見出し画像

社会人落語日本一決定戦観戦記(前編)

2023年12月9日。師走とは思えないような暖かなこの日。さらに日本中の熱気が集中するような場所が、ここ…!

街中いたるところ落語だらけの…。

大阪府池田市である。

第十五回社会人落語日本一決定戦。

年に一度、日本全国からアマチュア落語家が集結しチャンピオンを決める大会が、この日、池田市で開かれるのです。そして私の書いた台本「先駆け一代記」でこの大会に出場する方がいらっしゃいます。

そりゃ、なんとしてでも、応援に行かねば!

ここから千葉繁の声で 👉応募総数はなんと324通!事前審査で予選会への切符を手に入れたのは総勢150名の猛者たち!市内六会場に分かれて厳しい予選が繰り広げられ、翌日の決勝に進めるのは僅かに10名!少年漫画のトーナメント編のような熱い熱い闘いが今年も幕を開ける!👈ここまで千葉繁の声で

瀬戸大橋を渡り、山陽道を突っ走り、池田へ!池田へ!

午前10時。無事到着。池田駅前にはチキンラーメンのキッチンカーが登場。運転席のひよこちゃんがイカす。

そして街の至る所にどん兵衛が。キャラの圧が凄いですね…。

そう、池田市はインスタントラーメン発祥の地。なので日清食品もこの大会にスポンサーとして協力しているのです。大会が始まったのが15年前。そして規模が大きくなると同時に、日清食品のCMも笑いの強度および狂度がどんどんUPしているように思いませんか?

まさに笑い対して本気の街・池田!

さて、私の台本で出場される山形県の社会人落語家・こいのすけさんは「西光寺」の会場で六番目の出番。割と早いです。会場はどこもすぐに満席になるとの情報。これは並んで待たねばと駅前から西光寺さんに移動です。


サイコー!…素敵な寺号です。

大会のシンボル「らくごみゅ~じあむ」からちょっと奥まったあたりに建つ、立派なお寺でございました。


キャパは30人くらいでしょうか。

開場と同時に入ると、なんとも素晴らしい高座が!というか、明らかに金屏風がお寺の自前。豪華です。両脇のどん兵衛はどこの会場にもありました。

六番目にいよいよこいのすけさん登場!この日のために二人で改良を重ねた「先駆け一代記」が披露されます。

西光寺の会場では三番目にお若かった。

ネット上でやり取りはしていたものの、お会いするのは勿論初めて、高座を聴くのも初めて、なんだか不思議な気分です。そして実際のこいのすけさんの流暢な喋り、醸し出す色気、惹きつける演出力というものを、観客として存分に楽しませて頂きました。

しかし、それだけでは無いのです。今回私は観客であると同時に、作者でもある。この場に臨んで、自分のネタで勝負をしている、その感覚を得られたことが一番の収穫でした。

ちなみに二列目で聴いておりました。

どこがウケて、どこがウケなかったのか、どこが伝わって、どこが伝わりづらかったのか、お客様の反応が高座に上がらない身でもビシビシと染み込んでくるようで、これこそがまさに台本書きとして絶対に体験しなければならないことだったのです。

「先駆け一代記」は上方落語台本大賞・佳作を頂きました。発表会では光栄にも笑福亭福笑師匠に演じて頂き、そのアレンジの面白さに爆笑させて頂きました。自分の作品が世に出たという感動と幸福に包まれました。

しかし私の感覚はその時点ではやはり嬉しいばかりの「お客さん」だったのです。この場でウケることの責任の一端を担い、演者と共にお客様の反応を受け止め、語り合い改良し、反省点は活かす、良かった所は伸ばす、これが「作家」になるために必要なことだと感じました。

それにしても、どん兵衛デカいな…。

ずっと一人で台本を書いて応募し、結果を待つだけでは、そこまでは辿り着けなかったのです。あらためて、私の作品でエントリーし、磨き、演じていただいたこいのすけさんに感謝したいと思います。最高でした。

次回は(中編)でその後の観戦から予選結果発表までを書きます!

※「先駆け一代記」は入賞作なので著作権は上方落語協会にあります。noteにそのまま台本をUPすることは控えているので、読んでみたいと思った方は気軽に連絡をいただけたらと思います。このnoteでも、X(ツイッター)でもどちらでも大丈夫です。