接待交際費が多い企業は役員報酬を上げたほうが良いね!〜資金繰りに困らない経営が得意な税理士からの提案〜
「接待交際費」悪魔のようなワードです。
似たような種族として「経費で落ちるから」もあります。
損益計算書に接待交際費(会議費も含む)いくら計上していますか?
今の世の中は対面で会うことが制限されている状況ですし、リアルで会って会食することがビジネス上でKEYになっている!という状況は極めて少ないでしょう。
もし年間120万円、月10万円以上接待交際費がある場合は、役員報酬を上げることをオススメします。(会議費含めても年間240万円、月20万円)
役員報酬を上げて、手取りの中から接待交際費を支払ってください。
もちろん、経費は精算しちゃダメですよ笑
損益計算書上はまったく同じなのですが、印象がぜんぜん違います。
接待交際費が減って、減った分と同額の役員報酬が上がるのですから利益は同じになります。が、驚くべき効果が生まれます。
その驚くべき効果とは以下の3つです。
1.損益計算書の見た目がよくなる
2.経費の使い方のコツ(勘所)が分かる
3.会社に(個人にも)オカネが貯まるようになる
詳細解説しましょう!
効果その1
損益計算書の見た目がよくなる
プロが損益計算書を見る順番をお伝えすると
・当期利益→減価償却費→営業利益→経常利益→粗利→役員報酬→接待交際費→その他特殊な勘定科目ないか?
こんな感じでざっと見ます。所要時間30秒ぐらいですね。
なぜ減価償却費をチェックするのか?
減価償却費は損益計算書に載る経費のうち、唯一、キャッシュアウトと関係ない経費だからです。計上も任意ですしね。
利益を見ていくのは良いとして、なぜ役員報酬と接待交際費をチェックするか?分かりますか?
来期の業績は神のみぞ知る。ですが、この2つは自分たちでコントロールできる経費だからです。
コントロールできる余地がどれだけあるか=どれだけ倒産しづらいか
という視点で見ています。
減価償却費・接待交際費・役員報酬は自社でコントロールできるという意味でチェックしているのです。
効果その2
経費の使い方のコツ(勘所)が分かる
ここが一番重要なのですが……。
経営の上手い社長というのは、売上の立て方ではなく経費の使い方が上手いです。断言します。
経費の使い方が上手くならないと経営はうまくなりません。
さて、経費の使い方とは何でしょうか?
それを書く前に、そもそも経費とは何なのか?という話をしましょう。
経費とは、売上を獲得するために要したコストを言う。
というのが定義です。
「売上を獲得するために」というのが重要です。
売上を獲得するために……
・食材を仕入れました → うん分かる
・店内にfree wi-fiを入れました → うん分かる
・バーンとチラシをポスティングしてみました → やり方は他にもあるかもだけどまあ分かる
・モチベーション上げるためにスタッフの給料を大幅に増額しました → うん、嬉しいだろうけど…売上との関係ってどうだろうか?
・同級生とゴルフ行きました → それ費用対効果あるの?微妙じゃね?
・家族で食事したので領収書もらいました → それ関係ないよね笑
はい、おわかりですね。
これで考えると、そもそも経費とは何なのか?ということが分かります。
経営のコツ、経営のセンス、勘所、このような言葉の正体はすべて上記のセンスだと断言できます。
ここはチャンスだ!投資しよう!
ここは売上との関係が無さそうだな…オカネを使うのはやめておこう
このような日々の判断が経営のセンスを磨きます。
効果その3
会社に(個人にも)オカネが貯まるようになる
2による副次的効果とも言えますが……。経費を使うメリハリが付いてくると、自然とオカネが貯まるようになります。
小遣い帳や家計簿と同じ原理で、記録すると学習するからです。
なんかわからんけど財布の中にカネが無い。から卒業しましょう!
接待交際費として経費で落ちるから、と考えるのと
飲食代はすべて自腹、と考えるのと
どちらが財布の紐が慎重になるのか?明白でしょう。
また、当然ながら役員報酬を上げたので手取りも増えます。手取りが増えるということはオカネが貯まる。という事でもあります。
社長が財布緩いと、社員さんも経費の使い方が粗いということはよくあります。
経費は使わないけど(使う権利が与えられていないから?)生活残業する、という社員さんもいますよね。
それ、社長のオカネのセンスが投影されていますよ。
はい!という訳で、接待交際費が多い会社は役員報酬をあげよ。でした。
社員さんに、愛社精神もて!売上あげろ!といいつつ、自分だけ経費使い放題……。これでは社員さんも当然白けますよ笑
みんなで力を合わせて経営していける会社って素敵ですよね。
ではまた!