笑撃 : M-1グランプリで度肝を抜かれた漫才
皆さん、こんばんは。
翔平です。
前回書いた燻り芸人の記事で予想以上の反応をいただき大変嬉しく思っております。
今回は続けてお笑い記事を書こうと思います。今回のテーマは漫才を語る上では外せない大会「M-1グランプリ」についてのお話しです。
いよいよ2021年大会まで1週間を切ってまいりました!今大会は見取り図やニューヨークなどの近年の常連組が準決勝で敗退したり、ランジャタイやモグライダーのような飛び道具コンビがまさかの決勝進出など、放送前から早くも波乱が起きています。
2001年の開始から数えること16回、多くの漫才師が頂点を目指して自慢の漫才を披露してきました。優勝こそ果たせなくとも心から面白いと面白いと思わせてくれた漫才師は数多くいます。
そこで今回はM-1決勝で見て度肝を抜かれた、本当に面白いと思った漫才をいくつかおすすめしたいと思います。
※お笑い好きの人からしたら何を今更言うとんねんみたいな記事になりそうですが温かい目で見ていただけたらと思います。
フットボールアワー 披露宴
M-1黎明期の優勝戦線で活躍したフットボールアワー。第3回大会では優勝し、その他出場した大会でも上位と出れば必ず結果を残す本物の漫才師。
フットの漫才はどれも高水準で安定して面白く、教科書に載せたいくらいのクオリティのものばかりですが、個人的に1番面白いと思ったのは第2回大会ファイナルラウンドで披露した「披露宴」のネタ。
フットの漫才といえばフワフワしているように見えて畳み掛けるようにボケを詰め込んでくるのんちゃんに対して一つ一つ強度の高いツッコミを後藤が決めるバランスの取れた王道漫才ですが、その中でもこの披露宴のネタは間合いもワードも全て完成された素晴らしい漫才だと思います。
搬入トラックのボケとか多分一生面白いと思います。
この年はますだおかだに優勝を攫われ、スーパールーキーの笑い飯に注目を持っていかれた感がありますが、完成度で言えばフットボールアワーが1番だったと個人的には思っています。
ブラックマヨネーズ ボウリング
第5回大会にて決勝初進出で優勝を飾ったブラックマヨネーズ。抜群の掛け合いで捲り上げるしゃべくり漫才は天下一品ですが、その実力を世に知らしめた漫才といえば、やはりこの大会のファーストラウンドで披露した「ボウリング」のネタではないでしょうか。
「M-1グランプリで1番面白かった漫才は?」と聞かれたら迷わずこのネタだったと答えてしまうくらい僕は面白いと思ったネタでした。
終盤に向けてどんどん上がっていく理想的な展開に、見た目のコンプレックスはネタに全く絡めなくても面白いと思わせるネタの完成度の高さ、そして何より島田紳助をして「4分の使い方が抜群」と言わせしめたほどの技術の高さは何も言うことがないくらい面白いです。
本当に本当に「衝撃」を受けた漫才と言えます。
チュートリアル バーベキュー
第6回大会にて「チリンチリン」のネタで満場一致の優勝を飾ったチュートリアル。徳井の変態的なボケを怯えながら福田がツッコむ形はもはや名人芸ですが、そんなネタの形を見せてくれたのが優勝前年の第5回大会で披露した「バーベキュー」のネタではないでしょうか。
バーベキューの具材という題材でここまで変態的にボケれるのか!?と思わせてくれる徳井の狂気すら感じさせるボケは本当に面白かったです。審査評にて松ちゃんが思わず「面白いですね」と言ったのも納得の面白さでした。
麒麟 野球
M-1の申し子と呼ばれ、3年連続ファイナルラウンド進出など優勝こそなかったものの大きく爪痕を残し続けた麒麟。
そんな麒麟のベストオブベストはこれまた第5回大会ファーストラウンドの「野球」のネタだと思います。
何よりもバチーンと決まったオチが素晴らしく、途中に挟んだアドリブ風喧嘩ボケもいい味を出しています。
こうやって見てみるとこんな素晴らしい漫才が揃って披露された2005年大会は本当にレベルが高かったんやと感じさせられます。
トータルテンボス ホテルのフロントマン
計3回決勝に進出しているトータルテンボス。そんなトータルの漫才が最も輝いたのは準優勝となった第7回大会ファーストラウンドで披露された「ホテルのフロントマン」のネタではないでしょうか。
近年王道となっている伏線回収の路線をこの当時から多用して自身の形にしていたトータルの集大成のような漫才で、初めて見た時に「こんなおもろいの優勝するやん」と思ってしまったのを覚えています。「施工主のバカ」最高ですよね。
この年はサンドウィッチマンとキングコングとの三つ巴となり惜しくも準優勝でしたが、優勝してもおかしくない素晴らしい漫才でした。僕はこのネタきっかけに本格的にトータルテンボスファンになってライブDVDも買うようになったので、影響受けるほど面白かったと思っています。
銀シャリ 料理のさしすせそ
第12回大会にて優勝を飾った銀シャリ。現代におけるしゃべくり漫才のトップランナーです。
優勝年の「ドレミの歌」や「うんちく」も非常に面白くて好きなんですが、それ以上に銀シャリ凄い!と思ってしまったのが前年のファーストラウンドで披露した「料理のさしすせそ」のネタです。
橋本らしいパワーワード満載のツッコミに鰻の音階ボケの被せとこれでもかと銀シャリらしさをぶつけてくれた素晴らしい漫才でした。
個人的にはこれで優勝取れないんや…とモヤモヤしてしまったのを覚えています。
和牛 ドライブデート
再開後の「M-1の申し子」として3大会連続準優勝と優勝するよりも凄い戦績を残してブレイクした和牛。
そんな和牛が一気に弾けたのはやっぱり12回大会で披露した「ドライブデート」のネタではないでしょうか。
それまでに見せてきた水田の屁理屈を全面に出した漫才から2人の演技力と、屁理屈に天然を混ぜ合わせたような絶妙なボケ、強弱を巧みに使い分けたツッコミとそれまでの和牛のイメージを覆してくれた大傑作だったと思います。
その後の大会で披露してくれた漫才も、礼二に「作品」と言われたのも納得の素晴らしい漫才ばかりですが、やっぱりインパクトという点ではこのネタが圧倒的でした。
ジャルジャル 変な校内放送
キングオブコント2020王者であるジャルジャルもM-1を彩った名コンビです。
ただ個人的な好みとしてですが、それまでのジャルジャルの漫才があまりハマっていませんでした。
そんなジャルジャル苦手な僕ですら「面白い!」と素直に驚いたのは第13回大会で披露した「変な校内放送」のネタでした。
翌年に見せた「国名分けっこ」と迷いましたが、最後の躍進を支えたリズムシステム漫才の先駆けになったこのネタを選びました。
漫才を漫才の型で収めさせないジャルジャルの凄まじさを見た気がします。
以上が個人的に印象に残ったM-1のネタになります。
いかがでしたでしょうか?
こうやって見てみるとやっぱりポピュラーなネタばかり選んでしまっていますね。
あと笑い飯を選んでないのは完全に好みの問題です。
今はAmazon primeでも全大会を見れたりするので、皆さん是非ご覧になって、自分の好みの漫才を見つけてみてください。
番外編 東京ダイナマイト 電話相談
番外編にはなりますが、どうしても紹介したかったのが東京ダイナマイト。
昔から東京ダイナマイトが大好きで敗者復活戦の投票は毎回投票していました。
とは言っても紹介するのはM-1でのネタではなく、休止期間に開催されていたTHE MANZAIで披露した「電話相談」のネタ。
これは皆さん言わずもがな覚えてらっしゃるんではないでしょうか?
東京ダイナマイトらしい掴みが炸裂し、これまた東京ダイナマイトらしい独特のネタ…とここまではいつも通りでしたが、突然不祥事時事ネタをぶっ込み。
生放送の賞レースで絶対にカットできない状況でとんでもないネタを入れてきたのはめちゃくちゃ面白かったです。
結果は芳しくなかったですが、みんなの心には間違いなくインパクトを残してくれた漫才だったんではないでしょうか。
ちなみにこの2013年大会は優勝者はともかくとして、非常にレベルの高い漫才を披露しているコンビが多いので興味のある方は是非見てほしいです。
それでは…