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著作権切れの合唱作品探し。

1.「著作権切れ」の合唱作品の探し方

著作権切れの作品を、「パブリックドメイン」と呼ぶらしい。そんなところからスタートしました。わけあって、三人で歌える著作権切れの合唱作品を探し始めたんです。著作権というものすらよくわかってなかったのですが、「 著作権切れ 合唱 」で検索し始めたら思った以上に奥が深かった。これはその記録。まず見つけたのはこんなページ。

●著作権切れの曲の楽譜をダウンロードできるサイト「IMSLP」を知っていますか

依然として「著作権切れ」の意味はちゃんとわかってないけど、ゾルターン・コダーイは最近「著作権切れ」扱いになったようです。コダーイなら三人で歌える曲も多いしラッキー! 著作権切れてるなら楽譜もpdfで無料で落ちてたりしないかな、そう思って「public domain sheet music」で検索してみました。そしたら凄いのが出てきたんです。

●CHIHARUさん「権切れの曲の楽譜をダウンロードできるサイト「IMSLP」を知っていますか?」

えっこんなのがあるの!?と思って調べてみた「IMSLP」がこちら。

●「IMSLP ぺとルッチ楽譜ライブラリー

恐ろしいことに著作権の切れた世界の楽譜、のべ52万冊のpdfがカテゴリーごとに分けられて内蔵されているらしい・・・。

神・・・?

ネット上の巨大な楽譜図書館。しかもカテゴリーごとの検索も「十字路」でかなり詳細にできます。私は「for 3 players」のカテゴリの中で英語とラテン語に絞って検索かけてみました。ちょっと今他の言語に割ける時間ないねん。フランス語とかドイツ語とか除きたかった言語は「exclude(除外する)」を押しました!その結果言語の欄はこんな感じに↓

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 他にも時代、編成等々も同様に絞って検索し放題!

私は結局「for 3 players NOT French NOT German NOT Italian」(三人のプレイヤー用、フランス語、ドイツ語、イタリア語を除く)で検索して、それでも二千くらい楽譜が上がってくるからこの中から「Modern」(現代)を選択してみたり、「Early 20 Century」(20世紀初頭)を選択してみたりしました。

楽しい!!

夜中の3時くらいまで夢中で楽譜を漁りました。私の他にも片っ端からこのサイト漁って歌を見つけて歌っている人がいるらしいことはTwitterでもみて取れました。

でもそんな風に楽譜を探す中で「あなたの国での著作権法に合致してるか確かめて使用してね」みたいな文章を見かけることも多く、これは一体どういうことだろう、と思いつつもスルーして楽しんでいました・・・。

2.「著作権」って、いつ切れるの?

そんなある日、ファミレスでご飯食べながら友達に「著作権」の話題を出してみたら、友達が「なんか伸びたよね、著作権切れるの死後50年だったのに、最近何年か伸びたよね」って言うんです。へええ、って思って調べてみました。分かりやすかったサイトを2件抜粋してみました。↓↓↓

●日本図書館協会「著作権の保護期間の延長について」

●文化庁「著作権等の保護期間延長に関するQ&A 

どうやら著作権切れになるのは「死後50年」から「死後70年」に伸びたらしい。ほおーん。

えっ、? 

それってつまり、1967年没のコダーイも、1965年没のシベリウスも、まだ死後70年経ってないから著作権切れじゃないってこと!?!?!?!

3. 勘違い

いや、これは私の早合点でした。日本図書館協会と文化庁のHPをきちんと最後まで見ればよくわかります。2018年の12月30日から「没後70年」の法が施行されましたが、それまでに「没後50年」扱いで一度「著作権切れ」になったものは、著作権復活しないそうです。

つまり、コダーイもシベリウスも一度「著作権切れ」になっているから「著作権切れ」のまま!!

良かった〜。

法改正が施行された2018年から50年前の「1967年の12月31日まで」に亡くなっている人の作品は皆、著作権の保護期間満了扱いとなるそうです。でも、著作権切れの作品が今まで通りなら、「没後50年」から「没後70年」になった、この皺寄せは一体どこに来るんだろう?

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理解しようと必死に描いた図。ファミレスで助言をくれた友達の子供の顔のスケッチが透けて見える。

4. 生まれた空白の20年間

著作権の保護期間が「50年」から「70年」になったことによって、一体何が起きたか。一番の影響は、法改正が施行された2018年12月30日から空白の20年間が生まれたってことだなと思いました。2018年から2038年までは新たな著作権切れ作品が生まれない。1968年に作者が亡くなっていた作品は、法改正前までは2019年に著作権切れになるはずでしたが(50年経過してるから)法改正により著作権切れになるのは2039年になってしまったということです。

それから私の「没年調べ」が始まりました。歌いたい曲の作曲者、作詞者は何年に没しているのか。1967年以前に亡くなっていた場合は「セーフ…。」調べるのにあまりに必死になりすぎて、時折「えっまだ生きてるやん…!」とか失礼過ぎることを思ってしまったら、その作者さんには「これからもたくさん素敵な作品作ってください…」ってお祈りしました。そんな矢先、「クリスマスソング」というジャンルの中に意外と著作権切れの作品がたくさんあることに気付いたのです。

5.おまけ:著作権切れの「クリスマスソング」

そう気付いたらいてもたってもいられず、クリスマスソングの検索を始めました。もはや女声三声とか合唱作品とかはさておき、どのメロディが著作権が切れているのか興味津々。流石欧米はクリスマスが歴史の一部なだけはある。著作権切れの作品が出るわ出るわの状態。英語の作品はまとめられているサイトを見つけました。

●Christmas Songs in the Public Domain 

どっこい、日本語に訳されたものを使用したい場合は別問題。そこに著作権も発生しているからです。

●弁理士講座同好会2017.vol.29 クリスマスソングの著作権

ここから様々なクリスマスソングを日本語に訳した方々の没年を調べる旅が始まります。「ひいらぎかざろう」の日本語訳をした松崎功さんは(1904-1954)なので著作権が切れていると確証が持てましたが、他の作品の訳詞者の方々は1968年以降に亡くなられた方が多かったです。散々調べた後にこの知恵袋も見つけましたが、概ね同じ結論出てました。

●Yahoo!知恵袋「商用利用可能なクリスマスソングを教えてください。」

ところで「きよしこのよる」とかは賛美歌だけど、賛美歌曲集に入ってる作品ってどんな扱いなんだろう。いくつか賛美歌の作品をピンポイントで曲名調べても、なかなか訳詞者の名前が検索に引っかからない曲もあって、謎だな、と思っていたところでこんなページを見つけました。

●日本キリスト教団出版局について「賛美歌の著作権について」

なるほど、たくさん勘違いなさる方もいるようです。

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歌いたいクリスマスソングを片っ端から調べて書いたメモ。日本語はほとんど全滅です。今日はこの辺で。著作権って奥が深い。

#著作権 #著作権切れ #pablicdomain #著作権フリー #合唱 #女声 #パブリックドメイン

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