10/12
急にめっきり冷え込んだ。朝、通勤のために外に出ると、この間を思えば信じられないくらいの寒さに身を震わせる。その日は慌てて戻って長袖に着替えた。
近頃、秋がないとは言うが、はて今は夏だろうか?ふと立ち止まって考える。いやきっとこの僅かな隙間を秋と呼ぶのだ。空には鰯雲が浮かんでいるのを見た。吸い込む空気はひんやりと肺に涼しい。何かに気を取られていたら見逃してしまいそうな秋がやってきたようだ。
近況①
しばらく取り掛かっていた仕事がひと段落した。その日は同僚たちと大いに飲んで、大いに潰れた。今年の健康診断の結果に甘えているからできる技だ。診断は来年までの確約とイコールではない。それはわかっている。わかってはいるのだ。しかし労いの宴はとても楽しかった。やって良かったと思う。どんな人も何か目に見える形で報われる日がなければ続かないだろう。そういう小さなタームを繰り返して繰り返して、いつか振り向いたときにはじめて長く続けてきたように見えるのだ。年甲斐もなくはしゃぎ過ぎたのはご愛嬌というところでとどめておく。とどまっていて欲しい。
近況②
学生のころから好きだったBUMP OF CHICKENのツアーに行った。はじめて彼らの歌を意識的に聴いてから実に20年以上の歳月が経った。最新アルバムのツアーだったから当時の曲を多く演奏したわけではないけど、それでもとても素晴らしい時間だった。音楽の力。そんな使い古された言葉を信じてみたくなるような時間だった。古い曲も新しい曲も、どちらも新鮮に聴こえて、込み上げるものがあった。中でも、かつてと今を繋ぐように『記念撮影』という曲が特に響いた。また行きたい。
季節は移ろう。いつのまにか時は流れ、また一つ歳をとる。かたん、とどこかで音が鳴る。何かが落ちた音がする。生活は続く。また書く。