鑑賞録 #21 「ヘルヴァ・ボス シーズン2 第7話:MAMMON’S MAGNIFICENT MUSICAL MID-SEASON SPECIAL (ft Fizzarolli)」
冒頭、ド派手なマモン・オン・ステージのシーンから始まる。
1x2のLoo Loo Landに初出し、これまで散々存在をチラつかされていた「マモン」ご本人の登場だ。
マモン
大きな身体と大袈裟な演出、Fの上をいく下品な言葉遣い、大罪「強欲」の名に恥じぬ大欲非道で利己的な振る舞い、訛りのある口調で好き勝手に喋る感じ……大変に好ましい。
現実にこんなのがいたら普通に嫌だが。
言動がいちいちハラスメントで構成されすぎているし、それでフィズを長年苦しめてきた張本人なのでその点に関しては非常に腹立たしいが、キャラクター単体で見ると魅力的だ。
これまでに出てきた大罪たち(ルシファー、オズ、ビー)は"いい人っぽい"面が描写されることが多かったけれど、これこれ〜〜!こういう側面が強調された大罪もいなくちゃ〜〜〜!!
フィズ型ドール(ロボット?)の「Fizzy」のプロモーションでも右下のORDER NOW!!!の下に小さく
NO REFUNDS - IF YOU DON'T LIKE IT, IT'S YOUR FAULT
払い戻し不可。気に入らなくても、それはあなたの責任
って書いてあるのすごく好き。
(日本語訳しっくりこないけど……)
それにマモンは喋り方がとてもいい。
彼が話す単語で好きなのはたくさんあるが「のっごなろぁい」みたいに聞こえる"I'm not gonna lie."が特に好き。
マモンの声はMichael Cusackが演じていて、彼は他作品でのアニメーター、監督、プロデューサーなど幅広く活動し非常に多才なお方である。
マモンがすごく訛って聞こえるので、ストラスやミリー、HHのサー・ペンシャスと同じくアメリカ人が他国の訛り(あるいはアメリカ国内の訛り)を取り入れて演じているのかと思っていたが、マイケルは生粋のオーストラリア人であった。
マイケルの素の喋りは他の動画で聞くことができる。
(質問されて答えている方)
素のマイケルはマモンほど訛っていないし声もガラガラしていない。マモン用に誇張していたのだろうが、声優さんってほんとにすごいな〜〜〜!!
HBのメインキャストたちの平素の口調もVivのチャンネルにアップされているCast LIVE動画で観ることができるが、そのまま実写シットコム化してもいいような面々で笑ってしまう。
最初の質問(08:14〜)で、ルーナ役のエリカが答えている時は真顔で真面目に聞いている感じだったストラス役のブライスが、ブリッツ役のブランドンが話し始めてすぐ微笑みを浮かべ頬杖をつき、My little imp……♡みたいな顔して聞いているのが面白い。
その前にもブライスの自己紹介(06:57〜)のところでキャラを入れてちょっといちゃついているが、キャスト同士が仲良さそうなのはすごく嬉しい。
モクシー役のリチャードもおもろいおっちゃんだし。
いるよね、リチャードみたいにその場にいるだけで雰囲気和ませちゃう人。
ちなみにCast LIVE動画内(11:38〜)でストラス役のBryceが役作りの参考にしたと言っている「Mrs. Doubtfire」、映画自体は遥か昔に観たことがあったが、ストラスのもとになったと知ってから観ると彼女にストラスの要素を見出せてさらに楽しめるのでおすすめだ。
本編
ブリッツとフィズ(少年期)
ブリッツとフィズが一緒にマモンのステージを見ているので15年以上前の描写であるが、2x6の火事のシーンでも今回のシーンでもブリッツがグリル?歯列矯正器具?みたいなのをつけているので概ね同時期と見ていいと思う。
ステージが終わってマモンに心酔しきりのフィズとちょっと冷めた感じのブリッツが帰路を歩くシーンがあるが、二人の関係性がとてもよくて微笑ましい。
優勝すればマモンと一緒に働ける権利がもらえるというNo.1ピエロ決定戦みたいなショーの話題で「優勝できるかなあ?」と不安がるフィズと、予想を口にするブリッツ。
もちろんブリッツは「選ばれるとしたらおまえだよ、フィズ」と答えるのだが、答えを聞く前からフィズの顔がほんのちょっと笑顔になってるのって"ブリッツならおまえが選ばれるよって言ってくれるはず"という信頼があるからだと思う。
それにブリッツの声音、あれ何?
痛ファンで勘違い野郎のCREEPZOにパフォーマンスを悪く言われ「僕の演技がゴミだったらどうしよう?全然ダメだったとしたら?」と動揺しているフィズを励ます時のブリッツの声音、めちゃくちゃ優しいんだけど。
こんなに素敵な関係性だった二人が誤解しあったまま15年も離れ離れになっていたなんて悲しすぎる。
時は流れ現在
念願叶ってマモンと一緒に仕事をしているフィズだが、ものの見事にマニピュレートされ搾取されている。
ブラック企業で働いているのになぜか辞められない心理と被るところがあり、誠実で責任感があって完璧主義というフィズの性格も事態を悪化させる要因になっていそうだ。
ここでもアスモデウスがフィズにあれこれ優しい言葉をかけるのだが、フィズとの思いやりに溢れたやりとりばかり見ているせいでオズが大罪だということを忘れてしまいそうになる。
ていうか大罪をはじめとした貴族たちってインプやヘルハウンズと付き合ってるし平民にタメ口聞かれても全く気にしてない。
天国にも地獄にも階級はあって、個人的に天国の階級は厳格、地獄の階級は苛烈みたいなイメージがあるが、少なくともブリッツやルーナが雑な態度を理由に大罪や貴族から責められたことはないと思う。
それは果たして通常営業なのかそういうのが許されるキャラなのか。
(ルーナはビーから怒られているがあれは友人同士の妥当な言い合い……というかルーナが子供っぽすぎた。)
モクシーやミリーがストラスにYour Highnessを使ったり、ストラスがアスモデウスにSireを使ったりしているけれど、些細な振る舞い一つでとんでもないことになるような、昔の日本でいうところの「無礼者、手討ちにしてくれる!」みたいな雰囲気はない。(ステラはやりそうだけど。)
尊厳の差はメインキャラかその他大勢かによっている感じなので階級ではあまり左右されないのかも。
この回では前話に引き続きフィズの前でカッコつけているブリッツが見られるが、警護対象のフィズがマモンやCREEPZOに何も言えずに可哀想な目に遭っているところでブリッツがちゃんとツッコミ役になってくれていたのが本当に助かった。
地獄生まれの面々の貞操観念や尊厳の範囲が全然分からないから難しいところではあるけど、小さい頃のあの激かわフィズを見ている側からすると「うちの子になんてことを!!!!」とつらくなってしまう。
マモンの搾取よりも気持ち悪いのがド痛きしょ拗らせファンのCREEPZOで、言動が激痛であるのみならず外見が常に不潔なのがさらに気持ち悪い。
自意識過剰で承認欲求の化け物になってしまうのは同情の余地もあるが、不潔なのは普通に無理だ。
ていうか、現在のフィズにもいまだに粘着しているそいつがファンミ会場みたいなところに現れてフィズに暴言吐きまくってるのに、周りのやつらが全然止めないのはなんなの?
あんたらフィズファンとしてそこにいるんだよね???
ファンならたとえ自分が刑務所にぶち込まれようともフィズを守ってそいつをタコ殴りにするべきでは??????(過激派)
ショー当日
会場にやってくるオズ、フィズ、そしてオズから依頼を受けて同伴するブリッツ。
私はブリッツが転んで床や地面にべちゃっと落ちるところが大好きなのだが、レッドカーペットでも例の「べちゃっ」をやっている。
ブリッツにこのドジ癖設定をつけた人(Viv?)、本当にありがとう。
ていうかオズって身体の大きさあんなに変えられるんだね。
そう言われれば大罪たちは自在に姿を変えてるし、ストラスも人間に変身したり人間の体格のままフクロウに戻るのもやってたし、割と自由度の高いスキルなのかもしれない。
そして、常勝のフィズの地位を脅かすライバルとして現れるのがGLITZ&GLAMの二人。
ちょっと高飛車な感じで出てきてはいるが、実力は本物のよう。
決勝ではトラックも歌い方もしっかりK-POPを意識した楽曲を使っていて、そのパフォーマンスの素晴らしさにはフィズも目を見張るほど。
二人のパフォーマンスを見てすっかり自信をなくしたフィズをオズが励ましていくシーンは本当に感動的だったし、元気づけられてステージに立ったフィズが歌った曲も最高だった。
Fワード連呼の曲であんなに感動するとは思わなかったよ!
そして、マモンがオズとフィズの関係を脅しのネタにしてくれたおかげでオズが公にフィズとの関係を認め(もっとも、当人たちが隠し通せていると思っていただけで公然の秘密だったが)、二人はこそこそしなくて済むようになった。
抑圧され縛られ搾取され続けてきたマモンから解放され、World best sugar daddyオズとのことも公表して堂々としていられるようになり、フィズはさぞかし晴々とした気持ちだろう。
それにしても「色欲」のアスモディウスと「強欲」のマモン、理由は違えど大罪に取り合いされているフィズって何者……???
ブリッツと幼馴染なことが分かっているだけで出生が明かされてないからフィズっていまだにミステリアスな一面あるんだよね……
続編待機中
はああ……現時点で公開済みのエピソードはこれで全部……
公式からシーズン2の続報そろそろ出すよ的なアナウンスあったけどエピソード自体の公開はまだまだ先らしい的なコメントも観たし、全然続いてるのに勝手にロスってる……
ていうかミニ・フィズを忠実に再現したぬいぐるみほしーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
高さ15cmくらいのやつほしい〜〜〜〜
ぬいぐるみとか家に一個もないけどさすがにほし〜〜〜
Hellaverseのグッズ関連、まだ日本に代理店ないなら私やろうかな????
交渉・実施には知識と粘り強さが必要です。
どっちもない〜〜〜〜〜〜
そういえば英語も得意じゃなかった〜〜〜〜〜
いや、これ今の職場の新事業としてやれたりしないか????
ほぼ全員英語が堪能でめちゃくちゃ賢くて常識もあって私にないものを全て持っている超絶優秀な同僚たちにぶん投げて私はグッズが手に入るという恩恵だけ受ければいいのでは??????(天才)
──妄言はこれくらいにするが、本編はもう何度も観たので最近はキャストの皆様の動画を観て寂しさを紛らわせている。
フィズ役のアレックス:濁声について
背景が新橋のSL広場にしか見えん。
それにしても濁声を余裕でやってんのすごすぎ。
あとすごいかわいい笑
ブリッツ役のブランドンが演じるHBのパペット劇
ブランドンはYouTuberでもあって、ロバート秋山のクリエイターズファイルくらいいろんな役を演じているのが本当にすごい。
しかし彼の動画はアメリカンすぎて私には若干ついていけない。
近所にブランドンが住んでたらうるさすぎて即引っ越すと思う😂
キャストライブの動画でブランドンが「ブリッツとは強い結びつきを感じる」みたいなことを言っていて、あんなぶっ飛んだキャラと結びつきを感じるってどういうことやねんと思っていたが、彼のチャンネルを見て大変よく理解できた。
HB Gag reel的なファンメイド
メイキングをgag reel調のキャラ絵にしてくれてんの最高すぎる。
ステラ可愛い……
元ネタ
ブランドン、ブリッツのこと好きすぎてブリッツコスまでしてigにあげてんの笑う。
ステラの声はジョージーナの声だけど元ネタはHBじゃなくてブランドンと彼女が共演してる別作品からの引用だった。
ストラス役のブライス:舞台での歌唱シーン
そりゃストラス歌唱の曲がいくつもあるわけだわ。
いつかブリッツと結ばれてハッピーなストラスの曲が聴きたい……