夢(2022/12/3~2022/12/4)
人といる夢だった。現実にわたしはその人をその人とわかるが、その人はわたしのことを記名性のある存在として認知したことはない。目覚めるまでその人がいることに何の違和感もなく、夢とも気がつかないくらい自然にやり取りをしていた。
その人には事前に許可を取った上でDMで作品を送っていた。これは現実でのこと。その感想を話してくれていた。
「いいとは思う。ただ申し訳ないけど、詩という形式の持つさみしさには勝てない」と言われる。
詩のことをさみしいと考えてはいなかったはずなのに、新しい解を得たように目の前がひらける答えだった。わたしの作品に足りていないものはこれか、とすら思えた。
ひとしきり話したあと、その人は連れていたおおきな犬を抱きしめていいよ、と渡してくれた。巻毛の犬で、顔で犬種がわからなかったので尋ねると柴犬だという。ふわふわとあたたかい犬を抱きしめながら、その人が山羊のような犬か、犬のような山羊かを散歩させているのをずっと眺めていた。