映画『君たちはどう生きるか』が反戦映画である理由
映画『君たちはどう生きるか』は反戦映画である。もちろん、宮崎駿自身が語っている通り本作のテーマは複雑な心情を抱えた少年の成長物語であることに疑いがない[1]。しかし、宮崎駿作品によくみられる、登場人物や状況の説明がなく、観客の理解が追い付かないという特徴が、本作においては特に顕著であることもあり、多くの観客は本作の根底にあるメッセージを見いだせていない。本稿は、本作の底流にある思想を理解するには反戦の訴求という要素が不可欠であることを説明することに主眼を置くため、少年の成長と