やきもち |詩
あなたってすごくやきもちやき。
付き合った時からそうだったよね。
なによ、同級生とちょっと話してただけじゃない。
そんなに心配しなくても私はずっとあなたが好きよ。
あなたってすごくやきもちやき。
大人になってもそうなのね。
ほんと、束縛する人ってめんどくさい。
そんなに心配しなくても私はずっとあなたが好きよ。
忙しい仕事を乗り越えて、
久しぶりのデート。
別に浮かれてないけど、
今日のワンピースは一番のお気に入りなの。
すれ違う日々を乗り越えて、
久しぶりのデート。
別に浮かれてないけど、
今日のメイクは一番自信があるの。
待ち合わせ場所に立つあなた。
セットアップが似合ってる。
その隣に立つ女の人。
私より背が高くて胸が大きくて
私よりずっとずっと大人っぽい人。
私より声が高くてよく笑って
私よりずっとずっと可愛い人。
なによ
耳まで真っ赤になってるわよ
そんなに照れなくたっていいじゃない
声まで高くなってるわよ
そんなに浮かれなくたっていいじゃない
「大学の後輩なんだ」
ふうん、そうなのね
そんなことどうでもいい
「職場でも後輩なんだ」
へえ、そうなのね
そんなことどうでもいいのよ
あなたの居場所は私の隣
あなたがいないと私の隣が空いちゃうんだから
あなたがいないと私一人になっちゃうんだから
よそ見なんてしないで
ずっとずっと私だけを見てよ
ずっとずっと私の傍にいてよ
「今日どうしたの?」
「もしかして具合悪い?」
そうやって自分のことに鈍感すぎるあなたには
この気持ちはまだ教えてあげないもん。
そうやって無意識に距離が近すぎるあなたには
この気持ちはまだ教えてあげないんだから。
私ばっかりで悔しいし
私ばっかりで悲しいから。
あなたってすごくやきもちやき。
まあ、上には上がいるけどね。