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#51 チケット今昔物語

 以前ツイートしたことだけど、昔のコンサートチケットは一回の公演ごとに印刷されたもので、席番号はスタンプで手押しされたりしていた。今から考えると気が遠くなるような手間が掛かっていたことになるけど、その分味わいがあって記念にもなった。オンライン発券で、文字情報だけのチケットに慣れた現在では想像もつかない世界かもしれない。
 考えてみると、公演日が決まっている中で(変更等もあるだろうに)、デザインを考え、必要な情報を確定して印刷した上でプレイガイドに届ける、これだけでも神業的なスケジュール管理が必要そうだ。絶対徹夜とかしてそう。それがいいとは言わないけれど、当時そうした仕事をされていた方がいたら話を聞いてみたいものだ。手元に残っているチケットを見てみると、大体'80年代の半ばに、印刷されたチケットからオンライン発券への切り替えが進んだことが分かる。
 そう言えば、チケットを予約する方法も、今ではネットで完了だけど昔は電話だった。予約開始時間に合わせて一斉に電話を掛ける。たいてい話し中なので繋がるまで何十分も掛け続ける。ようやく繋がったと思ったら完売済みたいな。電話もダイヤル式からプッシュホンに代わって、ダイヤルを回す時間が短くなったり、オートリダイヤルが出来るようになったり。プレイガイドに並んだこともあったなあ、あれはいつ頃だったろう?早めに行ったら全然人がいなくて、近くを散歩して時間を潰して戻ったら長蛇の列みたいな。
 コロナでオンライン配信が一気に定着した。遠くで行われているコンサートを自宅で視聴するのは、昔には出来なかったことだ。昨年12月の坂本龍一の最後の配信ライブが聴けたのは本当に有難かった。一方で、リアルでしか味わえないライブの良さというものも当然ある。写真を掲載した森田童子のライブは、多分'81年頃だったと思うけど、狭いテントの中で「あと10cm前に詰めてくださ~い!」という掛け声が何回もかかって、膝を抱くようにして観た記憶がある。どうでもいいことだけど、今写真を見たら、森田童子と松田優作って雰囲気似てない?

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