トラックドックの考察
今回はトラックドックの考察をして行きます。
なぜトラックドックについて考えるのかと言うと、物流設備を用意する際にどの様なインターフェースがいいのか悩んだからです。またこの件に関してまとめられた資料やサイトは見つけられなかったので、いい機会だと考えました。
どの方式にもメリットとデメリットがありますので整理して適切なものを選べる様にしていきたいと思います。
トラックドックの種類
トラックドックの種類は以下の通りです。
通常(低床)
掘下げドック
プラットフォーム
パワーゲート
高床
まだ他にもあるかも知れませんが現在思いつく限りはこの程度です。倉庫、工場などの床レベルと荷役の床レベルを比較して行きたいと思います。
1.通常(低床)
通常は何もないヤードでリフト荷役するイメージです。ここを基準に整理しました。
ここでの最大のメリットは車両側面からの荷役については他の方式に比べてこの通常方式が最適です。
2.掘下げドック
地面を掘り下げてトラック荷台の高さと荷役レベルを同じにするものです。新しい施設を建設する際でないと導入は難しいかも知れません。
大きなスロープが必要になり、これが充分に確保できない敷地だと荷台に傾斜が付いてしまい、貨物によっては荷崩れの恐れがあります。
また排水が必要で大雨の対策や落ち葉対策も必要でメンテナンスに気を使います。海抜の低い地域だと設置が困難だと言えます。
ただ工場などの床レベルに合わせられるという点では好まれるドックです。
3.プラットフォーム
平面のヤードに鉄骨構造の台を設置します。リフトが昇れるようスロープを付けたものが多いです。倉庫以外の場所やドックが不足した場合に導入される傾向にあります。後から追加できる点も他のドックとは大きく異なります。
レイアウト変更にも柔軟に対応できます。
リフトと貨物の重量に耐えられる構造が必要で単体での費用で考えると割高になる可能性があります。
4.パワーゲート
これは車両側に床面と調整する昇降機能を付けたものです。
最大のメリットはリフトが不要になる事です。ドライバーの作業も手荷役よりはかなり楽になります。場所も選びません。
課題は車両価格の上昇と貨物積載重量の減少です。またドックによっては接続出来ないケースも出て来ます。トラックとしての汎用性が若干落ちるという点も注意すべきでしょう。
5.高床
床が荷台の高さに設定されたドックです。ドックレベラーが必要になる場合もありますが、リフトが直接荷台後方にアクセスでき、昇降の必要がないので、スムーズな荷積み、荷下ろしが可能です。
高床にすると荷役は容易になる反面、床強度が落ちます。重量のある製造設備が設置できないため、製造設備のある場所に高床式のドックを併設してしまうと、荷下ろし後に昇降が必要になります。
そのためクロスドックなど、通過するだけの場所。倉庫には適した方式と言えます。
メリット・デメリット
ここまでの内容を整理すると以下の表のようになります。
どれもメリット、デメリットがあり、どこで何をどの様に扱うのかによって答えが変わります。出発地、到着地によっても変わりますので、その物流施設がどの様に使われるのか十分な検討が必要です。
まとめ
まずは思いついたもので作成しましたので、まだ他にもあるかも知れません。今後も新しいドックを見つけたらこの記事を更新したいと思います。
また間違いなどもあるかも知れませんので、ご指摘も頂けると助かります。
以上、今回はここまで。
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