青森美人主義

-美しい青森から美しく− Bリーグ「青森ワッツ」のチアダンスチーム「ブルーリングス」を軸に描いた"青森美人"ストーリー。

青森美人主義

-美しい青森から美しく− Bリーグ「青森ワッツ」のチアダンスチーム「ブルーリングス」を軸に描いた"青森美人"ストーリー。

最近の記事

エピソードⅣ|私のままで

RUIは、小さい頃から舞台に立つことが好きだった。「ガラスの仮面」に夢中だった。小学校から始めたバレエ。待ち遠しかった発表会。キラキラした舞台の前のドキドキする緊張感。舞台に立ってしまえば、もう大丈夫。私が踊れば、みんな喜んでくれる。笑顔になってくれる。私は、それが何よりもうれしい。 小さい頃から優等生だった。学級委員にお勉強。褒めてもらえるし、期待されることだって嫌いじゃない。息苦しさを感じた時もあったけど、大丈夫。私は優等生でいい。 いつの頃からだろう?RUIは、自分

    • エピソードⅢ|大好きな青

      運命の青い糸 ―2015年の春―  NAOは秋田から青森にやって来た。大学生になったら本格的にやろうと決めていたチアダンス。プロバスケットボールチーム「青森ワッツ」のチアダンスチーム「ブルーリングス」はすぐに見つけた。”青く凛と燃える情熱の炎” ”凛とした心を持った輝く女性、社会的責任を持った女性を目指す―”。チームの指針に心を惹かれた。そんな女性になれたらいいな。でも、青だから青森の人じゃないとだめか…。諦めて入った大学のダンスサークルで札幌出身のKAEと出会う。ダンスよ

      • エピソードⅡ|見たかった景色 (後編)

         元気出たよ!  友達が笑顔で言ってくれるのがYUKIは嬉しかった。高校で3年間続けたチアリーディング部。人の笑顔を見ると自分も笑顔になる。母、朱美もYUKIの笑顔が好きだった。いつも元気で自然と家の中が明るくなる。青森ワッツチアダンスチーム「ブルーリングス」のメンバー募集の新聞記事を目にし、YUKIにピッタリだと思った。やってみたら?何度も促した。家族で青森ワッツの試合を観に行ったことがある。YUKIの目は自然とブルーリングスに向いた。やっぱりプロのチアはステキだな。輝いて

        • エピソードⅡ|見たかった景色 (前編)

           夢はどうやって見つけるんだろう?   HONAMI(ほなみ)は、夢を追いかけている友達が羨ましかった。私は取り柄がないから夢なんて− そう思っていた。好きなことはあった。踊ること。野球好きの父親と観た楽天イーグルスの試合で公式チアリーダー「東北ゴールデンエンジェルス」に惹かれた。チアダンスって素敵だな。 憧れだった。まだ、夢ではなかった。  オーディションを受けてみたらどうだ? ある日、父親に言われた。青森にプロバスケットボールチ

          エピソードⅠ|おだやかな私

           夢の中にいるみたいだった。最後のタイムアウト。コート上で踊る1分間がいつもより長く、ゆっくりと感じられた。意外だった。おだやかな私がいた。  2018年4月28日。三沢。青森ワッツの2017-18シーズンホーム最終戦。この日を最後に、岩舘千歩はチアダンスチーム「ブルーリングス」のプレーヤーから退いた。 2018-19シーズンからはディレクターに専任する。一年前から決めていた。楽天イーグルスのチアで一度現役を退いている。感傷は全くなかった。 「青森で活動を始める時、兼任は

          エピソードⅠ|おだやかな私