あお

フリーライター、イラストレーター。20代半ばの日本人。特技は人間観察とカラオケ、そして日常を笑い話に変えること。エッセイや日頃思うことについて投稿します。

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最近の記事

アラサーのいとこが婚活を始めた件

 いとこが婚活を始めた。もうすぐ30歳になるのに、出会いが無くて焦っているという。男の人だから多少歳食っても問題ないんじゃ…と思う私だったが、彼は本気だった。早速、上司に紹介してもらった女性と会うことになったのである。 「上司の紹介って、断りづらいでしょ。よくやるわ」 「信頼できる人の紹介だから変な人は来ないさ」 信頼できると断言できるほどの人の下で働けるとは、幸せものである。私は彼に人生の先輩として次会ったときに感想を聞かせてくれとせがんだ。  そして、それから3か月後。

    • メイクをきちんと友人に教わった件

       大学進学と同時に、私はメイクをするようになった。必要なコスメをひと通り洗い出し、近所のドラッグストアで買い揃え、雑誌を見ながら一生懸命真似をして…とても手間と労力がかかった。女として生まれた以上、エチケットとしてメイクはすべきだということで、女に生まれて面倒事が一つ増えたとしみじみ思った。  しかも、全然うまくいかない。アイラインはガタガタ。ビューラーは瞼を挟んだことがトラウマになり、以後2年ほどコスメポーチの奥に封印された。何より困ったのがファンデーション。いつのまにか漆

      • 涼む女子高生

        • クレイジー女子高生

          塾では教わることができない、学力UPの3要素

           高校生のみなさん、そして高校生のお子様をお持ちの保護者の方や教員としてお勤めの方。今回は、塾が教えてくれない学力を上げるために必要な3つの要素について、お伝えしたいと思います。 <はじめに> 私は、前職で予備校の校舎長として働いておりました。そこで様々な生徒と出会い、喜びも悔しさも生徒と共にたくさん感じてきました。そんな私があえて言います。塾に全てを委ねることは危険です。なぜなら、どんなに環境や教材が良くても、それらを徹底的に使いこなさない限り合格は見えてこないからです。

          塾では教わることができない、学力UPの3要素

          良いものも知られなくては意味がない

           今年の1月、行きつけのお店が閉店した。素材にこだわった日本料理屋で、味付けも店の雰囲気もなかなか良かった。それなのに採算が合わなくなって潰れたという。一体何が原因だったのか。  気になってお店について調べようとしたとき、私はその店の決定的な弱点に気付いてしまった。ネットにお店が出てこない。口コミらしきものを除いて、そのお店の名が出ることは無かった。そう、この情報社会で全くネットを使っていなかったのである。SNSどころか、お店のホームページもなかったのだ。  私は思った。ど

          良いものも知られなくては意味がない

          史学科とは

           #とは、というお題を発見したので、私も何か書いてみようと思い立った。そこで思いついたのが、学生時代に所属していた史学科についてである。前職で塾の運営スタッフとして勤めていた際思いの外「歴史が好き」、「史学科に入りたい」という高校生が多かったのだが、彼らの想像する史学科と実際の史学科は恐らくギャップが大きいのではないか。少なくとも私はギャップが大きすぎて一時期歴史を嫌いになりかけた。今回は、高校時代は歩く日本史用語集と呼ばれた私が自分の歴史愛が偽物だったと思い知らされるほどデ

          史学科とは

          【謎】「男は?」と言う女

           みなさんには、どうしても理解できない存在がいるだろうか。私はいる。恋を中心に生きている女だ。彼氏ができたらそれが何より最優先。先約などお構いなし。キャンセルしてでも彼氏との時間を死守する。そしてそういうヤツは決まって、恋バナというものをするときに彼氏のことを「男」と言う。それが気に食わない。「男」とは何だ。「オス」としてしか見ていないような感じがして、気色悪い。  では、なぜそんな理解不能の生き物についてしたためているかというと、「本能のサブタイプ」という概念と出会ったから

          【謎】「男は?」と言う女

          会い続ける人と、会わなくなる人の違い

           先日、高校時代の親友と1年ぶりに再会した。ファミレスで近況を報告し合い、本屋でお互いのおすすめを話して、散歩をした。お互い気負うことも飾ることも必要ない、自然にいられる間柄。顔を見ると、ちょっぴり照れくさい。笑顔を見ると、安心する。  思えば、彼女とはもう10年以上の付き合いだ。最初は単なるクラスメイトで、部活も違えば進路も違った。共通の友人も一人もいなかった。それが些細なきっかけで仲良くなり、行事や受験を乗り越えて、別々の道に進んで、それでも付き合いが今日まで続いている。

          会い続ける人と、会わなくなる人の違い

          ADHD当事者が語る「気が楽になった」という言葉への違和感

           私は、ADHDだ。ADHDとは、発達障害の一つである。以前は子供に限った話とされていたが、昨今の研究で成人した大人にもありうることが明らかとなり、ASD(アスペルガー症候群)やLD(学習障害)と共に「大人の発達障害」と呼ばれるようになった。ADHDの症状の詳細はここでは長くなるので割愛するが、仕事をするという場面で問題になるのが現代の多くの仕事では命取りとなる「マルチタスクが極端に苦手」という症状だ。    私は事務作業から営業まであらゆるタイプの能力を個々人が求められる

          ADHD当事者が語る「気が楽になった」という言葉への違和感

          ヨーグルトで病弱を卒業した件

           小学校に入る前の私は、とにかく身体が弱かった。入院こそしなかったが流行りの風邪はきっちりもらってしまい、氷枕に散々お世話になっていた。おまけに喘息持ちで、常に吸入器を付けて過ごしていた。そんな私は中学・高校で別人の如く健康になった。なんと一日も休まなかったのである。いったい何が私を変えたのか。その立役者がヨーグルトである。  小学3年の秋、母から薦められて中学受験をすることになった私は勉強に精を出すようになった。しかし、いざ塾に通いだすと小学校の勉強とはるかに乖離したレベ

          ヨーグルトで病弱を卒業した件

          車よりも早く歩く父親の件

           私の父は歩くのが速い。自宅から最寄り駅までの徒歩10分の道のりを、歩いて7分で着いてしまう。そして涼しい顔で、息一つ切らさず電車を待っている。昔していた運動は、はるか太古の中学時代に卓球部にいただけ。それにも拘わらず人を置いてけぼりにする歩みの速さには感動すら覚える。きっと女の子にはさっぱりモテなかったに違いない。  そんな父の早歩きは、とんだ都市伝説を生みだした。小学校4年生の秋。私のクラスは発表会で影絵の劇を披露したのだが、その様子を父がビデオテープに収めてダビングし

          車よりも早く歩く父親の件

          全てを潰す歌声をしている件

           歌うことが好きだ。周りの空気をありったけ吸い込んで、たまったものをひと思いに解き放つ快感。心躍る音楽と一つになれる喜び。歌うことは私にとって、生きる楽しみの一つと言っても過言ではない。週に1度はカラオケに行き、大好きなMISIAやSuperflyの曲を思う存分歌っている。一人で。  そう、一人で歌っている。聞く人は誰もいない。まれに誰かいるが、10回行けば9回は一人で歌っている。なぜなのか。それは、私の歌声に破壊性が伴っているからである。  歌うことの楽しさに気付いた高校

          全てを潰す歌声をしている件

          【旅とわたし】自由と現実

           社会人1年目の5月。GWの終わる2日前。私は一人、新幹線に飛び乗った。ただ、遠くへ行きたかった。誰にも邪魔されず、流れゆく時間を独り占めしたかった。もうすぐ現実と再び顔を合わせなくてはならない。自分の無力さ、未熟さを嫌がらせのように思い知らされる日々が待ち構えている。それならば、せめて今は好きにさせてほしい。誰にも邪魔されず、自分の思うままに生きる時間が、私を唯一生かしてくれるのだから。  行き先は京都。私がすごく行きたかった場所だ。何度か訪れてはいたが、行きたい場所には行

          【旅とわたし】自由と現実

          目立つ理由を検証したら,思いがけずほっこりした件

          「見つけやすい」とよく言われる。別に派手な格好をしているわけではないし、奇声を上げているわけでも道の真ん中で踊り狂っているわけでもない。それなのに、私を知る人は必ず言う。「あんたは目立つから、遠くからでもすぐ分かる」と。  正直、当の本人に自覚は無い。普通に生きているだけだ。それなのに目立つと言われると、変な生き物として扱われているみたいでモヤっとする。それに、私は本来ひっそりと生きていたい性分なので、できれば目立たずひっそりと暮らしたい。そこで、目立つと感じる理由を掘り下げ

          目立つ理由を検証したら,思いがけずほっこりした件

          ゴーカートでコースアウトして茂みに突っ込んだ件

           忘れもしない、小4の夏。旅行中に事件は起こった。その場にいた人たちの表情や、こぼれ出た言葉の一つ一つを私は鮮明に覚えている。そして私はこれを機に、22歳に至るまであることを頑なに拒み続けることになる。  「暑いね、涼しいところ、行く?」父の一言で避暑地に旅行に行くことになった。行き先は長野県、蓼科。小4のあおに小2の妹、幼稚園に通う弟という遊び盛り3人を引き連れるということで、向かった先は白樺湖湖畔にある遊園地。動物との触れ合いを楽しみスワンボートで大はしゃぎして、さぁ次は

          ゴーカートでコースアウトして茂みに突っ込んだ件