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鑑賞録 #35 「ヘルヴァ・ボス シーズン2 第10話:GHOSTF**KERS」


職務放棄&やけ食いのブリッツ

客観的に見ればどう考えても"失恋ムーブ"な荒れっぷりで周りにも多大なる影響を及ぼしているブリッツ。

一ヶ月は仕事でも使い物にならない上に平時以上の浪費家っぷりを続けているらしいが、通常はえこ贔屓するはずのルーナにさえ実質的に軟禁ともいえるレベルの"業務"を課しているあたり体面も繕えないほどのガチへこみである。

しっかしブリッツはいいよな、一ヶ月ずっと致死量くらいのカロリーを爆食いし続けてもずっとスリムだし1グラムも太らないんだからさ!!


倒産寸前のI.M.P

HB 2x10

全く仕事をしなくなったばかりか金遣いの荒さに拍車がかかった社長のせいでモクシーをして"FINANCIAL APOCALYPSE"とされる超絶緊急事態。

モクシー背後の資料によれば、(折れ線グラフの示す値が業績なのかcash残高なのか分からないが)急激な落ち込みようである。

HB 2x10

円グラフはなんだろう、今期の支出におけるブリッツの無駄遣いの割合か?
違うだろうな、なんだろう。

周りの資料も社会人ならば目にしたくない単語が目白押しだ。

HB 2x10

FINAL NOTICE:最終通知
UNPAID:未払い
URGENT:至急
PAST DUE:期日超過

金勘定に疲れ果てて現実逃避しているモクシーが相変わらずオタクで可愛い。


幽霊とセックスしたくてたまらないべサニー

絶賛ヤケ食い中のブリッツが観ている"earth trash"な番組「GHOSTF**KERS」はこのエピソードのタイトルにもなっているが、メインキャスト:べサニーの声、HAZBIN HOTELのチャーリーやないか。

劇中の出演では気が付かなかったが、ED曲の歌いっぷりを聴いてそんじょそこらのモブちゃうぞと思っていたらどうやらチャーリー・モーニングスター役をやっているErika Henningsenが声を担当しているらしい。

HHのおかげでエリカの素の喋りやファンミでオフモードの際の振る舞いなどを観たことがあるが、画面越しに観ている分には問題ないものの天真爛漫すぎて同性としてはどうにもこいつとは友達になれねえ……と思う人物である😂

それにしてもEDでのぶっ飛びっぷりは最高だった。
とんでもない歌唱力と美声を持っているにもかかわらずすっかりべサニーになりきっていて、チャーリーっぽさもない。
プロだ。

そういえばブリッツがべサニーを装う際にValley Girlのアクセントを真似て喋り、いつも通りブランドンの器用さが発揮されているが、せっかくならPARENTAL ADVISORYな単語や下ネタばかりじゃなくもっとValley Girlっぽいセリフも聞きたかった。

Valley Girlの語彙はこちらの動画の解説が分かりやすいしかわいいしかわいいから観てみてほしい。



ブリッツとミリーの友情回

シリーズ開始第2話くらいからほぼずっと「自分が不幸にした人たち」「自分を拒んで離れていった人たち」を突きつけられズタボロにされ続けてきたブリッツだが、今回は1x6のモクシーとの対話、2x6のフィズとの仲直り以来のブリッツ救済エピである。

幻覚を見せられたブリッツがメンタルブレイク寸前に陥り、それをきっかけにミリーとブリッツの出会いとなる回想シーンが挿入されていたが、ミリーもしっかり荒んでいた時期があったようで驚いた。顔つき違いすぎ。

田舎の仲良し家庭ですくすく育ってきたフィジカル強者かと思っていたが、この世界のインプらしく抑圧されて"悪"の道にいたようだ。

ブリッツ、ストラス、モクシー、フィズ、ルーナ、ミリー、普段は明るいキャラクターたちの誰もが心に傷や闇を抱えながら支え合ってきたかと思うと胸がぎゅっとなる。

根っから明るそうなI say, I sayおじさんにも凄惨な過去とかあったらどうしよう。

現実世界の我々とてみんな大なり小なりしんどい思いをして、つらい経験をして、それを乗り越えたり乗り越えられなかったりしながら生きているからこそHBやHHのキャラクターに感情移入してより没入できるのだろうが、フィクションのずるいところは過去を見せられるという点にある。

現実世界で誰かの一生を追うとして、現在の様子なら直接目にして「紛れもない真実」と認識できる場合もあるが、過去は当人や関係者、あるいは第三者から伝え聞くことしかできない。

それでも共感したり理解できたりはするものの、正確な情報かどうかの保証がない以上は話半分に聞くことにもなるし、伝達側の演出や話術の程度によって理解度や感情移入の度合いに差が生まれる。

しかしフィクションにおいての過去、現在、未来は、時間軸に貼られるラベルが違うだけ。視聴者が体験するリアリティは同じだ。

HBに限っていえば、まずはぶっ飛んだキャラクターに親しみを持ち、品のない言葉の応酬に笑い、しかし能天気ばかりではない苦労や弱さを知り、想いのすれ違う様に心を痛め、突如激カワな幼少期と小さな彼らを取り巻く尋常ならざる環境を知り、そして現在のうらぶれた様子と相変わらず晴れ晴れとしない境遇に心配ばかりが募り……

といった具合に、彼らを芯から知った気になってしまうせいで現実よりも感情移入してしまう。

英語ではCharacter developmentなんて表現したりすると思うが、現実世界の人物よりもフィクションのキャラクターにのめり込んでしまう一因はこういうところなんだろうな……



おわり

数ヶ月ぶりの本編、視聴開始直後に絶望した。
英語が全然分からない。

私の英語力はプライベートの実践経験で培ったラフな野良英語と英語コンテンツ漬けによる慣れと仕事における断続的な使用機会によってHB視聴可能レベルに対しギリギリアウトくらいの水準に保たれていたが、

ここ数ヶ月、英語のインプット/アウトプットともにゼロに等しい生活を送っていたために著しく英語力が下落していたようだ。

はじめはミリーの南部訛りがきつすぎるせいかと思ったが、単に自身のリスニング力の低下および知っているはずの単語の意味の忘却が主な原因である。

ハリウッド俳優でもある渡辺謙氏が俳優仲間に言った言葉に「言語学習とは雪のようなものだ。降り続ければ積もるが、やめば溶けて消えていく」というのがあるそうだが、マジでそう。

幸いS2からはオフィシャルの英語字幕がついているのでなんとかそれを見ながら視聴したが、11月、12月の連続リリースに向けてリハビリしておかねばならない。



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