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私がKindleインディーズマンガをはじめた本当の理由とは

ウォーカープラスさんからの取材を受けて


「日本、ここいけWalker」でグランプリをもらったことが
きっかけで、取材を合計3回受けました。
1回目は「部屋のみひとりざけ」「呑みにいったはなし」シリーズ、
コミックエッセイについて。


2回目は「黒百合短編集」の中の「交換」についてでした。

そして3回目はインディーズマンガ全体についてです。

質問を受けて答えててまた質問されて…
という形式ではなく、何個かの質問をメールで一度に送ってもらって
それにメールで返して、それをライターさんがまとめて
くれるという形でした。


インタビュー記事はウォーカープラスの他
Yahooニュースなどで配信、紹介してもらえました。

1回目の記事が配信された時は
何も反響はなく、
「せっかくYahooニュースにのったのに…」
とちょっと落ち込んでいたのですが、
2回目の「交換」の時は、配信の直後から
動きがありました!

どういう動きかというと、
Kindleインディーズマンガの売り上げのグラフが
びゅううん!!といきなり伸びたのです!

もともと、普段が売り上げが寂しいので
(売り上げといっても無料ですが)もっと普段から
よく売れてる人からすれば
すごい!!というわけでもないのでしょうが、
それでもやはり、記事の配信の後の伸びは
明らかでしたので、めっちゃ嬉しかったです。

その後、この調子で伸び続けていくのか!?と、
ちょっとワクワクしていましたが、
当然そんな甘いことはなく…
またグラフは通常通りに戻りました(笑)

インタビューを受けて、大きなプラットホームで
取り上げられ紹介してもらえることは
とてもありがたいことです。
私のマンガを知らなかった人に
知ってもらえるきっかけになるので。



改めてKindleインディーズマンガとは?


インタビュー記事ではすべてを語ることは
なかったので、ここで捕捉しておきます。

Kindleインディーズマンガは、誰でも無料で
出版ができる!というアマゾンのサービス
KDPの中のひとつです。

KDPは普通の書籍は基本有料で販売、
なのですが
Kindleインディーズマンガは
発行する側も購入する側も無料。
pixivやnoteにマンガを投稿するのと同じような
感覚なのです。

大きく違うのは、「電子書籍」として
他の書籍と変わらずAmazonのショップに並べてくれると
いうこと。

それに無料なのにダウンロード数に応じて
(少しだけど)ロイヤリティがいただけるのは
とてもとても大きいです!

私の場合、ダウンロード数は本当に少ないからおこづかい程度にしかならないけど、
それでも収入に繋がるということは
やりがいにもなります。
今後どうなるかわからないですし!
諦めずに続けていく価値は大いにあります。

Kindleインディーズマンガは
Amazonのアカウントがあれば誰でも始められます。
(PC苦手な私でもできたので)

今のところインディーズはマンガだけのようなので、
こういうサービスが小説とか、マンガ以外も広がっていくと
いいですね。

他にもマンガを配信してくれるという代行サービスはあって、
そちらにお願いすればAmazonだけではなく
LINEマンガやめちゃコミなどのあらゆる電子書籍のサイトから配信してくれます。

私もいつかはどこかの会社に配信をお願いしよう…と
考えてはいたのですが…。
いろいろと手続きが面倒そうで(笑)ハードルが高いまま…なかなか
申請できません。

なので、もうKindleインディーズマンガだけで
いいかな、と、なんか開き直っています。
(商業の作品は出版社を通していろんなところで配信してもらっているので)


私がインディーズマンガをはじめた本当の理由


ウォーカープラスのインタビューを受けたとき、
「インディーズマンガをはじめたきっかけは?」
との問いに、ものすごく悩んでしまいました。

きっかけ?
なぜ、はじめたか?
ですか?

はっきり言ってしまうと、

はじめた時、連載も終わったし、仕事も減ったし
次の仕事がいつ来るかわからない状態で
すごく不安だったからです。

だから

仕事がほしかったのです。

商業以外の方法で、マンガで収入を得る方法を必死で探していたのです。

Kindleインディーズマンガがスタートしたときって、
まだ誰も知らないから、参加する人が
すごく少なかったんですよね。
それで、最初は毎月ダウンロード数上位10位までの人に
10万円が配られるという
ざっくりしたシステムでした。
(ページ数も関係なく)

でも、それでは10位の人は10万円なのに
11位の人は0円ということです。

その後改訂されて、
KDPが用意した予算(はじめは1000万ほど?だったかな)を
ダウンロード数(ページ数も含む)に応じてすべての人に分配するという
システムに変わりました。

でもそれでもまだ利用者は少なかったので、
上位の人は、
めっちゃ高額のロイヤリティが手に入っていた!という
わけです。
詳しい金額は知らないけど、100万円単位…?

これは、もうすごいことです。
素人であっても、出版社を通さずに
一般の原稿料よりも高いギャラを稼げるのです。
すっごー!

(今では参加する人が増えてもちろん簡単にはそうはいきませんが)

私もはやく始めればよかった…と悔やんでます(笑)
まだデジタルのデータにするやり方がわからないし、
そもそもまだ仕事以外でマンガを描いたことは
なかった。
インディーズ用に書き下ろすネームも
やりはじめたばっかりでてこずっていたので
完全に乗り遅れました。


まあお金のことは…いいんですけど…

いいんですけど…

いいん…


いや、よくない!


これなんですよ、私が本当にインディーズマンガを
はじめた目的、きっかけっていうのはー!!


それまでの私、というか一般の漫画家のシステムというのは、
必ずどこかの出版社の雑誌に投稿などをして
編集者に気に入られて担当になってもらって
その担当にネームを見てもらって、
OK!いいよ!雑誌に載っけてあげるね!
という手順でやっとこ原稿料をもらって
生活ができていたわけです。

自然と、その出版社、編集部、担当編集者の
意向に沿う形となるわけです。
多少自分の意見が通らなくても、
「お金もらってんだから仕方ない」と
いうちょっと卑屈な人間となるわけです。

で、必死に編集者がOKと言ってくれるまで
ネームを何度も書き直したりしながら
締め切りまでに原稿を仕上げて納品したって
人気がなければ速攻切られます。


加えて、私のような読みきりメインの漫画家は
ひとつ仕事が終わって、次いつくるかわからない。
「仕事がない時は暇」
という状態になるのですね。

そういう仕事のやり方を続けながらも
自分なりに頑張ってきた。
忙しい時もあったし、
仕事が重なったときも、来た仕事は全部受けて
全部締め切りを守った。(プロなら当然のことです)
なにしろ漫画を描くことが好きだし、
仕事をすることは喜びだし、
それ以外は考えられなかったから。


これまで通り、商業の仕事は続けながら、
どうにかして「暇」な時期を埋めなければいけない。
「暇」は怖いし、なんと言っても
時間がもったいない。
漫画を描き続けたい。
できれば自分の本当に好きなテーマで描きたい。
雑誌や編集者の指示するテーマではなく、
私の描きたいものを描きたい。
そして、できればその漫画で収入を得たい。
それを「仕事」にしたい。

私の手で、仕事を作り出したい。

と、いうわけで…「なぜインディーズをはじめようと思ったか?」の
答えはこれなのです。

その後、その他のことはウォーカープラスのインタビュー記事に
書いてある通りです。




振りかえれば、私は幼い頃から
毎日マンガを描いていました。

学校から帰ると、裏が白紙の広告を集めて
まとめてホッチキスでとめて、
16ページほどのマンガを毎日描いていました。

インディーズマンガを描いていると、
ふとそのときの記憶がよみがえってきます。

誰に見せるわけでもなく、誉められれわけでもなく、
ただ、自分の意見を、自分の考えを、言葉にはできない気持ちを
外に出したくて描き続けていた自分。

あれからぜんぜん私は変わってない。

ずっと漫画家になることを夢見て
やっと商業誌でデビューできてプロになれたときは
本当に嬉しかった。(もう30年も前のことです)

でも、その瞬間から、幼いころに
すべての気持ちを書きなぐっていた感覚は
なくなっていきました。

5年ほどインディーズマンガを続けてきて
よみがえったのは、幼いころの
ただ、描きたい!という気持ちです。

出版社や編集者の意向に沿わなくてもいい
インディーズは自由です。




現在の私の「仕事」とは


現在は原作つきの連載をもらっています。
週の半分はその連載を
仕上げることに集中して、
残りの日はインディーズマンガに
集中する時間にあてたり取材したり
調べものをしたりしています。

原作つきだけでは描くのがしんどくなるし、
インディーズだけでも苦しくなるので、
両方あってバランスがとれてるという感じです。
今後の目標は、インディーズでもちゃんとしっかりとした
収入を得られるようになることかなぁ。

自分の好きなことをただ書きなぐるだけではなくて
もちろん、ちゃんとした(一応プロなので(笑))
読みごたえのある完成度の高いものを
描くことを心がけています。
これが私の「仕事」です!と堂々と
言えるようにがんばります。

ウォーカープラスの取材でも答えていたけど、
インディーズマンガをはじめてから
ますますマンガを描くことが好きになりました。
これ、本当のことです。

マンガは描けば描くほど好きになる、
きっと終わりはありません。


ウォーカープラスでも紹介された
「Black Lily 黒百合短編集」シリーズ
「交換5」現在執筆中です。






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ぴのこ堂
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