれど、なんとなくそんな焦燥感や不安感がブレスになっているように感じて、詩に合っているなと思う。
学生時代プラをよく聴いていて、精神に馴染む曲がいつも傍に居てくれた。
理科室や屋上、観覧車や公園。そういうまだ子供の名残の中にいる学生時代に思い浮かべやすいワードが多かった。
竜太朗といえば少年半ズボンだったけれど、クラシカルな少年のスタイルから、オーバーサイズのシルエットのかわいいモノトーンの服へ徐々に変わっていき、それでも今も竜太朗らしさやプラの世界観は変わらずに続けている。
自分もとうに年齢だけは大人になっているせいか、当時よりも今は今のスタイルが好きで、見るたび素敵だなぁと思う。
同じではないけれど時代や年齢に合わせて自分のスタイルを持ち続けている竜太朗はとても尊敬する。
🎪
竜太朗はエッセイのような本をいくつか出していて、散文集の五十音式や、海外を旅した時のフォトブック有村竜太朗の歩き方シリーズなど、写真も文章も可愛い。
中でもあおむしドロップという最初に出した本が大好きで、何度読んでも面白い。
病院に入院した時はプラを聴きつつ点滴とイヤホンに絡まりながらこれを読み返した。
竜太朗のゆるい絵や文章がとてもかわいくて、内容も面白い。
一人暮らしを始めた頃の話が多くて、レトルトカレーをレンジで爆発させたり、
シーツのファスナーを開けたまま服と一緒に洗濯機を回して絡まって切るしかなくなったり、
バルサンを炊くのが一人暮らしっぽくてかっこいいと思っていた事などを淡々と書いている。語り方が本当に良い。
札幌でグニュウツールの古川さんと夜中に車で出かけて丘に着くと、目の前にモアイ像がたくさん現れた話も好き。
🗿 🗿 🗿 🐛 🗿
有村竜太朗の歩き方はバルセロナ篇を所有している。ステンドグラスが綺麗だったりして竜太朗に似合う場所ばかりで好きな本。
サグラダファミリアが2026年完成予定と書いてあった。コロナの影響で遅くなることもあるかもしれないけれど、もうそんなに先の話ではないんだね。
一生完成しないと思っていた……
⛪️
プラのMVで好きなのは、溶けるような陽だまり色のベランダ、影絵のお伽話みたいなロケット。二次元ヲルゴールに入っていたやつ。
文学の影響もある竜太朗の詩は読書にも相性が良く、通学路の電車やバスで聴いていた。車窓から入る斜陽に照らされた、焼けた古い本の頁の活字を読むのが好きだった。
屋上でプラを聴きながら、いつも未来よりも飛び降りる場所を探していた。
🌇
好きな歌詞は本当にたくさんあって書ききれないけれど、いくつか掲載しておくので、ぜひ聴いてみて貰えたら。
ヴィジュアル系という括りからイメージするものとは随分ちがうかなと思う。
理科室
インチキな言葉と感情はフラスコの中で混ざった。
擦り減って、失くなってしまうよ。
まるで僕、白いチョークだ。
わかりあう事が愛だって聞いた。
それが本当ならみんなひとりぼっち。
星座づくり
ねえ、今夜は新月
さんご色した光がおおいつくすから
ねえ、手を握れない魚座の僕の指は泳いでばかりだけど
ねえ、またたきながら宇宙の声が賛美歌みたいに聞こえる
ねえ、ひとりでいるより ふたりの方が寂しいのかもしれないね
ガーベラ
「コレカラ」も嘘で「ソレカラ」も嘘で「サヨナラ」だけ本当で。
空白の日
例えば
晴れた朝に神様が迷子で
みんなが狂ったら
記念写真を撮ろう
ビルの屋上で大好きな君と
いつかカラッポの僕の中から
嫌いな自分までいなくなったら
僕には何が残っているんだろ?
両手をただ眺めてた
本当の嘘
あの子と空の間には 透明な何かがあるから
きっと願いは届かない 少し寒くなる遊園地。
バルーン
僕が一つ 君が一つ 握りしめた願いがもし
同じ景色望んでたら もっと遠くまで行けたのに
リプレイ
気が遠くなるほどの未来で、心が重くってうずくまる。
永遠によく似た10分間。その度、思うんだろう。
確かなものなんていらないや。
涙で悲しみを拭く。
大丈夫。それでも僕だった。
何もない右の掌で、残ってる温もりが騒いだって。
最終電車
離れても、遠くても、全て君に向かっていく。
ほころびた願いでもひとつひとつ届くように。
何ひとつ怯えずに、君が眠っていたらいい。
目覚めたら、君が好きな全てで、
世界が変わっているから。
欠けた月の裏側でほら、唄う声が君まで届いた?
サンデー
世界が終わる日が休日ならいいな
とても とても おだやかな
やっぱり夕方は寂しくなるのかな?
そこはいつもと同じで