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漫画家が漫画家を描くこと④漫画家であるための働き方とは


インディーズで連載している「BlackLily 黒百合短編集~その後~
交換」の第5巻ができました。


短編集とかいいながら長編だし、進むのも遅いからなかなか終わらないし
…とご迷惑をおかけしています(?)が、次の6巻でようやく完結する予定です。
インディーズなので締め切りとか特にないし(原稿料も出ないしね!)
自由なのですが、この作品だけは絶対に完結させなければ!と
思っています。


漫画家はみんなフリーランスということの問題点


私自身は、「フリーランス」という働き方は好きです。
就職したこともないし、漫画家になることしか
考えてなかったから、意識してなったというわけではないのですが。

「何の保証もない」
「いつ仕事がなくなるかわからない」
という状態は、不安定で不安だろうとは思います。(他人事…)
今なら若い自分に「そんなのやめとけ」と言うかもしれない。

そもそも、才能なんてないかもしれないし、
続けていけるかどうかはわからない…

でも私自身も当然、才能なんてないと思ってたし
続けていく自信があったわけではなく。

ただ、「やりたい」「描きたい」という気持ちだけだったんです。

本当に、自信なんてなかった。

今だから言えますが 、私のように
「漫画を描きたい、だけど自信はない」
という若い子って危険がいっぱいです(笑)。

せめて「漫画家はフリーランス」という意味をよく知っておく
べきです。
でも昔、フリーランスなんて言葉も知らなかったしなぁ…。
それに、もし言葉や意味を知っていたら
諦めていたかもしれない。
(だからやっぱり知らなくてよかったのかな?) 

あくまでも「普通は」…の話ですが、一般的な職種の場合
一旦どこかで就職するなり師匠のもとで修行したりして
実力も人脈も自信も今後の見通しもついてから
よし、フリーになろう!と
なるわけです。

しかし漫画家の場合、私も含め多くの人は
ちっちゃいころから「なりたい!」とそれだけをいきなり
目指し、実際になれちゃう人もいるんです。 
ここが危険なところで病んじゃうリスクも
あるのかなぁ…と思います。

何が危険で病むリスクがあるのかというと、

自分についてくれた編集者のことを
上司だと思ってしまう。
(会社に勤めることとフリーの違いがわからないから)

神だと思ってしまう。
(漫画が上手くなるノウハウを教えてくれると勘違いするから)

この人に捨てられたら終わりだと思ってしまう。
(自信をすいとられた結果)







編集者は上司ではないし神でもない


めっちゃ当たり前のこと言いましたが。

若くて世間を知らず、そして「自信がない」という
状態は、洗脳されやすい。

でも、それはどの世界でもそうだと思うし、
(若いうちから自信満々っつーのもそれはそれで問題です)

どんな人だって、若いうちは「上」の立場の人に
洗脳されちゃう可能性があるってことです。



だからなにも「フリーランスだから問題」というわけ
ではないし、
「どっかの会社に就職したら安心」というわけでは
絶対ないわけです。違いますか?

「若いし自信がない」
だから就職しよう。
という考え方も私はどうかな、と思います。
就職するという働き方が絶対に向いていない人(私)
だっているんだから。

たとえ大きな会社に就職したって、
上司は絶対ですか?
いつでも正しいのですか?
その会社に一生守ってもらわなければ
人生終わりですか?

「就職して自信をつけてから」と思ったとしても、
パワハラモラハラ上司に自信をすべて
すいとられてしまう場合だってあります。
そうなると、もう「フリーになってもどうせ失敗するだろう」と
思い込むしかなくなります。


フリーでやっていくにしても
就職するにしても、
どれを選ぼうが、どっちにしろ「自信」って必要です。
「この仕事好き!」は必要です。
そして「ここの仕事が終わってもまた次に挑戦する」
って気持ち、大事です。



私が高校生の頃は、進学しない子達に向かって
社会科の教師が
「おまえらはどこかに就職しないと終わりなんやで」と
言い放っていたけど、
フリーランスという働き方もあることを
教えてくれてもよかったんじゃないの?
(その教師も知らなかったんだろうけど)
どっちにしろどんな道にもリスクはあるんだから。

今後は、就職しなくても
長い修行の期間がなくても
いきなりフリーランスという道も
普通に選択できるようになればいいなと思います。

最初はたいへんだけど…
たいへんじゃない仕事ってないから。





私は漫画を描いていきたい


今回描いたナツの過去の話のように、
私も昔から大好きだった雑誌でデビューできた。
そこの編集者のアドバイスや支えもあって、
私は漫画を描くということが深く理解できたし
学べたし、漫画を描くことが本当に本当に
喜びとなった。

でも、人気がないので切られました。
漫画のエピソードのように、
無視されるようになるんです。
本当に、
「あなたの代わりはいくらでもいるのよ」と
無言で叩きつけられるようでした。

すごくショックでしばらくは
立ち直れなかったけど…

でも、それで終わりというわけではない。

その雑誌で、その読者さんたちから
受け入れられなかっただけ。
アンケートを書いて送る人が
私以外の漫画を選んだというだけ。

今思うと、編集者さんからの
態度でたくさん傷つけられたと
感じたけど…
やっぱり幼くて世間知らずで自信がなくて
そしてフリーランスという働き方を
よくわかってなかったからだったのかなぁ。


今では自信がついた!…というわけではない。
でも、自信がなくても、引っ張り出して
いかないといけない。

私は漫画を描いていきたいから!

がんばるぞ!





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