M9. 夕さり ~青野りえ『PASTORAL』セルフ・ライナーノーツ
夏の終わりの日曜の夕暮れ時に想うのは、郷愁か慕情か。
この曲はM1「PASTORAL」同様、関さんのデモストックにあった曲です。
関さんのデモは囁くような声の弾き語りで、少女のようなメランコリックな歌詞がついていて、なんとなくジェーン・バーキンのイメージが浮かぶものでした。
女がひとりの部屋でギターを爪弾きながら歌う感じですね、と話していましたが、いざバンドで合わせてみると、思いのほかスケールの大きな曲に変身しました。
間奏のノスタルジックなギター。大好きなヴィム・ヴェンダースのロードムービーのようです。
私は東京湾を思い浮かべて詞を書きましたが、アメリカ西部の一本道をドライブしているみたいになりました。
エンディングがあっさりなので、またアルバムの1曲目からリピートしたくなりますね。どうぞ心ゆくまで!
関さんの、井上さんへのディレクションが突拍子もなく面白くて、曲はしっとりしているけれど、笑いの絶えない録音でした。
甘くても苦くても、どっちも人生。
こころは移ろいゆくものです。
それでも変わらないものを、今日も探し続けています。
レコ発での、ブルー・ペパーズ井上薫さんのピアノとのデュオも好評でした。
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