『劇場版 必着届け人YAMATO』ノベライズ
《今夜9時、港湾倉庫に来い。
間に合わなければ決闘の資格なし、そちらの負けとする。》
「10分過ぎてンじゃねえかッ」
「ギャーッ!」
突然薄っぺらい尻を蹴り上げられたタダシは情けない悲鳴をあげた。
なんて恐ろしい街だ、路地を一本間違えただけでこんな伝言役を押しつけられるなんて。
ヤクザなのかギャングなのか、手紙を一読した大柄な男は内容と現在時刻にブチギレだ。中身も知らずざっくりとした道順だけ教えられ、震えながらアジトに辿り着いたものの既に手遅れだったらしい。
男は力強い息を