サルベージ_博論日記(2024/03/17)
学生生活の終わりまで、あと14日。
近所の白木蓮が咲いた。
沈丁花の香りも漂い、気の早い桜もぽつぽつと花びらを開きつつある。春はもうそこまで来ている。
初めて自室の机でnoteを書いている。なかなか新鮮で好もしい。
今週は活動的に過ごすことができて、その結果、目に見えて変化があった。というのも、自室を模様替えしたのだ。布団を敷く向きが変わるなど些細な変化が嬉しくて、うきうきと久しぶりに早朝2時頃から作業をしたり、好調である。
今日は、土曜日のお散歩写真(バイト先から大学まで)を合間に挟みつつ、今週の二大トピックである引越し作業と投稿論文のすったもんだについて書こうと思う。
■引越し作業
3月末で退学するにあたって、一番の難関は研究室からの撤収だ。デスクの上にはファイルボックスが立ち並び、引き出しもパンパン。加えて、ぎゅうぎゅうと本やら資料が並べられたスチールラック約2本を空っぽにしなければならない。
すべての荷物をそのまま自宅に運び込むのはキャパシティ的に無理なので、いろいろ捨てたりあげたり売ったりと工夫しなければならないのだが、一気にやるのは骨が折れるので、少しずつ進めている(あと2週間でやり切れるのか不安ではある)。
まず取りかかったのは、荷物を受け入れる自室の片付けだ。自室は、約15年前に一人暮らしをするために家を出たタイミングで、作業拠点としての機能を失った。以来、長らく物置き兼寝室になっていた。来年度からは自室で博論執筆作業を進められるよう、整えなければならない。
物が積み上がっていた小学校の時に作ってもらった机を片付け、別室で作業をする時に使っていた机とL字型に組み合わせて、書き物とパソコン作業とを同時並行で進められるように配置した。そして、研究室の荷物が入るように、本や資料をかなり処分した。また、その作業をしていた流れでちょっと思いついて、これまで段ボールに詰め込んでいた日記・手帳類を棚に並べてみた。
不思議なもので、目に入るところに日記が並ぶと、時間軸が過去から現在までリニアにつながったように感じられる。
ここ数年はなだらかになってきたが、私は病気の都合で激しい浮き沈みを繰り返してきたため、自分の来し方をしばしばあまりよく思い出せない。いや、思い出せないというより、記憶に蓋がされていて、何か手がかりがないとよく思い出すことができないと言うべきか。
そのため、手帳にいろいろ書き付けたり、記事やメモを貼ったり、出先で得たパンフレットをファイリングしたり、とにかく記録・収集する癖がある。
時間軸が過去から現在までリニアにつながったことを感じ、ふと「今なら怖がらずに手帳類を振り返ることができるかもしれない」と思った。
博論のイントロ、ディスカッション、謝辞、あとがき(いつか博論を単行本にしたいと思うようになり、その時にどんなことを書くか夢想している)を書くにあたって、ちょうどこれまでの行動や思考のあゆみを振り返りたいと思っていたところだった。
以前、千葉雅也・山内朋樹・読書猿・瀬下翔太著『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』を参考にして、WorkFlowyというアウトライナーアプリとEverNoteというメモアプリをインストールしていた。
使いかけて放置していたが、手帳類を振り返るにあたって、それらをもう一度使ってみようと考えた。
自室の模様替えを機に上記の2点を始めたのだが、それがとても楽しい。「忘れたらあかんこと」をサルベージしている感覚、もう一度手元に取り戻す感覚がある。
目下、一番のタスクは次に述べる投稿論文なのだが、こればっかりやっていると博論で何を書きたかったが薄れてくる(投稿論文は博論の5章にあたる)。
投稿論文の作業をメインに据えつつも、息抜きにちょっとずつサルベージも続けていきたいと思う。
■投稿論文のすったもんだ
3/31〆切の投稿論文2の修正を急ぎ進めている。かなり複雑な修正を求められていて、もしかすると3/31には間に合わない可能性も出てきた。〆切延長を願い出なければならないかもしれない。4月以降、作業に充てられる時間は減ってしまうので、とにかく今月できるところまで進めたい。
という状況の中、投稿論文1の再査読結果が返ってきた。エディター判断としては「もう一度チャンスをあげるから再修正しなさい」ということなのだが、査読者コメントを読んで「どうしたものか」と唸ってしまった。
査読者は2名で、査読者1は微修正でよいとのこと。ところが査読者2が大変厳しい。個人的にはリジェクトと判断するとのことだった。査読者2名の判断を読んで、エディターは総合的に「リジェクトはしない(再修正)」と言ってくれたのだが、あまりに危うい。
問題は、査読者2と私との間に、論文においてとても重要なある概念(C)に対する認識違いがありそうなことだ。査読者2は、Cをかなり限定的に捉えた議論を展開せよ(狭義のC)と言っていて、一方、私は自分の扱った事例ではCを広い意味で捉えた方が望ましいと考えてふんわり(と査読者2には見えるようだ)議論している(広義のC)。
1回目の査読でそれに気がついて、言葉を尽くして説明したつもりだったのだが、どうも査読者2には届かなかったようだ。査読に対応できていない、と言われてしまった。
また、基本的な論文の構成が洗練されていないこともマイナスポイントのようで、査読結果を読みながら「(査読者を)だいぶイライラさせてしまったのではないか」と申し訳なく思った。
投稿論文2本を英文誌に載せないと博論の予備審査に進めない。なんとかこの関門をクリアしなければならない。
すったもんだの最中で、まだ解決策は見つかっていないのだが、とにかく手を動かすしかない。
まず論文2を修正する。論文1の再査読結果については来週のミーティングで相談する。
ふんばる。
*
<To Do>
・引越し作業(3/26の研究室大掃除までに大物をやっつける)
・投稿論文2:修正(3月31日〆切)
・投稿論文1:再査読修正(4月31日〆切)
・システマティック・レビュー:二次チェック中
・博論本文:
5月(予備審査委員会立ち上げ願い)
7月予備審査?
9月口頭試問?