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小説-「今夜あなたは、どんな夜を過ごしますか」

 今日も一日お疲れ様です。
皆様にとって、どんな一日だったでしょうか?私は仕事が休みということもあって、溜まっていた書類等、一日お片付けをしていました。ほんの少〜しだけ、気分がスッキリした気がします。

前夜の続きです。

小説- 「今夜あなたは、どんな夜を過ごしますか」

file18 宮原佳菜子の先輩

 今日は会社の事務の先輩の絵里さんと、仕事帰り、一緒に居酒屋に行く予定だ。絵里さんは初めて見たとき、美人で取っつきが悪そうで、少し怖かった。でも見た目と違ってとても、可愛いらしい人だった。しっかりしてそうで、たまに抜けた事をして、あちゃ~なんて、おでこに手を当てたりしている。人にもとても親切で協調性もある。あっけらかんとしているのかと思えば、周りにとても気を遣ってたりする。私は絵里さんが大好きだ。
 会社の初めての食事会で、たまたま隣の席になり、緊張していた私を和ませてくれた。今流行りのMBTI診断の性格タイプで、同じ擁護者だとわかって、そうそう、そうなの、っと、盛り上がった。
 それから二カ月に一回くらいのペースで二人で行きつけの居酒屋に行くようになった。
 絵里さんは結婚をしていて、低学年のお子さんがいるが、一緒に暮らしている義母が「言っておいで。」っと言ってくれるの。っと、家のことを任せている日があるみたいだ。大丈夫?って聞いてみたいけど、楽しみの夜がなくなるのが嫌なので聞かないことにする。
 今夜も二人して随分飲んだ。仕事の話からくだらない話しまでして、ゲラゲラ笑った。途中、絵里さんのお知り合いの方も来て一緒に飲んだ。
 一人、自分で自分の事をアザラシのゴマちゃんと言う小柄で、丸っこい知らない男性が絡んできた。「いゃあ〜。女子会?きれいな人ばっかり三人で〜。」「ねっ、ねっ、俺も混ぜてよ〜。ゴマちゃんって呼んでくれたらいいからさぁ〜。」
 そのうち、絵里さんのお知り合いの方が先に帰ると言うので、入口まで送って行った。ゴマちゃんもついてきた。
 絵里さんは、「ゴマちゃんは海にでも、とっとと帰りな。」っと、入口のドアをピシッと閉めて店の中へ追いやった。

 ひぇ~、絵里さん!なんてこと!でも、ゴマちゃんは構ってもらってご機嫌になって、席に戻ったようだ。

 恐るべし、絵里さん!

 愉しい夜だ〜。

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