物流リテラシー
今回は物流リテラシー、その中でも安全について話したいと思います。
雪の中でトラックが立ち往生するニュースを見ると、ドライバーの生死に関わる事で非常に気になり、的確な輸送指示をするためには物流リテラシーの向上が必要だと思いました。
多くの人が物流の安全には目を向けていないのではないかと思います。物流の安全に注目してもらうためにも、物流に関する知識や意識を高めていく必要があると考えています。
それでは物流リテラシーを解説していきたいと思います。
物流リテラシーとは
物流リテラシーには明確な定義はないと思っていますが、ここでは以下の知識が十分にある事を指すとします。これは私個人の意見です。
その物流に関わる法律
その物流での社会的影響
その物流での人命・環境・貨物の安全確保方法
物流の構造
物流のオペレーション
他にもあるかも知れませんが、これだけ分かっていると物流リテラシーが高いと言えると思います。特に荷主としては、少なくとも1から3の安全に関わる部分については知っていて欲しいと思います。
輸送責任
物流の中でも輸送は公共の場を利用します。輸送業者の方は免許制度の下で生業として行なっており、その責任は当然あります。
しかし輸送業者は一般的に梱包された貨物を引き受けるため中身に何が入っているかは、荷主の申告を信じるしかありません。
運んではいけない危険な物が入っていたとしても、荷主から教えて貰わなければ分からないのです。都度、中身を確認できませんし、見たところで安全か危険か判断できないでしょう。
もし危険性を知らないまま運び、輸送中に事故が起きた場合に誰の責任になるかは明確で、それは荷主以外にありません。
危険物以外にも重量が表示と大きく異なる、重心が著しく傾いている、梱包が不十分などがあれば大きな事故を誘発させる可能性が高まります。
荷主が責任を持って物流業者に対して積極的に情報提供をしないといけないでしょう。
安全第一
安全についての私が心がけている優先順位です。
周辺住民の安全
作業に関わる人の安全
周辺環境の安全
貨物の安全
納期やコストの話は、これらの安全を確保した後の話です。
安全は全てにおいて優先されるべきです。当たり前に聞こえますが、いざ当時者になるとそうでは無くなります。
驚かれるかもしれませんが、何かに追われていると台風の中でも船や飛行機、トラックを出発させようとする人は意外なほど多いです。
危険を認識出来ていないか、冷静な判断を失っているのです。
最近は店が断ってくれるようですが、台風、大雨、強風の時にピザを頼むのもコレと同じです。物流に関わる人や運ぶモノの安全は自分には関係ないと思っているか、危険な依頼している事を全く知らないのでしょう。
個人の場合は知らなかったで許されるでしょうが、事業として行なっている企業としては知らなかった、知ろうとしなかったでは済まされません。
安全のコスト
あと忘れてはいけないのが、安全のためにはコストが掛かる事です。ただコストをいくらでも掛けていいとはなりませんので、低コストで有効な対策を打つ必要があります。
私の場合は、作業者を保護するものは積極的に導入しようと考えています。また安全に必要な知識を学ぶ機会があれば可能な限り教育を実施しています。事故が起きた時の費用と比較すればこれらは非常に安価で有効だからです。
他にも詳細な天候等の情報を取得できるサービスももっと活用はするべきでしょう。
普段から必要かつ現実的なコストは掛けて安全を守るという意識が必要だと思います。
更に言うと輸送業者の方もただ値上げではなく、”安全性や輸送品質向上のための提案”という形だと、より前向きな話し合いが出来るのではないかと思います。
まとめ
全ての荷主がそうという訳ではありませんが、物流リテラシーの低い荷主はまだ多いように思い、憂慮しています。
また最初の大雪でのトラックについては、その安全があまりに軽視されているように思います。悪天候での運行は船や飛行機では考えられないですし、船長、機長の権限も十分に認められています。トラック・ドライバーにも一定の権限を与えたり、運行会社の管理責任の強化や、荷主による運行強要への罰則も必要だと思います。
悲惨な事故を見るたびに、仕事で命を落としたり、一生残るケガをするのであれば、その仕事をしなければ良かったのでは?と思います。
そのような事故を防ぐためにも、より高い物流リテラシーを多くの方に持って貰えるよう、貢献していきたいと思います。
以上、今回はここまで。
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