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18きっぷノスタルジア 2024/08/18

  • 木曜の夜から岐阜の実家に帰省していた。帰省して何かをしたか、っていうと何かをしたわけではない。ただ、実家や祖母に顔を出しただけ。大学の学費の大半を出してもらった両親や祖母には頭が上がらないので、用はなくとも盆と正月には帰省するようにしている。

  • あ、もう一個帰省する理由があった。実家の柴犬に会いに行ってるんだ。御年13歳(たしか)。随分年をとってしまい、一日20時間くらい寝ているようだ。まだ自分の足で歩けてはいるので、帰省中2度散歩に連れて行ってやれた。あと何回一緒に散歩にいけるだろうか。

  • 地元に帰ったところで、会う同級生はいない。何せ、もう小中の同級生の連絡先を誰一人知らないので。

  • それくらい交友関係が希薄なのに、律儀にも5年前の成人式には出席している。写真を撮って、昔の数少ない友人と一言二言だけ話し、親の送迎ですぐに帰った時は、流石に自室で泣いた。

  • 社会に出て、引っ込み思案なところは随分減ったが、それでも交友関係はかなり狭い。土日の休みの日に友達と会って過ごす、なんてことは年に5回ほどだ。一人で気ままに生きる今の生活は気に入っているが、それでもたまに「もっと交友関係を広げたい」と思うことはある。そう思うなら、自ら行動して、交友関係を広げていけばいいのに。そういうのはチキって何もできないんだよな。


  • 明日からはいつも通り仕事があるので、東京の自宅に戻る。青春18きっぷが2日分余っていたので、 大垣から東海道線でゆっくり8時間ほどかけて帰ることにした。

  • 昼前に家を出て、まずは養老鉄道に乗ってJR大垣駅を目指す。高校時代、通学に毎日使っていた第三セクターの鉄道路線。「昭和38-45年製の車両が老朽化したので、昭和38年-41年製の東急車両を導入します!」って狂った発表をしたことで、一部界隈では有名。車両更新の結果、より古くなってるじゃねえか!

  • 私が高校生の頃から、「いつ廃線になってもおかしくない」と言われ続けていた状況は変わらず。周辺自治体の過疎が進み、当時よりも酷い状況のようだ。

  • 運良く東急のお下がり車両に乗ることができた。高校生の頃にはなかった車両。テンション上がる。

  • 車内にまともな冷房設備はなく速度は鈍い。ガタガタの線路の上を走る電車に揺られながら、高校時代に良く聞いていたGARNET CROWのアルバム『LOCKS』に収録されている『最後の離島』を聞いていると、高校時代のさまざまな灰色の思い出が蘇ってきた。ロクな思い出がない。

  • それでも、高校3年間乗り続けていた路線。無くなってほしくないなあ。都会に引っ越して地元を捨てた人間の感慨なんて、厳しいローカル鉄道の経営には何の役にも立たないだろうが。

数少ない有人駅
  • JR大垣駅の本屋が無くなっていた。ショック!高校時代は週に1度は訪れていて、今も続く本屋巡りの趣味の原点にある書店だった。ここで、ラブライブのCDを何枚買っただろう……

大垣駅から東海道線を乗り継いで浜松駅へ。浜松は大学4年間を過ごした街。ここで下車して、浜松駅構内にある「石松餃子」で餃子定食を食べた。実に5年ぶりの浜松餃子。うまー。比較的少食な自分だが、ここの餃子はたくさん食べられる。実家を発つ前にそうめんを食べていたというのに、ここで餃子15個の定食をペロリと平らげてしまった。

  • 浜松餃子の特徴は何と言っても具にキャベツを使っているところ。キャベツが主体なので、あっさりしており、いくらでも食べられてしまう。ニラとニンニクの効いた、ガツンとインパクトの強い餃子が好みの人には物足りないかもしれないが、私はこの浜松スタイルの餃子が好み。

  • 熱海行きの電車が来るまで、浜松駅の駅ビルを散策。アニメイトも本屋も残っていて嬉しかった。


  • 浜松駅からは、寄り道せずひたすら東京へ東海道線で静岡県内をひた走る。18きっぱーにはお馴染みの地獄の静岡区間。

  • 鉄道旅のおともに、『暇と退屈の倫理学』と『百年の孤独』を交互に読む。どちらも非常に面白い本であることは疑いようがないが、小難しい単語が次々と出てくるので、流石に寝落ちした。

  • 熱海からはグリーンチケットを買って東京へ。この文章は、熱海発宇都宮行のグリーン車の中で書いている。グリーン車の中、すっげー集中できるんだよな。

  • 帰省前に、「実家ではやることがないから下書きのままな記事を書き上げたい」と宣言していたはずなのに、出来上がったのはこの1記事だけ。長期休暇は、なにも達成できずやりたいことばかりが増えていく。やっぱ、やりたいことは日常の、仕事をしながらこなしていくのがいいんだろうな。長期の休みにまとめてやろうと思うのは無駄だ。なのに、毎回「休みになったらアレをやろう」って思っちゃうんだよなー。

  • 渋谷着。マークシティから見下ろすスクランブル交差点の景色に「帰ってきた」という感慨を抱くような人生になるなんて、岐阜に住んでいた頃は想像もできなかった。

  • 都会の一等地で働くことをアイデンティティのような発信をする意識高い系は嫌いだったのに、気づけば自分もそうなっていた。あの時私が嫌いだったアイツも、今の自分と同じように「渋谷で働いている」って事実を述べていただけなのかな。

  • あ、渋谷には住んでないです。働いているだけ。

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