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救急搬送 膠原病・心筋梗塞既往で盲腸の手術〔入院~退院の全日記〕

今回はダメかもしれないと思った。心筋梗塞の退院から二カ月しか経っていない。前回の九死に一生は奇跡のようなものだった、奇跡はそうは続かないのではないか。


4月3日(水)盲腸 入院1日目

午後1時半頃だったと思う。自分で救急車を呼んで入院。
抗生剤で様子見。


[何日目かに書いたメモ]
今回は、書けなかった。笑う気も起きなかった。
痛い。今まで痛みがない入院だったので、楽だったのかもしれない。
盲腸とはいえ、薬との関係でリスクは非常に高いと言われた。心筋梗塞を防ぐための血液を凝固させない薬により、外科手術をすると大量出血の可能性がある。だから、いずれの医師も手術したがらないとのこと。
また、心臓の薬を止めると、再梗塞のリスクがとても高いため、薬は止められないと言う。Dr.の間で話し合ったが、意見が二つに割れた。いずれの選択が良い結果になるのか、誰もわからないとのこと。

今回はダメかもしれないと思った。心筋梗塞の退院から二カ月しか経っていない。前回の九死に一生は奇跡のようなものだった、奇跡はそうは続かないのではないか。
それで、かろうじて弟にラインを送っただけで、紙にも携帯にも何も書けなかった。自分の状態をただ見て、向き合っているしかなかった。涙も出なかった。


4月4日(木)入院2日目(手術日)

午後になっても大きな変化はなかったが、血液の値がやや悪化しているため手術した方が良いとの勧め。
ただし、心筋梗塞の薬を飲んでいるため、出血のリスクがある。術後の傷の治りが悪い可能性も高いとのこと。
家族、母が来てドクター説明を聞く。リスクについては、10%、20%という高い数字ではもちろんないとのことで、手術とした。
手術しない場合の予後は全く不明とのこと。腸に穴が開く等の悪化も考えられると想像した。


手術まで38.5~39℃。痛みとふらつきとのたたかい。入院以来ずっとやっている痛まない姿勢や力の抜き方で、痛みをしのぐしかない。


夜7時45分手術室入室。その時まで母が居てくれる。

夜11時頃終了。無事終了という言葉が聞こえた。
麻酔明けが不快。もうろうとしながら、気持ちの悪い夢をずっと見ていた。


4月5日(金)入院3日目(術後1日目)

午前、ドクター来て患部の確認。「今日より明日、明日よりあさって、必ず良くなっているから大丈夫、安心して下さい」との言葉。

ドクターから体を起こす許可出た。離床しろとのこと。
ベッド上に、足を下ろして座ってみる。


11時、二人部屋4B31号室に移った。この時に心モニター、足を圧迫するもの(止血用の装置)点滴のいくつかが外れた。尿管を抜いた。
午前までは麻酔抜けず。
改めて別の痛みが強くなっている。

さくらももこの本、ラジオを聴いて過ごそうとするが長続きせず。


午後、初めて中村Ns.と歩行を行った。
ベッドに戻って、入院以来初めてホッとして泣く。ナースが見ていてくれるのも嬉しい。

夕方家族が来る。出産の時の話など聞く。痛かったそう。なるほどそうだろう、比べものにならない痛さだったろうな。

今日までしびん。体を起こすのもしんどく、しびんもひと苦労。それと尿道が痛い。


夜8時過すぎ、歯みがきでもう一度歩行。


夜は眠りが浅く、何度も目がさめる。


4月6日(土)入院4日目(術後2日目)

今日から、トイレは立っていくことにした。朝Ns.に訊いて許可、一人で可となった。午前2回トイレ、洗顔、歩行。

午前にブラインドを上げて陽を入れ、窓を開けた。
窓際にイスを置いて座ってみた。少しだけ泣いた。


午後にガスが出た。トイレで座ってみたが何も出ず。お腹がよく鳴り、食べたい気がする。

窓際に座り、早くここを出たいなと思った。


今日は5回くらい歩いた。


4月7日(日)入院5日目(術後3日目)

朝初めて排便あった。

朝、ボノデオ(以前から飲んでいる薬)が出されたので飲水確認をしたところ、Dr.より今日から水、お茶OKに。問題なければ、明日昼から食事とのこと。これは嬉しく、Dr.がいなくなってから一人で小さい声で「やったー」とつぶやいていた。


Dr.説明では、予後は順調で、お腹の管(お腹から出ている排液の管)の液の色も量も普通。普通の盲腸の経過とのこと。Ns.にきくと、液色は赤→だんたん黄色となっていくらしい。


昨夜、周期的な痛みが来るので、良くなっていないのでは?炎症はむしろ悪化では?ヘパリンを入れて傷がふさがる訳ない、と思った。
治っている気持ちが持てないと気分が下がる。起きた時にかなり沈んでいた。


その後、午前中、体を拭くときにNs.と話して、着替え、T字帯をパンツに替えた。シャンプーを借りられるとのことで、頭を洗った。


4月8日(月)入院6日目(術後4日目)雨くもり雨 寒い

職場にメールをしていくつかの細かい内容を伝えた。


午前にレントゲンあり、ついでに帰り道に売店で買い物。


昼から食事(五分がゆ)→一人でトイレへ 水よう便だったので、夕食少しセーブしてヨーグルトを外す。


昼夜とも全量。夜眠れないため、日中眠らないようにした。


[kindleで]まんがちびまるこ他、読んですごす。気分やや↓ダウン。


雷。稲妻を見たくてブラインドを全部上げた。


4月9日(火)入院7日目(術後5日目)晴れ あたたかい

朝、初めて富士山がまっ白にきれいに見える。

約45分かけて朝食たべてから、Dr.来てドレンチューブ抜かれた。


ゆっくり全身を拭いた。T=36.8 今までで一番低い。


昨日11:00~2:00、3:30~7:00 はじめて眠れた。
昨夜から動かない時の痛みが引いているときがある。背もたれをやや起こし目の方が眠れるか?


13:00~15:00 ひるね


晴れて空が青く気持ちがよい。太陽にはさからえない。明るくなる。
書いてみて、まだ一週間しかたっていないことが意外だった。


夕方、救命のCTへ。


4月10日(水)入院8日目(術後6日目)雨 4~6℃ 寒い

朝、回診の偉いDr.(東風Dr.)直々に、残っていたチェック用の管を抜いた。生食の点滴なくなり、点滴ポンプは1台に。


午前レントゲン。帰りに缶コーヒーを買う。


午後抜管して痛みが少なくなり楽。ずっと座ってすごすようにした。

13:00~14:10昼寝。


体重は昨日、今日64.8キロで、入院時の68.8(これも多い。点滴の水分か?)から急にへり始めたが、筋肉もおちるので良いとは言えない。


売店で買った宮部みゆき『レベル7』をきのうから読んでいる。


スマホのネットですいはんき、DropBoxなどしらべた。

 
T=36.6平熱(時々36.9くらいまで上がる)



Ns.がダメなのは…

前回の入院からずっと、ここの看護師の応対をマイナスに思っていた。患者に敬意を持つべきだと思って見ていた。でも、実は背景があるのかもしれないと思うようになった。

多分、敬意を持てるような年長者などはほとんどいないのでは?患者へのあきらめと、なめられてはいけない気持ち。
言葉でへりくだった時には、患者はもっと偉そうに、わがままにふるまうだろう。だから、あきらめの気持ちと、身を守るため、危険を避けるために、言葉で制さざるをえなくなってしまったのではないか。
それは考えて選択した方法ではなく、また、あるべき姿の検討もなされてはいないとは思うが。 (18:00)


4月11日(木)入院9日目(術後7日目)

夜中(=金)、午前0:00少し前に、点滴終了した。


朝、窓の外にチョウが舞っているように見えたが、強い風でサクラの花ビラが4階まで舞い上がっているのだった。写真を撮った。


今日は、検査も何もなかった。「のんびりすごして」と言われたが、やることなく廃人のようにすごしていた。

晴れたが風の強い日、『レベル7』を読んですごした。昼間は体を起こしているようにしている。

夜中に、Amazon primeでヘリのレスキューのアニメの以前の残りを全部見た。


4月12日(金)入院10日目(術後8日目)

朝にDr.来て、点滴の針を抜いてOKとのことで、午前にNs.に抜いてもらった。そのDr.が怖いのだと、Ns.の愚痴を聞いて過ごした。


12:30に、シャワーの予約を取ってもらえて、初めてシャワーを浴びた。
傷は、気づかなかったへそのところにもあった。最後の傷がやや湿っているのが少し気になった。


ねまきのレンタルを止める手続きに、入退院窓口に行き、スタバで苦いコーヒーを飲んできた。


夕方、母が来るつもりでいたところ来ないとのことで、ちびまるこちゃんをkindleで読んで過ごした。映画『Catch me, if you can』を途中まで見た。


昼から普通の白飯になった。

中村、高橋、金子、樫村Ns.


4月13日(土)入院11日目(術後9日目)

早朝に採血。Dr.からは詳しい説明はなかったが、特に問題なかった様子で、日曜日に退院と決まった。
何か区切りがないような終わり方。


ゆっくり休めるのは今日が最後。体力を温存した方が良いと思ったのか、ベッドの背もたれを起こして、横になったまま一日すごす。歩く練習もせず。気力↓ダウンか?


夕方に荷物の片づけをした。その後、売店にお菓子とコーヒーを買いに行った。ドーナツがうまかった。下りるとき、4階から階段で下りたら、少し目まいがした。


ちびまるこちゃん3巻とナースの漫画をkindleで読んだ。夜は、映画『そのときは、彼によろしく』を見た。


スマホのAmazonで、車の内装クリーナーとPCケースを注文した。


0:00~6:45までぐっすり眠った。やっと眠れるようになった。


4月14日(日)入院12日目(術後10日目)

W=63.5

患者が知りたいのは、自分の状態が普通と比べてどうなのか?「よくあることなので安心していいですよ」のような言葉の安心感。どんな見通しで治っていくのか?今どの段階なのか?どんなリスクがあるのか?それを越えたのか?

不安と喜びに寄り添った声かけ。それは、個々に違うはずのもの。


【退院にあたっての反省】

食生活に気をつけよう。もう一度チャンスはある。飢餓感を越えよう。

同じものばかり食べない。

片づけをもう少しすすめていこう。

一緒にいたい人とすごす時間を大切にしたい。


抱えている体調、体質は治った訳ではないので

ずっと気をつけていく

今回は危ないところだった

この機会を生かしていく

9:10 4B31号室のベッドの上で


【kindleで読んだ本】

iPad仕事術
倉本聰の姿勢…途中まで
DropBox厳選テクニック27
寺内貫太郎一家…途中まで
ドン引きナース
ちびまるこちゃん8~11巻、1巻途中まで
レベル7 宮部みゆき
まる子だった…途中まで

【AmazonPrime】

セトウツミ
キャッチミー イフユーキャン
よみがえる空
そのときは彼によろしく
涙そうそう…途中まで

【Radio】

能町みね子
高橋源一郎→GEZAN DNA

【Music】

Cocco
鬼束ちひろ


【YouTube】

ラバーガール
サンドウィッチマン
ザ・ギース


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文 :Ⓒ青海 陽

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青海 陽
読んでいただき、ありがとうございます!☺ かつての私のように途方に暮れている難病や心筋梗塞の人の道しるべになればと、書き始めました。 始めたら、闘病記のほかにも書きたいことがたくさん生まれてきました。 「マガジン」から入ると、テーマ別に読めます(ぜんぶ無料です)🍀